倭文(しとり)の旧加藤家住宅がまもなく登録有形文化財として認可される。今回、鳥取県で登録文化財になるのは旧加藤家だけである。おかげで、マスコミからの取材が殺到し、新聞やテレビで報道され始めた。まことに結構なことなのだが、どちらかというと、環境大学学生の寄宿に関する問い合わせが多く、いささか困惑している。
ここで申し上げておきますが、現状で学生たちは荷物を運び込んだだけでして、いまだ居住をはじめておりませんので、マスコミへの情報提供は4月以降となります。ご了解ください。

それにしても、「登録文化財」と「指定文化財」の区別がよく理解されていない。指定文化財は文化財のなかの優等生であるのに対し、登録文化財は成績が優等だとか劣等だとかのランク付けを拒否し、「築後50年以上経過している建物」ならば、ほぼ平等に文化財として登録される権利を有する制度である。なにより、所有者や管理者がその建造物を保存したいという熱意を思っているか否かが重要な選定基準となる。その点、加藤家を管理するKWさんの熱意には頭が下がった。なお、指定文化財の場合、その建造物は国や地方自治体の補助金によって維持修復されるが、現状変更につよい規制をともなう。一方、登録文化財は補助金のない優遇制度であり、建造物の管理者・所有者を奨励する意図を込めたものである。
全国で登録文化財はすでに5000件をこえているが、県内ではわずか90件。わけても鳥取市内では、旧加藤家が3件めというていたらくであって、この数を他の県市レベルまで近づけるべく、鳥取市には努力していただきたいものである。
- 2006/03/19(日) 18:48:38|
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