Lablog

鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

バレーボールを蹴る

 近隣公園のグラウンドで、久しぶりにボールを蹴った。奈良の我が家には、どんな時でもサッカーボールが1球以上、サッカーシューズが1足以上あり、かつては週末や祝日の夕方になると、近くのグラウンドに行ってボールを蹴っていた。
 それが、この一年ばかり途絶えてしまったのは、「ゆららの湯」という大衆大浴場と、おそらく深い関係がある。「ゆららの湯」でサウナやスチームバスに入っていれば、毎回500~1000gの減量が可能だから、サッカーボールでトレーニングするよりずっと楽なんだ。だから、ついついグラウンドから足が遠のいてしまう。
 しかし、最近は猛暑のせいか、サウナにいても短時間で熱さに耐えられなくなり、露天風呂の一画を占める涼み台に横たわっている時間のほうが長くなってしまった。これでは減量にもなんにもならない。
 そもそも、減量はまったく進行していない。昨年12月初旬からの大雪でビアンキに乗れなくなり、4月になって桜が満開になっても雨が多く、6月からはワールドカップが始まって竜宮城にワープしてしまい(おかげで悪質の風邪に長期悩まされ)、つい最近は往生際の悪い梅雨の大雨が続いたものだから、ビアンキに乗る機会が極端に減ってしまった。というわけで、体重は冬に増えた状態からまったく下降してくれない。
 こういう状況を脱却すべく、今日はボールを蹴ったわけだが、我が家にあるはずのサッカーボールは縁の下にころがって空気が抜け、空気入れのポンプについているはずの注入針もどこかに消えていた。その結果、娘に黙って、娘のバレーボールをグラウンドにもっていた。これがよく変化する。インサイドに引っかけて足をくるりとまわせば、一昨日、俊輔がキルマーノック戦で決めたFKのごとく、ぐいぐい曲がってよく落ちた。なかなか楽しい。しかし、バレーボールにも欠点がある。ルーレットが決めにくいのだ。ジダンの得意な(マルセイユ)ルーレットは、そんなに難しい技術ではない。まずは右足でボールに乗り、反時計まわりに体を回転させつつ、その足を地面に降ろし、入れ替わるように左足をボールにのせて、球を回転方向に引き寄せる(文章にすると難しいが、実際にやってみると案外簡単だから)。ところが、バレーボールは小さくて柔らかすぎるため、はじめに乗せた右足がボールにくい込んでしまい、動きがとれなくなる。これもまた、自らの体重がなせる不幸か。
 ところで、うちの学生でこのブログを読んでいるサッカーフリークたちは、きっと、
  「あの先生は辛口だけど、絶対サッカーできないぜ・・・」
と思っているに違いない。
 おまえら、舐めんなよ! オレの実力を知っている学生は、平城ナショナル・グラウンドで一緒にプレーした1期生のタクオとヤンマーと岡村だけなんだけど。

20060730194251.jpg

↑これはパルマのユニフォームではない。クリケットのスリランカ・ナショナルチームのユニフォーム。クリケットはスリランカの国技。毎日、香港スターTVのクリケット試合を放送していた。わたしの場合、グラウンドでは、この上にウィンドブレーカーを着込んで発汗しやすくする。

スポンサーサイト
  1. 2006/07/31(月) 00:03:24|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

チャックの一人反省会 partⅡ in 旧加藤家

 今回の打ち上げは天気こそ良かったものの、多々改善点が見られたため、また反省してみようと思う。今後に生かせるかどうかは幹事次第である。

  日時 2006年7月25日(火)18:00~24:00 晴天→曇り→雨
  人数 30余名 予算4万5千円(食材+飲料+デザート等)

-問題点-
①人数に対して飲食物の量の過多
 今回は「1dish 1drink 」制を導入。戸惑いを覚えた人もいるようであるが、各自好きなお菓子を買ってきたり、自慢の腕を奮って料理人と化したりでなかなか楽しかったようである。また、管理人の方からの野菜や赤飯、鮎の差し入れもあり、我々には身に余るほどのもてなしであった。で、余ってしまったのである。余ったものは参加学生に分配し、腐らせたり捨てたりするようなことはなかったので一安心であったが、幹事としてもう少し量に気が配れれば良かったと感ずるところである。

