
本日午後3時から、加藤家住宅での研究室活動をマスコミに公開した。1週間ほど前に入試広報課から情報を照会し、今週早々、わたしが自ら市役所と県庁の記者クラブにFAXをいれておいた。ことを遡れば、今年の2月27日、研究室のO城くんが加藤家に荷物を運び込んで以来、地元S紙がかれを取材したい、と申し込んできた。さらに年度末になって、加藤家住宅主屋の登録文化財内定が県教委より発表され、同種の依頼が急増した。「学生が空き家の古民家に住む」ことがそれほどニュース性があるのか、わたし自身は疑問に思っており、いろいろ未解決の問題も抱えていたので、その時点では取材をお断りした。
最近になって、ようやく修復にむけての学生たちの調査活動が活発化し、さらに研究申請「ローコストによる古民家修復手法の開発」が鳥取県環境学術研究費の交付をうけることが決定したので、マスコミ発表の潮時だと判断した次第である。

今日は、古材バンク班とイロリ班の一部を大学に残して、通常よりも多くの学生が加藤家で活動を披露した。測定班はいつものとおり女たちが床下にもぐり、4年男子1名が屋根裏にあがった。イロリ班は大学で加工してきたイロリの框(かまち)を板間に仮組みした。その板間でハプニングがおきた。巨漢ホカノが畳を上げた床板をぶち抜いてしまったのだ。あきらかな文化財破壊である。調査者による文化財破壊なわけだから、これはKトラやT松塚に匹敵する犯罪だ、などというのはもちろん冗談でして、管理者の皆様にはお叱りをうけるかもしれないが、正直なところ安堵した。加害者がわたしでなかったからである。板間の床板はたいへん薄く、いつ床が抜けてもおかしくない状態であり、もっとも警戒すべき人物が巨漢ホカノであるのは間違いなかったのだけれども、次なる要注意人物は肥満化のとまらないわたしであった。ただ、わたしとホカノには経験の差がある。ホカノはただ床の上をドタバタと走りまわるだけ。わたしは同じ床でも根太の上を歩くように心がける。この差が出た。紙一重の差が天地の差なのです。


イロリ班は土間で藁縄編みの実演もした。藁縄編みは政策学科2年のFさんがおばあちゃんから学んできた。同じ河原町出身-じつはわたしもそうなのだが-のYさんとともに、どういうわけかチャックも土間での藁縄作りに加わった。
「先生、みてください、6メートルも編んじゃいましたよ!」
とチャックは自慢げに言う。

今日の公開は、多数の報道機関の関係者にお集まりいただき、盛況だった。交換した名刺を確認すると8名、遅刻してやってきたお馴染みのO記者も含めると9名になる。大変ありがたいことである。また、関係機関として駆けつけていただいた県教委のハマダくん、木推協の倉恒さんと砂田さん、管理者の桑村さんに感謝申し上げます。
次回は7月25日(火)のプロジェクト研究発表会を公開いたしますが、これからは随時、各社の取材を受ける予定ですので、取材希望の方はあらかじめ研究室のアドレスにご連絡ください。
- 2006/06/22(木) 23:42:09|
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私たち古材バンク班は、茶室の棚のデザインを考えました。
情報メディアセンターで資料を集める事から始めました。次に資料を見ながら話し合いをしました。でも、なかなか良いデザインがうかばず、時間だけが過ぎていきました。最終的に一つのデザインが候補に挙がりましたが、来週までに一人一人がデザインを考えてくる事になりました。デザインの難しさを改めて感じる日になりました。(環境デザイン学科1回生 K.F.)
- 2006/06/22(木) 22:14:13|
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