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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

ネタがないので

 今日はネタのない一日だ。だから、妻木晩田遺跡のことでも書こうか。このまえちょっとした集まりがあったのだが、どうも整備に対する考えかたが空転しているように思えてならなかった。
 基本整備構想にのっとって、活用ゾーン、復元ゾーン、遺構表示ゾーンという地区分け(ゾーニング)をしていて、それぞれの地区をどう特色づけるかに知恵を絞っているのだが、結局、どこもかしこも似たようなもので、お釈迦さまの指のまわりを急旋回している孫悟空を思い出した。
 話を聞いていて、なんどか溜め息をついた。
  「考古屋の発想だね・・・」
という感想を述べた。若くて活きがよくて、うらやましい限りなんだけれども、それはときに前原代表のようなこだわりのようにも感じられたりして、思わず、
  「そんなのマスターベーションじゃないのか」
という捨て科白が口からこぼれそうになった。
 アイデアをこねくりまわして、行き詰まったときには、原点に立ち返るしかない。
  「シンプル・イズ・ザ・ベスト!」
 いったい妻木晩田の何が人びとに感動を与えているのか、よく考えてみることだ。考古屋に感動を与えるのではない。一般の訪問者に何が感動を与えて、リピーターを増殖させているのかを再確認することだ。
 昨年と一昨年の夏休み、イングランドの田舎町とスコットランドの離島で、わたしは得難い体験をした。だから、あれしかない、と思うのだが、その思いはたぶん他の出席者には伝わらないだろう。

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  1. 2006/03/06(月) 23:50:17|
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投票の日

 卒業研究展の最終日。日曜日ということもあって、大勢の観衆でにぎわっていた。展覧会は成功である。

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 わたしは、今日が2回目の会場入り。展示会の2日め(3月2日)にいちど会場を訪れ、すべての作品と論文をざっとみておいた。印象に残った作品・論文はもちろんそのときチェックしている。昨夜、米子から帰り、今度は『卒業作品集』と『卒業論文概要集』に目を通し、出来がよいと思う作品・論文に付箋をつけた。そして、今日、再び会場へ。まず、もういちどすべての作品と論文をみてわまった。なぜこういうくどいことをしているのか、というと、卒業式に授与する「賞」がいくつかあって、デザイン学科の教員は、優秀だと判断する数点の作品・論文に投票しなければならないからだ。その〆切が今日なのである。
 展示をみた後、カフェに移動した。コーヒーを飲みながら、候補として仮に○付けした作品・論文を『卒業作品集』『卒業論文概要集』と対照させてみた。すると、昨夜までは候補として浮上していたのに、今日はチェックしていない論文があることに気がついた。パネルが地味だと見落としがちだが、論文概要を読むと、結構おもしろいものがある。作品にしても、模型やパネルのプレゼンテーションに目を奪われがちだが、はたして「建築」になったらいかがなものか、と疑われるものがないことはない・・・
 候補の数は、与えられた○の数よりも多くなって、それを絞り切れなくなったから、カフェから再び会場に戻って、いくつかの作品・論文をみなおした。候補を絞る作業のなかで、ひとつだけ基準を設けることにした。二人で仕上げた論文・作品よりも、単独一名の論文・作品に高いポイントを与えることにしたのである。また、できるだけ多くの分野から選びたいとも思った。こうして、ようやく投票すべき対象が決定した。
 
 今年の卒業研究は、昨年にくらべると、「浅川研風」のものが飛躍的に増えている。なにをもって「浅川研風」というのかといえば、歴史的建造物、古民家、集落・町並み、遺跡、文化財、廃棄物などを対象として、その調査・研究・復原・再生に取り組み、作品や論文に仕上げているものである。このスタイルで勝負を決しようとする場合、やはりうちのゼミは強い。ピエールの論文、社長の作品などは突出した位置を占めている。ただし、他の教員がそう思っているとは限らない。だから、賞の行方はまったくわからない。賞などくだらない、と思って待っていればよいだろう。

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  1. 2006/03/05(日) 20:17:02|
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帰りは晴れ -卒業旅行2日め

午前の部

 浅川先生とピエール氏は、第一回 妻木晩田遺跡整備基本設計検討会のため、本日は2班に分かれて行動。その他のメンバーは、了春寺・感応寺を視察。 

 池田家墓所修復整備に関わる研究は終盤を迎えますが、2月3日の「松江藩主菩提寺、月照寺の衝撃」の件もあり、もしかすると米子城主であった鳥取藩家老の中村氏と荒尾氏の墓所が、池田家墓所を研究する上での資料になるのではないかということで、視察する運びとなりました。 荒尾氏の菩提寺である了春寺は米子東高校の近くに位置し、池田家菩提寺と同様、宗派は黄檗宗です。本堂はRC造でややモニュメント的な要素を含む建物です。荒尾家墓所は米子市指定史跡です。墓所は住宅地に面しており、児童公園が付属しています。16基の石塔があり、池田家分家当主にみられる墓碑の形式に似ています。また、区画には地覆石がみられ、玉垣を廻らしていたようすがうかがえます。木造建物は付属したようすは伺えませんでした。

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 一方、中村氏の菩提寺である感応寺は米子城から川を隔てた対岸に位置し、城跡を眺望することができます。こちらも本堂は新しく、RC造でしたが、木造建物を模しています。中村氏墓碑は山中に初代城主のみが葬られており、こちらも木造建物は見受けられませんでした。(ホカノさん)