②直前準備の不足
 下準備はいつも万全である。先輩方が朝から野菜を切ってくださったり荷物の運び入れを手伝ってくださるからだ。しかし、いつも手間取るのは直前準備である。直前準備とは木炭に火を入れたり、酒や飲料水を冷やすことである。毎回(といっても今回で2回目だが)ここでつまずく。なぜか?自分が発表を聞かなくてはならないからである。前回は予想外の聴講の延長と再履修によって遅れ、今回は全員が聴講中に準備しようと考えていたのだが、やはり終了後に準備と相成った。聴講前に準備しようとすれば炭火には火の番が要るし、飲み物はぬるくなってしまう。後で飲み物は氷を増やしておけば大丈夫なことは分かったのだが、火ばかりは無理である。プロ研準備でヘトヘトの1,2年生に番はさせられず、今回もまた、まだかまだかと急かされる形での開始となった。

-総評-
 改めて人数の多さに難しさを感じた1日だった。打ち上げは準備不足でも楽しめる。今まで3ヶ月あまり共に作業しあった者同士、あの宴席で盛り上がらないことはなく、炭火は会話を弾ませ、薄暗さは秘密めいた空気を生む。修学旅行先の宿泊地のような空気の中、自分は見ていた。その打ち上げの中にいても気を配っている人々を。やさしさを持った先輩方を。
 この場を借りてお礼します。この打ち上げは先輩方無しには回せることはできませんでした。ありがとうございました。あと、MさんとSさん、朝早くからの買出しとおいしい1dishをありがとう。あ、ついでにけんぼーもいろいろありがとね(笑) [BQ戦隊チャッカマンin旧加藤家]
  1. 2006/07/30(日) 00:47:11|
  2. 講演・研究会|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:1

グラッパ vs カルヴァドス

 イタリアがフランスをPK戦で破ってW杯優勝を遂げた翌日、わたしとワイフと息子は押熊のイタリアレストラン「ら麦」に行って、グラッパで祝杯をあげようとしたところ、「ら麦」の建物が撤去され、さら地になっていたことをお伝えした(のびたインタビューⅩⅩⅩⅩⅡ)。グラッパとは葡萄酒の絞り滓を蒸留した焼酎で、ワインの香りを残した風味をわたしはたまらなく愛している。何度も申し上げるけれども、何種類ものグラッパを用意しているイタリア・レストランは決して多くない。多くないどころか、わたしの行動範囲においては、「ら麦」が唯一のレストランだったから、そのレストランの消滅に落胆したものである。「ら麦」のマスターには、食事に行くたびに、
   「今夜のグラッパはどれにしましょうかね?」
と相談し、マスターは料理にあわせて、毎回異なるグラッパをグラスに注いでくれた。ワインの数だけグラッパもあるわけだから、味も香りも微妙に異なる。グラッパに魅了されたわたしは、
  「どこに行ったら、グラッパを買えるんですか?」
とも聞いた。すると、マスターは、
  「大阪の専門店に行くと揃えていますが、なかなか手に入りませんよ。」
と答えた。いちどJR大阪駅の近くで、洋酒や輸入食品の専門店に入って、「グラッパはありませんか?」と店員に訊ねてみたのだが、「つい先日まで1~2種類おいていたのですが、今日はみあたりません」と言われ、がっくりした経験がある。
 昨晩は、再びワイフと息子の3人で外食にでかけ、その帰りに、押熊のグランマルシェという店を冷やかした。国内外のお酒と輸入食品をそろえたディスカウト・ショップである。しばらくふらふら歩いて、オリーブのピクルスを買おうかどうか、悩んでいたのだが、ある瞬間、グラッパのことが閃いた。近くにいた店員に聞くと、「ありますよ」とあっさり答える。たしかに、無数の洋酒が並ぶ棚のいちばん右下隅に2500~5000円のグラッパが数種類置いてあった。おかしい。「ら麦」とグランマルシェは1~2軒離れて同じ通りに面している。ひょっとすると、「ら麦」のマスターは嘘をついていたのかもしれないと勘ぐりたくなった。グラッパに魅了されたわたしがグランマルシェでグラッパを入手してしまうと、「ら麦」に来なくなる、あるいは来る回数が減ってしまうことを懸念していたのではないか。少なくとも、「ら麦」はグランマルシェからグラッパを仕入れていた可能性がきわめて高いであろう。
 だって、実際に目の前にはたくさんのグラッパが並んでいるのだ。
 続いてグランマルシェの店員に「カルヴァドスは?」と聞いてみた。すると、その店員は「ここです」と行って、グラッパの一段上の棚を指さした。たしかに3本のカルヴァドスが並んでいる。値段で分けると、2900円、15600円、30000円の3種類である。カルヴァドスについては、7月8日の「のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅧ)」をご参照いただきたい。カルヴァドスとはフランスのノルマンディ地方の地名だが、そこで蒸留されるアップル・ブランデーが「カルヴァドス」と呼ばれてブランド化している。太田先生のお奨めもあり、神戸オリエンタルホテルのスカイラウンジで食後に飲んだカルヴァドスは、リンゴの酸味と甘みをほんのり残す上品な味がした。
 結局、わたしはワイフに睨まれながらも、Boulardというカルヴァドス(2900円)とSassoaltoというグラッパ(3600円)を買うことにした。レジでさきほどの店員に質問した。
  「あの、3万円のカルヴァドスを買うような人はいるんですか?」
  「えぇ、先日、一人のお客さまがお求めになりました。」
  「これまで一人だけ?」
  「そうですね。」
  「そんなに売れなくても、おいておくの?」
  「はい、いろいろなお酒がそろっていることが、この店の価値を高めますので。」
 帰宅して、さっそく味見した。オリーブをつまみにしながら、飲み比べてみたのだが、カルヴァドスBoulardは不味かった。リンゴの残り香がまったくしない低級のブランデーである。料理酒に使うしかないかもしれない。一方、グラッパSassoaltoは懐かしい「ら麦」の味がした。というわけで、食後酒の対決はイタリアがフランスに圧勝!
 3万円を投資すれば、延長ロスタイム大逆転も、もちろん不可能ではない。

