昨日の池田家墓所に続いて、今日は鳥取城石垣の委員会が開催された。正式には「第3回史跡鳥取城跡附太閤ヶ平天球丸石垣修復工事に関する検討委員会」という。恥ずかしながら、わたしが委員長である。
今回は、3次元測量を受注した文化財保存計画協会もオブザーバーで参加され、ようやく本格的な修復と構造補強に関する議論が可能となった。といっても、委員長がいちばん鳥取城と石垣について不案内であり、なさけない限りだが、昨日に続き、「材料のオーセンティシティ」と構造補強のバランスが議論の焦点となった。石垣の場合、自重による崩壊の危険性がつきまとうわけで、これを防ぐにはどうしたらいいものか、まったく知識がなかったのだが、文化財保存計画協会の経験は豊富で、裏込めや地盤の強化により、構造の安定化が可能であるとの指摘をうけた。
また、安易な石材の差し替えは慎むべきであり、交換した材については年号を記した刻印を施すなどの「修復指針」が必要であるとの合意を得た。今後の最大の懸案事項は、「体制の整備」である。市長がご熱心な鳥取城の復元整備を進めようとするならば、文化課から独立した「現地整備事務所」を組織する必要がある。現地整備事務所のメンバーには考古、歴史、土木、建築、公園整備などの専門家が必要である。これは委員全員の希望であることをここに記しておきたい。
- 2006/03/16(木) 23:01:05|
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