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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

構造の意匠化 -修学旅行Ⅰ

行程: 鳥取環境大学→播磨浄土寺→神戸市北野重伝建地区→竹中大工道具館

 修学旅行(特別講義)出発の朝、テレビで天気予報をみていると、今日の降水確率は瀬戸内・太平洋側のほうが高くなっている。大学では小雨だったが、用瀬あたりで雪になり、智頭から幻想的な銀世界。それが普通なら大原あたりで消えてしまうのだが、今日は佐用まで続いていて、中国縦貫道は新見-福崎間が通行止め。バスは播但道-山陽道経由のおおまわりで、小野市の浄土寺にたどりついた。浄土寺浄土堂(国宝)はかの俊上房重源の遺作として名高い大仏様の傑作。大仏様の源流といえる寺院は中国に存在しないというのが、建築史学の常識だが、その技術はあきらかに福建系統のものであり、きわめて中国的な建築空間をそこにみることができる。学生たちには、次のように説明した。
  「いま中国的という表現を使ったけれども、どこが中国的かというと、構造を意匠化するところでね、いま君たちが目にしている部材は、どの部材もすべて構造的な意味をもっているのだけど、その部材をデザインしてみせているのだよ。構造の力強さが美しさになっている。それに対して、日本建築は構造材を隠そうという意図がありありとみえる。天井や野小屋の内側に構造材を隠して、みえなくしてしまうんだな」

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 浄土寺で行程はすでに半時間近く遅れていたが、神戸に抜ける高速の渋滞も強烈で、北野の重伝建地区に到着したら、その遅れは1時間以上になっていた。おまけに、外は雨で寒く、大半のグループは洋館めぐりどころではなく、レストランでの昼食に時間を費やしたことだろう。午後3時半から竹中大工道具館を訪問。今日は休館日なのだが、無理を言ってあけていただき、西山研究員の懇切丁寧な説明をうけた。学生も熱心に、大工道具の話に耳を傾けていた。

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 夕方、四条大宮のホテルに着くと、もうすっかり疲れていたが、カーリングのイタリア戦の中継をやっていたので、学生諸君と一緒にテレビにかじりついた。最後の最後まで勝負のわからなかったスウェーデン戦と同じ展開になったが、イタリアのスキップがセンターを外してくれて、日本は4勝4敗の5分にもちこんだ。その後、酔っぱらって眠ってしまったが、眼が醒めたら、こんどはスイス戦をやっていた。日本は不調だった。4点を2回も取られて完敗したが、日本のピークはスウェーデン戦ではなかったか、と素人ながら思う次第。今回のオリンピックで、いちばん楽しませてくれたのは、まぎれもなくカーリングだった。心から感謝したい。

  1. 2006/02/20(月) 23:08:16|
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本家魯班13世

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