  1. 2006/07/29(土) 17:11:36|
  2. 食文化|
  3. トラックバック:5|
  4. コメント:0

解決エビちゃんねる!

 今月22日の「のびたインタビュー番外編(Ⅱ)」をご覧いただきたいのだが、先週、数年ぶりに『週間プレイボーイ』を買ってからずっと心にひっかかっていたことがあり、奈良に帰ってきてさっそくワイフに訊ねた。
  「エビチャンって、そんなに有名なの?」
ワイフはとてもとても驚いたらしく、
  「えっ、エビチャン知らないの?? うちの**ちゃん(次女)が大好きなモデルさんだよ。いま飛ぶ鳥を落とす勢いで、CMにもいっぱい出てるじゃないの!?」
と言われても、さっぱりわからないから、
  「CanCamっていう雑誌は?」
  「エビチャンが毎月表紙を飾ってる雑誌でね、**ちゃん(次女)が毎号買っているから、部屋にいっぱいあるよ。」
 というわけで、さっそく部屋からCanCamを一冊取ってきてもらった。今年の7月号で、表紙には「創刊300号記念感謝号」という横帯がドカンと通り、左からエビちゃん、優ちゃん、もえちゃんの3人がシャンパン・グラスをもってにっこり笑っている。とはいっても、もちろん、わたしはこの3人をまったく認知していない。3人の顔が同じにみえて、区別もできない。まぁ可愛いいことは可愛いんだろうけれど、なんでまた、そんなに売れているのかも理解できない。
  「こりゃ、キャバクラのねぇちゃんじゃんか?」
と漏らしたところ、娘は、
  「全然違うじゃん、キャバ嬢はJJ Bisとか、もっとギャル系雑誌のファッションだよ」
と言って、部屋から、くだんのJJ Bisをもってきた。なんでこんな雑誌をもっているのだろう。今日もまた昼から甚平を着てスポーツ新聞を読んでいるおやじギャルのくせして、ひょっとしたら、キャバクラでバイトしようという魂胆なのか、と勘ぐりつつ、たしかにJJ Bisに比べればCanCamは大人しくみえるから不思議だ。娘によれば、CanCam系ファッションは女子大生やOLにとってごくノーマルなのだという。
  「こういう世代は、とても愛人にできない」
と吐露したら、ワイフはきゃんきゃん笑って、
  「向こうが相手しないわよ、相手しないどころか、近寄ってもらえないから」
と言う。まったくその通りだと思う。
 ところで、CanCam創刊300号記念感謝号には、サッカー関係の記事が二つ含まれていた。一つはデビッド・ベッカムのインタビュー。クノ・ベッカー主演の映画『GOAL!』に共演した感想を聞いたものだが、ラウール、ベッカム、ジダンがクノ・ベッカーと記念撮影した写真が掲載されている。男のわたしからみれば、ジダンがこの4人のなかで圧倒的にかっこいい。ワイフもジダンが大好きなのだが、写真をみて、ユニフォーム姿のほうがいいと言った。ちなみに、中田英寿もこの映画に協力しているとのこと。もうひとつの記事は、<勝手に創刊!「サッカー・ワールドカップ新聞」>というコーナーで、おもしろいから、見出しだけいくつか抜粋して並べてみよう。
  ・モテモテ恒サマ(29)は、意外にも、純愛結婚だった!
  ・マジ!? 日本代表は既婚率超高 独身者数名
  ・中田英寿(29)がアノ芸人に間違えられた瞬間 フォー!
  ・中村俊輔(27)がトルシエ前監督から受けた超絶イジメ 
    おまえはW杯はテレビで見てろ!
等々、ほとんどすべての選手に必ず年齢情報を付与しているところが特徴的である。だからどうだとは言わないけれども。

