今朝はもっと早く出勤しようと思っていたのに、目覚めたら、あらっ、という時間で、3限の「地域生活文化論」の最終講義になんとかすべりこんだ。最終講義といっても、ただの最終講義ではありません。4年生(2期生)に対するわたしの最終講義であって、今日のテーマは「日本民家の座標」。「地域生活文化論」では、中国漢族の民家を皮切りに、周辺地域の少数民族住居等をスパイラルを描くをように観てまわり、最後に日本にたどりつくという設定で、今日がその最終回。世界史的といえば大げさだが、アジア史的な視点から日本民家の位置づけを語ろうという目論見があるものだから、いつもより長くしゃべってしまい、学生のレポート時間が短くなった。でも、まぁ、許してください。いちおう、わたしの最終講義、そして君たちの最終レポートなんだから。
自分でいうのも何なんだけれど、この講義は結構人気があって、「浅川先生の講義ではいちばんおもしろかった」と授業評価に書いてくれた学生もいる。4年の展開科目であるにも拘わらず、履修登録者総数90名、就職活動が頻繁なこの時期に、常時60名以上の出席があり、今日は70名の学生がわたしの最終講義を聞いてくれた。いや、感激しています。2期生のみなさん、ほんとに、ありがとう。
さて、この講義が終わるころ、携帯のブザーが鳴った。S紙のO記者が、すでに教授室の前で待っているという。何を隠そう、今朝、遅刻しそうになったのは、昨晩、この人と飲み過ぎてしまったから。途中から某国営放送のデスクまで加わって、新装開店のお店に入り、またしても、飲んではしゃいだのであります。今日、Oさんが来学したのは「ダンボール大作戦」の取材のため。修復建築スタジオでステンド・グラス、クラブハウス前でダンボールハウスと楽器、茶室で太鼓襖作りをじっくり取材していただいた。
これが終わると、こんどは夕方から大学院の授業。西村幸夫氏の大著『都市保全計画』(東京大学出版会、2004)を3人の大学院生と読んできて、1学期が今日でおしまい。本文819ページ中やっと245ページまで達した。年度末までに完読できるだろうか。じつは3人の大学院生のうち、田中成一君(1期生)が7月末をもって本大学院を退学し、地元鹿野の工務店に就職することになった。その工務店は鹿野の町並み保全事業とも深く関わっているとのことで、「頑張ってほしい」と激励した。鹿野はおもしろい城下町だ。県内有数の城下町である。規模はともかく、その景観の質に鳥取は脱帽せざるをえない。鳥取の町並みには、すでに城下町の残り香すら失せている。

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- 2005/07/22(金) 00:03:36|
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