8月26日 エジンバラ: スコットランド博物館、エジンバラ博物館(ハントリー邸)、ホリルードハウス宮殿、ホリルード公園 寒い夜はサムソナイト、なんてふざけたなこと書いている奴がどこかにいたが、今朝はサムソモーニング娘が窓外で踊っていた。この寒さは、8月末の北海道を上回っている。スコットランドの気候は北海道と似ていると、たしか『地球の歩き方』に書いてあったが、似ているのは気候ばかりでない。先住民族のケルトが、わたしにはどうしてもアイヌとだぶってみえてしまう。ついでに言うと、スコットランドのハイランド(丘陵・山間地域)に住むケルトは、台湾先住民のなかの高砂族(中国語では「高山族」)ともイメージが重なりあう。おなじ被征服民ながら、ロウランド(低地)のケルトは「熟蕃」と呼ばれた平甫族と似て文明を受容し、ハイランドのケルトは「生蕃」と呼ばれた高砂族と似てそれを拒絶した。さらにこんがらがるけれども、スコットランドが北海道ならば、オークニーは千島、シェトランドは樺太のようにも映る。オークニーが壱岐で、シェトランドが対馬と言えないこともないか。
今日はハイ・ストリートのケルト・ショップに入って、久しぶりにケルトの図柄と再会したのだが、やはり、アイヌの紋様とよく似ていると思った。寒いからマフラーを買ったところ、ますます気温は下がり、ホリルード公園の急峻な山道を登るにあたって、大変役にたった。
本日いちばんの収穫は、ホリルードハウス宮殿の背面に残るアビー(修道院)の廃墟。イギリスでは、こういうアビーを絶対復原しない。崩れ落ちた部分は撤去し、廃墟のまま公開しているのだが、この廃墟と化した建物にわたしはめっぽう弱い。豪壮華麗な宮殿建築や教会建築に出くわしても、どうってことはないのだが、崩れ去った建築物がその状態のまま屹立している姿をみると、身も心も震えてしまう。遺跡整備の立場から言えば、残っている構造物を固めて、まわりに芝生を張るだけだから、これほどシンプルな仕事はないわけだが、よく考えると、壊れつつある石造建造物をそれ以上壊れないようにするのはやっかいな作業である。
崩れおちてくる石を崩れないようにするにはどうしたらよいのだろうか?



↑アビーの窓。鉄筋で補強している。
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- 2005/08/26(金) 23:27:01|
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鳥取環境大学デザイン学科の学生用フリースペース(ゼミ室)は教育研究棟の四階にあります。別棟に行くには1・2階の出入口を使わなければいけませんし、もちろん外に出るには1階の出入口を使わなければいけません。
大学を出ようと、4階から1階へ降りると、私の行く先を阻むものが

これでもかと言うくらいに「椅子、イス、いす!」と群がり、出入口周辺を占拠しています。その理由は、床のワックスがけのために、1階のデザイン演習室(製図の演習などに使う)に推定200脚はある椅子の一部が室外へとどかされているためです。決して、バリケードとかではないです。
という、環境大学の夏の1コマでした。(ホカノ)
- 2005/08/26(金) 14:49:13|
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