 
  1. 2006/07/28(金) 14:40:27|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

茅葺き風「杉板トチ葺き鉄板被覆屋根」の開発

 鳥取市倭文の加藤家住宅に係わる一連の研究助成として、財団法人日本住宅・木材技術センター(HOWTEC)による「中小住宅生産者による木造住宅生産体制の整備事業」に申請していた下記の研究事業が採択されました。

1.事業団体名 
   鳥取古民家修復プロジェクト委員会
   [鳥取環境大学浅川研究室+鳥取県木造住宅推進協議会]
   (事務局:鳥取環境大学浅川研究室)

2.事業名
   ローコストによる文化財古民家の修復マニュアル作成
  -地域産材を活用した茅葺き風「杉板トチ葺き鉄板被覆屋根」の開発を中心に-

3.事業の概要
 登録文化財として認可される鳥取市の加藤家住宅を対象に、ローコストで文化財古民家の修復・再生が可能な手法の開発を実践し、その成果をマニュアル化し公開しようとするものである。経費軽減にとって、とくに大きなウェイトを占めるのが「茅葺き」の工程であり、本研究では茅葺きを放棄し、地域産材によるトチ葺き下地の鉄板(トタン)屋根によって元「茅葺き」風の外観の継承をめざす。

4.事業費
 2,800,000円(うち半額弱をHOWTECが補助する)

 要するに、本研究は著しくコストの高い茅葺き屋根に代わり、茅葺き屋根風の外観を継承するあたらしい屋根構造として、「杉板トチ葺き鉄板被覆」屋根の開発をめざすものであります。これは、助成母体であるHOWTECが「地域産材の活用」を推進する財団であり、地産の杉板木片による軒付け(一般的に神社の銅板葺きの下地として多用される)を応用し、あくまで元茅葺きであることを意識させながら、加藤家の貧相な鉄板葺き屋根の意匠性を高めると同時に、鉄板と屋根裏板のあいだに中空部分を設けて断熱・防水の便を計ることを目的としています。さしあたって、原寸模型を製作する予定です。


  1. 2006/07/27(木) 02:19:36|
  2. 建築|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

どちらさまでしょうか?

