ノビタです。
富山からの帰路、滋賀県大津市の坂本にある延暦寺里坊を訪れました。近江坂本を訪れた目的は、里坊一帯に築かれている穴太積の石垣を、卒論の参考に見ておきたかったからです。自然石を巧みに配して築かれた独特の石垣が、坂本の町なか随所に残っているのです。延暦寺里坊は、比叡山延暦寺の僧達が里坊に住居を構え、妻帯し生活したのが始まりとされており、その街並みは重伝建地区に選定されています。
富山を朝九時ごろに出発し、途中永平寺に立ち寄り、坂本に着いたのは午後三時過ぎでした。天候は、滋賀までは往路と変わらず雨模様でしたが、坂本では快晴。鳥取の11月頃の気候で、紅葉がとても美しかったです。
まず訪れたのは、日吉(ひよし)大社です。日吉大社は西本宮、東本宮、宇佐宮、牛尾宮、白山宮、樹下宮、三宮宮から成ります。西本宮と東本宮は日吉(ひえ)造という独特の様式で、正面から見ると入母屋造なのですが、背面を見ると、庇が切れていてスガル破風のようになっています。両本殿は国宝に指定されています。それ以外の宮も重要文化財に指定されています。初めて見る日吉造の神社本殿に感激しました。もちろん日吉大社の随所にも穴太積が使用されていました。

次に向かったのが西教寺です。西教寺は天台眞盛宗の総本山で、創建は聖徳太子と伝えられ、文明十八年(1486)に復興されました。西教寺の客殿は伏見城より移築されたもので、桃山様式をよく現しており、重要文化財に指定されています。西教寺にも穴太積の石垣が使用されています。

最期に訪れたのが、滋賀院門跡です。滋賀院門跡は慈眼大師(じげんだいし)が後陽成(ごようぜい)上皇から下賜された歴代天皇受戒の寺だった法勝寺を移築したことに始まります。ここにも穴太積石垣が使用され、とくに正門側の石垣は白壁と相俟ってとても美しかったです。

今回、坂本の延暦寺里坊を訪れ本当の穴太石垣を直に見ることができて、本当に良かったと思います。今後、卒論を書く上で非常に参考になると思います。また、建築物も素晴らしく、お城オタクと呼ばれている僕でさえ感動しました。過密なスケジュールのなか、立ち寄っていただきありがとうございました。(ノビタ)
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- 2005/12/10(土) 23:07:46|
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