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午後の部

 浅川先生とピエール氏と合流するため、妻木晩田遺跡に向かいました。その後、合流し美保神社へ発ちました。先生が前回訪れたときは、2005.12.02付のブログのとおり、日没だったため、今回も参拝することになりました。自分ははじめて訪れたのですが、「比翼大社造」とよばれる本殿の規模と意匠に驚かされました。
 その後、青石畳通りとよばれる美保関の町並みを見学しました。町並みのなかには国登録有形文化財指定の旅館、美保館本館とその対面にある旧館の2棟があり、歴史的景観も残しています。漁村の景観と石畳との構成が美しく、こういった景観を残す町並みは貴重だと思われます。ぜひ機会があれば、美保館の内部空間を拝見したいと思いました。(社長)


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美保関 青石畳通り
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国登録有形文化財指定 美保館本館

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  1. 2006/03/04(土) 22:14:30|
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行きに雪 -卒業旅行初日

 出発の朝、外を見て驚きました。雪が吹雪いていて、思わず「嘘・・・」と呟いてしまったのですが、とりあえず集合し出発ということになりました。
 今回は先生とホカノ・西河の二人・キタノ・ぴえーる・ノビタ・社長・一年生のO君の合計9名が参加し、完成した田和山遺跡の大型掘立柱建物を見学させてもらえるということで、まずそちらに向かいました。
 倉吉の辺りまで雪に邪魔され時間通りというわけにはいかなかったのですが、無事現場に到着し太陽のぽかぽか陽気の中、メインの大型掘立柱建物を見学させてもらいました。今回私は初めて訪問したのですが、周りの景色と建物がとてもいい感じに溶け込んでいて、先生と思わず「いいですね」と会話をしてしまった程です。ちょうどこの時晴れていたので頂上からの景色もキレイでした。

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 次に雲州松江藩主菩提寺・月照寺へ向かいました。こちらは以前2月3日のブログで紹介されているので少し省略させていただきますが、今回は前回見学させていただいた初代と七代の廟所も含め全部で9つの廟所を見せてもらいました。実はこの月照寺も私自身今回が初めての訪問で、一周してみて思ったのはどこにいても、どこを歩いていても史跡との一体感を味わえるお寺だなということです。前日からの雪が所々残っていて静けさを感じました。こちらは紫陽花が約3万株植えられているということで是非6月頃にももう一度、訪れてみたいなと思いました。(キタノ)

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七代不昧公の廟門に住む猫たち
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様々な蹲踞がそれぞれ付属している。

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  1. 2006/03/03(金) 22:20:12|
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卒業研究展はじまる

 3月1日より、県民文化会館フリースペースにて、卒業研究展が始まりました。
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 キム・ドク(別名タイガー戸口)用の動画ディスプレイを設置し、すべての出品物が出揃ったのは開催日当日の朝でした。その後、浅川先生が視察され、Y・ジーコの「屏風」展示方法がよくないと指摘され、本日2日目の夕刻に手直しを施し、現在に至ります。

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 Y・ジーコの「揚羽蝶家紋の屏風」は原寸大の作品を展示していますが、最初はフロアに直置きでした。屏風の場合、畳に座って眺めるので、フロアに畳が敷いてあるなら問題ありませんが、観客はフロアを歩いています。だから、目線が高く、屏風を見下ろすようになってしまうのです。この結果、せっかくの力作である揚羽蝶のステンドグラスがまったく目立ちません。先生は、他の作品と同じく、展示台の上にのせるように指示したのですが、すでに展示台の数は尽きていました。ジーコは、仕方がないから、低いあげ床状の台にゴザをしいて畳風にみせ、その上に屏風をおいたのですが、目線にほとんど変化はなく、先生は落胆していました。
 同じく、「目立たない」と指摘を受けたのが、キムの動画ディスプレイでした。動画自体は非常に素晴らしい出来なのですが、モニターが小さすぎて、観衆を誘い込めないのです。感想ノートにも、「モニターが小さすぎる」と書き込まれていました。プロジェクターを持ち込んで、大画面で見せるべきだったかもしれません。ジーコ、キムの作品はいずれも力作だけに、残念です。作品展示にあたっては、最初からディスプレィまで視野におさめておかなければならないことを痛感した次第です。
 一方、論文の展示ですが、昨年同様、隅に追いやられ、目立つ様子もありませんが、内容は充実しているほうだと思います。

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 残り僅かな日程ではありますが、お時間がございましたら、ぜひ、足を運んでくださるようよろしくお願いします。
 
 最後に、3月1日の夕刻には、卒業研究展オープニングパーティーが開かれたもようですが、私は参加しておりませんので、参加されたノビタ君かY・ジーコ君にコメントをお願いしたいと思います。(ホカノ)

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  1. 2006/03/02(木) 23:28:12|
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うちのデブ

 7年前、勝手口のむこうでニャァ、ニャァと鳴く声が聞こえ、扉を開けたら、少し太めの猫が中に入ってきた。当時は首輪をつけていたので、どこかの飼い猫だったのだろう。転居か何かで、飼い主を失ったのかもしれない。人なつこく、おとなしく、やさしい猫で、気がついたら、すっかり家族の一員となっていた。愛称はデブ。娘たちは、携帯のアドレスの一部にdebuの4文字を含めている。少し前まで、屋外にいる時間のほうが長く、日に2~3回、屋内に上がってくる程度だったのだが、最近は室内でのたぁ~とする時間が長くなってきた。
 デブと過ごす時間が増えるのは嬉しいかぎりだが、その反面、でれっとしてソファに横たわる姿をみていると「老衰」ではないか、と心配になってくる。人間なら、おばあさんの歳にあたるらしい。長生きしてほしい。



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  1. 2006/03/01(水) 14:48:39|
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