20060727025537.jpg


 昼に定例の学科会議が開かれたのだが、定例の広報委員会はおこなわれなかった。その時間を利用して、松江市田和山遺跡大型竪穴住居模型のチェックをした。スケールは1/10。やはり迫力がある。制作は地元のH建設。田和山の復元事業も3年目で、ずいぶん要領を得てきている。ただ、モヤ、タルキ等の木割とピッチ、越屋根の勾配、戸口のディテールなどについて微修正を依頼した。軽微ないくつかの修正で模型は完成し、復元住居の着工を迎えるであろう。なお、H建設からは「お中元」代わりとして、昨年建てた大型建物の余材を頂戴した。直径70㎝×長さ2mの栗材を7本。某大学院生が床板をぶち抜いてしまった加藤家イロリ間の根太の補強におおいに役立つことであろう。この余材を実験棟軒下に運ぶため、自宅で睡眠中のホカノに電話して大学に来てもらった。午後2時半のことである。午前中からチャックたちは、加藤家でバーベキューの片づけに奔走していたのに、うちの大学院生は通常の起床時間=午後3時を厳守していらっしゃる。せめて昼前には起きてくれないものだろうか。

20060727025550.jpg


 午後3時からは、市役所で平成18年度第1回「史跡鳥取城附太閤ヶ平天球丸石垣修復工事に関する検討委員会」。わたし以外の委員と事務局は、午後2時から修復現場を視察しておられたのだが、委員長のわたしのみ現場視察を割愛し、一時間遅れで会議に参加した。わたしのような者でも、そこそこの外部委員会にお呼ばれしているのだが、委員長を務めているのは、この会議だけ。ところが、わたしは石垣の素人である。保存修復の理論については、一通りの知識をもっているつもりだが、城の石垣は苦手である。わたし以外の委員はといえば、城郭石垣の大家・北垣先生と鳥取城に詳しい錦織先生であり、なんでわたしが委員長なのか、訳がわからないから、今年は遠慮したいとも述べておいたのだが、またしても委員長の大役を承ってしまった。
 率直な感想を述べるならば、城郭石垣の修復は、木造建築のそれに比べ、理論的にも実施の面でも進んでいない。そもそも、崩れた石垣を昔の姿に復元しようとするのが間違いだとわたしは思っている。昔の石垣に復元しようにも、根拠となる資料は少ない。お城が建っていたころの基礎としての石垣と平坦面を再現しようというのは無理な話である。復元が事実上不可能なのだから、崩れた石垣をそのまま保存すればいい。石垣をそれ以上崩れないように固めてやり、まわりに芝生を張れば、それだけで十分すばらしい整備になる。なぜ、そう断言できるかと言えば、昨年と一昨年、英国で中世城跡の整備をみてきたからだ。
 日本人には、なぜああいう発想がないのだろうか。なぜ、元の形に復元したいのだろうか。いちど解体して、膨らみや歪みを補正しても、組み直してしばらくしたら、また元の変形や劣化がおきてしまうではないか。木造建築の場合、そういう変形や劣化の再発を防ぐために構造補強の処方を試行錯誤しているが、城跡石垣の修復は旧来の積み直し手法からほとんど脱皮していないようにみえる。というような「過激」な意見をもっている人物を委員長にしているわけだから、これから先、ろくなことにはならないに決まっている。
 ただ、わたしにも弱みがある。石工の上月さんを尊敬しているからだ。こうして、苦手な石垣修復の委員長を務めているのも、上月さんの苦労に少しでも報いることができれば、という気持ちが心の片隅にあるからで、それ以外に理由が思い浮かばない。
 会議終了後、近くのラーメン屋で上月さんと生ビールを飲んだ。餃子をつまみにして、葱ラーメンも食べた。上月さんのもとで修行している富山大学の大学院生(考古学)も一緒だった。聞けば、その学生さんはノビタと同じ町内の生まれで、5年ばかりノビタの先輩であるという。ならば、ノビタも誘わなければいけない、と思って、携帯でノビタを呼び出し、
  「ニイハオ!」
と挨拶したら、ノビタは憮然として答えた。
  「どちらさまでしょうか?」




  1. 2006/07/26(水) 22:42:42|
  2. 史跡|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

復原イロリの点火と調査成果発表会

20060726024433.jpg


 今日はまず12時すぎから白兎会館で木造住宅推進協議会(木推協)東部支部例会に出席し、「ローコストによる古民家修復」プロジェクトの概要を説明させていただいた。加藤家住宅での第2回マスコミ公開を13時に控えていたので、プロジェクトの詳細についてはY助手にバトンタッチし、急ぎ加藤家へ向かったのだが、本日あつまったマスコミは3社だけだった。前回が10社だったので、3社では物足りないような気もするが、3社集まってくださるだけでもありがたいことである。

