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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

アユタヤ遺跡の暑い冬 -タイ王国仏教紀行Ⅲ

 やって来ました、4年ぶりのアユタヤです。

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 スコータイ王朝に続く、タイ第2の王朝がアユタヤで、その存続期間は西暦1350年から417年間に及んだ。4年前の夏休み、チョン助教授とわたしはタマサート大学のデン先生のご案内で、この世界遺産を訪問した。あのときは小雨が降っていた。今日は快晴。チェンマイの爽涼さはどこかに消えて、バンコク周辺には暑い冬が滞っている。アンコール・ワット(カンボジア)を模したワット・チャイを皮切りに、ワット・マハタート、ワット・プラン・サンシットなどの代表的寺院跡を再訪し、汗をかいた。ラテライトと赤煉瓦の構造物は、ときに大きく傾いているが、それを矯正することなく、あるがままに保存している。地盤の不同沈下がモニュメントを傾斜させているのはあきらかだから、日本人ならば、それを健全な状態に戻したくなる。アンコール遺跡群の日本隊は、アンコールワット西経蔵やプラサート・スープラの積石や煉瓦を解体して、地盤を作りなおし、煉瓦と石を積みなおす仕事をした。ヨーロッパ人は、こういう修復に批判的である。危険な状態にある石積みや煉瓦積みの構造物をそのまま固めて、傾いたまま現地保存する手法をとる。この場合、当然のことながら、崩れ落ちそうな高所の石や煉瓦を落下させない技術が重要であって、どうやっているのか知らないが、ヨーロッパの技師はそういうことが出来る。これについては、「スコットランドの寒い夏」でくどいほど述べたつもりである。

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 東南アジアのチャンディ系モニュメントの修復も、ほぼこれに従っているわけだが、日本だけが、それとは別の手法を実践しつつある。ベニス憲章に即して動く西欧と、木造建築修理の経験を通して動く日本。現状保存を重視する西欧と、解体→復元を尊重する日本。それはまた、倫理・哲学を尊重する気質と、それらを幻想だとはねのけて実務を最優先する職人気質との違いでもあるが、両者は矛盾しながらも、必ずどこかで照応しうるものだと信じたい

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(写真解説)上:ワット・チャイ、中・下:ワット・ブラシン・サンペット


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  1. 2005/12/29(木) 23:30:35|
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