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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

のびたインタビュー(Ⅱ) -ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 前回は日本代表の守備組織について、かなり辛口のコメントを頂戴しました。宮本やアレックスのファンが聞いたら憤慨しそうな内容でしたが、A教授を支持する意見もしばしば耳にします。
 今回は中盤と前線について、お話をうかがおうと思っています。

N: 前回の復習になりますが、守備の組織については、結論としてどういうシステムがふさわしいのでしょうか?
A: だから、ジーコが監督という前提が揺るがないからには、4バックよりも3バックのほうが安定感があって、間違いなく失点は少なくなるでしょうね。宮本をスウィーパー、アレックスは高い位置のウィングバックにしておけば、かれらの欠点があまり露呈しない。
N: その場合、チーム全体のシステムとしては、3-5-2になるのでしょうか?
A: そうでしょうね。ジーコは2トップが好きだから、現実的にはそうなる可能性が高い。しかし、前回のべたように、このシステムでは中盤の有能な選手の多くがベンチを暖めることになります。
N: どうすべきだとお考えですか?
A: 理想は4-5-1(4-2-3-1)だと思うのですが、ジーコのもとでは3-6-1(3-2-2-2-1)ということになるでしょうか?
N: 1トップですか?
A: そう、1トップ。日本にはディフェンスだけでなく、フォワードにも良い選手が少ない。中盤に良い選手が多いのだから、中盤を厚くするのは当然のことでしょう。もちろん、功罪両面はあるわけですが。
N: では、功罪の「功」のほうからご説明ください。
A: 3-5-2だと、中盤の選手は中田、中村、福西の3人しか使えないけれども、3-6-1にすれば、もう一人使えるでしょ。小野か小笠原か稲本あたり。また、中盤を厚くすることによって、中盤を支配できる。日本らしい早い球回しで相手にボールを捕られにくい状況を作り出せます。そして、敵のゲームメーカたちにプレッシャーをかけ続けることができます。中盤を6人にすることによって、チーム全体の守備力を高めうるわけです。W杯は、まず「負けないチーム」「失点しないチーム」をめざすべきでしてね、自分たちが勝点3をとれなくても、相手にも勝点3をとらせないようにしないと。それには、前線から最終ラインまで一体になった組織的な守備が必要です。
N: 逆に、功罪の「罪」のほうは?
A: 1トップだと前線でクサビになる選手が一人だけ。前線で「溜め」が作りにくくなります。
N: その欠点は補えるのですか?
A: モデルとして考えられるのは、全盛期のセレッソ。トップに西澤、トップ下の1.5列で森島が前後左右に動きまわる。2000年のアジア杯、ベネチアから戻ってきた名波が大活躍して、「ニュー名波」の大会といわれた中東でのアジア杯では、左のボランチに名波、左のウィングバックに中村俊輔が入って、二人のパス交換から、どちらかが西澤にクロスをあわせる。そのこぼれ球を森島が狙う。おもしろいように点がとれた大会でした。
N: いまの日本代表の場合、だれが西澤や森島の役を務めるのでしょうか?
A: 1トップの場合、ジーコは久保か高原を使うでしょうね。久保はまだ完全に復調してません。やはりドイツで揉まれている高原でしょうかね。じつは昨年の後半から、西澤の調子がものすごくいいんですよ。代表に復帰しても、なんらおかしくない。森島も現役ですが、残念ながら全盛期の切れはなくなっています。森島に代わる人材も思い当たらない。中村、小笠原、中田、小野・・・みんなパスを出すタイプで、レシーバーではない。
N: ではどうしたらいいのでしょうか?
A: まず中盤に配された選手は、どの選手も機をみて前線に駆け上がる癖をつけることでしょうね。もちろん攻守のバランスを保ちながらですが。だれかが前でボールを受けるんだというスタイルを完成させれば、相手のディフェンスは混乱するでしょうね。ウジ虫が湧くように、次々と中盤の選手が前に抜け出ていく。相手は、「もぐら叩き」で対応するしかない。
N: うまく行くでしょうか?
A: じつは秘かに稲本に白羽の矢を立てているのです。
N: ジーコが、ですか?
A: いんや、わたしが(笑)。日本では稲本=ボランチのイメージが強いけれども、イングランドでの稲本はトップ下とかシャドウをこなしてますからね。後から前に上がって点をとる力は十分ある。日韓W杯での2得点が証明しています。それと、フィジカルに強くて、守備能力が高いでしょ。だから、敵の陣営の深い位置で、ストッパーやボランチに対してプレッシャーをかけ続ける役割を課す。ジョホールバルでの北澤のような役割ですよ。
N: 森島とはちょっとタイプが違う感じがしますね。
A: もっと森島的に行くならば、大黒か大久保をこの位置で使う手もありますね。ただ、ジーコは大久保を選ばないだろうし、大黒は切り札としてとっておきたい。ジーコが1トップ2シャドウを選択する場合、カタール戦と同じく、中村と小笠原で挑む可能性が高いと思います。
N: 小笠原はどう評価されますか?
A: 宮本と同じで、アジアでは通用するだろうけど、欧米相手にどうだろうか、疑問に思っています。小野が好調なら、小笠原より格上なんだけれど、なにぶん小野自身、「好調時の40%の出来」と告白している状況だから・・・
N: 中田英のポジションはやはりボランチなんですか、3-6-1なら前で使う手もあるでは?
A: 中田と中村をツーシャドウとして前におくのは良くない。今大会、もっとも相手にマークされるのは俊輔でしょ、たぶん間違いない。初戦のオーストラリア戦から、ヒディングは中村を潰しにくるでしょうね。自分が敵方の監督だとしても、そうしますからね。中田を前においておくと、中村と同じ目にあってしまう。今大会、中村には悪いけど、敵の標的として犠牲になってもらいましょう(笑)。中村を囮にしながら、中田が低い位置からラストパスを通すんですよ。そのラストパスを受けるのは、たぶん大黒であろうと予測してます。中田はああいう動きだしの早いフォワードが大好きだから。波長が合っている。
N: ジーコはオーストラリア戦をどういう布陣で臨むでしょうか?
A: たぶん3-5-2でしょう。GK川口。3バックが左から中澤、宮本、田中誠。ボランチに中田英と福西。ウィングバックがアレックスと加治。トップ下が中村。ツートップは高原と久保でしょう。1トップの場合、久保が小笠原に変わる。このメンバーでも、そこそこの戦いができるかもしれませんが・・・・
N: 先生が監督なら、どう変わりますか?
A: 4-2-3-1。GK土肥。4バックが左から中田浩、中澤、松田、田中誠。ボランチに中田英と福西。トップ下が中村で、サイドハーフは左が小野、右が大久保。1トップ高原で行きます。大黒は後半途中から大久保に替えて投入。ここでヒデから大黒へのラストパスが通るんです。(続)

   
  1. 2006/05/08(月) 10:34:49|
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