20060726024545.jpg

 どうやら、「自在鉤」という道具のイメージが捉え難かったようだ。屋根裏からみつかった自在鉤はあきらかに江戸時代のもので、その黒光した光沢と細身の細工に目を奪われるが、「自在鉤」という用語を理解できないから、今回復原したイロリの重要性も分かっていただけないのかもしれない。とにもかくにも、加藤家には70数年ぶりにして、原位置にイロリが復活し、その自在鉤は江戸時代のものが再活用され、その他の部材は材料費ゼロで一定の根拠のもとに復原されたのである。

20060726025008.jpg

 着火は午後2時過ぎから。管理者のKさんを中央にイロリの復原に携わった学生2名が脇を固め、チャッカマンでイロリに着火した。まさか学生たちがチャッカマンを使うとは夢にも思わなかった。どこかから種火をもってきて着火するだろう、と思っていたのは年寄の妄想であり、こういうところまで指導を徹底しなければ絵にならない。TV局のカメラマンも、さすがにチャッカマンには驚いたことだろう。あきらかに、わたしの指導不足でした。

20060726024912.jpg

20060726024921.jpg

 少し予定を早めて、3時前から「研究成果発表会」をおこなった。Y助手の猛特訓でふらふらになった3名の女子が加藤家住宅の敷居沈下、柱傾斜、床下調査、屋根裏調査の成果を簡要に述べ、修復の方針を示してまとめとした。木推協や設計事務所の方々から続々と質問をいただき、活発な討議が交わされた。今回、1・2年生が作図した伏図の数々は、環境大学環境デザイン学科卒業生のレベルを上まわるものである。この点は見事であり、高く評価したい。ただし、わたしはこういう伏図を徹夜続きで学生に描かせることに反対し、何度か助手に注意を促したのだが、助手は聞いたふりをしながら聞く耳をもっていなかったのか(そうではないとかれは言う)、膨大な実測図とパネルとパワーポイントを学生に作成させた。これで良かったのか、悪かったのかはわからない。もうしばらくすれば、ことの成り行きがみえてくるだろう。

20060726025243.jpg

 5時前からは第2回東方アジア比較居住学セミナーとして、長沼さやかさん(総合研究大学院大学博士課程)に「中国共産党政権下における水上居民の生活の変容」と題する講演をしていただいた。長沼さんは、わたしが京大大学院人間・環境学研究科で修士論文を指導した学生で、当時から広東の「蛋民」を研究テーマとしていた。今回は、講演のタイトルがとても刺激的であり、すいぶん期待していたのだが、正直なところ、その期待は半ば裏切られた感が否めない。1950年代から70年代にかけての「中国共産党政権下」の水上居民の実態がまるでみえてこないのである。タイトルにある「変容」とは、どう考えても「変容」ではなく、80年代以降の「現状」でしかない。それに、陸上がりした元水上居民の生活を紹介しているにも拘わらず、かれらの生活文化に「水」や「舟」の残像が読み取れない。これは、ある3年生の感想でもあった。本学の3・4年生は、わたしの授業「地域生活文化論」で「舟に住む」という講義を聞いているから、アジアの水上居住について、ある程度の基礎知識をもっている。かれらは、その続編のような講演を期待していたはずだが、今回のスピーチでは「水上」をイメージさせる映像はまったくみられなかった。
 6時すぎから、待ちに待った打ち上げ。復原したイロリのほか、座敷前の縁、玄関前、裏庭に分かれてバーベキューを食べ、おおいにはしゃいだ。鮎も鰻も栄螺も手羽先も、なにもかにもが美味しかった。とくにチャックが焼くとほんとにおいしい。これは万人がみとめるところである。問題は近隣住戸に対する騒音であり、できるだけ閑かにするよう努力したつもりであるが、あるいはご近所のみなさまに不快感を与えたかもしれない。苦情が来る来ないはべつにして、あらかじめお詫び申し上げておきます。

20060726025457.jpg

↑特等席は座敷の縁。おじさんたちが占拠した。↓おじさんたちの相手をしてくれた唯一の女子学生!
20060726025531.jpg

20060726025601.jpg

↑表庭 ↓裏庭
20060726025611.jpg

↓イロリ端を占拠したのは、もちろんイロリ班。
20060726025628.jpg

↓おやすみなさい・・・
20060726030157.jpg




  1. 2006/07/25(火) 23:43:15|
  2. リサイクル|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

小寺武久先生を偲んで

 名古屋市立大学の溝口正人助教授から、『愛知県史 別編 文化財1(建造物・史跡)』(2006年3月、807頁)と『小寺武久先生追悼文集』(2006年7月、99頁)が贈られてきた。
 小寺武久先生(名古屋大学名誉教授)は、本年2月19日に東京で逝去された。いまe-mailの受信記録を検索してみたところ、2月21日に弔電を打っている。どんな弔文を書いたのか、よく覚えていないけれども、たしか、
  「しばらくお待ちください、あの世でまた一杯やりましょうね・・・」
というような内容だったと記憶する。
 さきほどから『小寺武久先生追悼文集』を流し読みさせていただいている。50歳を前にして、老けてしまったからだろう、どうにもこうにも涙腺が弱くなってしまった。
 小寺先生が仏陀のように思われてならないのだ。
 晩年、インドのいったい何に小寺先生は憑かれていらっしゃったのだろうか。ひょっとしたら『般若心経』の世界を求めて彷徨っていらっしゃったのかもしれない(わたしの勝手な妄想である)。

 小寺先生との付き合いが深いわけでは決してない。建築学会の東洋建築史小委員会で『東洋建築史図集』の編纂をご一緒させていただいたのが面識を得るきっかけであった。大学院の博士課程を終えて奈文研に入所した頃である。当時、編纂に携わる委員は図集用原稿の執筆に追われていた。みんな苦しみ抜いて膨大な原稿を仕上げていた。ところが、その原稿をまとめるはずの委員長が「病気」を理由に脱走してしまい、突如として委員会にあらわれなくなってしまった。以来、図集は10年近く未刊行のままとなり、出版社は「訴訟も辞さない」旨、学会に通知してきていた。その尻ぬぐいをされたのが小寺先生であった。気が付いたら、小寺先生が委員長代理になっていて、編集作業に携わり、委員長が放り出した原稿のすべてを肩代わりで執筆されていたのである。
 委員会が招集されると、老若に拘わらず、脱走した委員長に対する批判を口にしたものだが、小寺先生は顔色ひとつ変えず、いつものにこやかな笑顔で寡黙を貫いておられた。
  「わたしがやりますよ」
 そんな科白はひと言も発せられないのだけれど、御顔がそう語っている。どうひっくりかえっても、わたしには真似ができない。
 その後、奈文研の遺構調査室長を務めていた時代、当時の田中所長から建造物の指導委員を2名推薦するよう指示され、小寺先生に2名の指導委員のうちの1名になっていただいた。すでにお体は病んでいたようで、懇親会の席でも、大好きなお酒に口をつけられることもなくなっていた。余計なお仕事を押しつけてしまい、後悔している。

 『愛知県史 別編 文化財1(建造物・史跡)』は、小寺先生が県史文化財部長として編纂された大著である。一県の建造物と史跡に対してA4版800頁もの分量を割いた県史を、わたしはこれまでみたことがない。いま県庁で進められている新版鳥取県史の関係者に、是非ともご一読いただきたい大作である。わたし自身も、小寺先生の遺作として大切に読み深めるべく努力したい。そして、この大作と追悼文集をご恵贈くださった溝口正人さんに心から感謝の気持ちをあらわしたい。
 
  1. 2006/07/24(月) 23:47:36|
  2. 史跡|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

自在鉤の構造補強 -材料のオーセンティシティを守れ!

20060723220917.jpg


 先週木曜日(20日)のプロジェクト研究1&3の最終授業で、イロリはほぼ完成していたのだが、その日の深夜11時、リーダー格のヨリ君から電話があった。
  「先生、火棚据え付けの最後段階で、自在鉤の先端がポキッと折れて取れてしまいました・・・・」
 たしかにショッキングな出来事であった。加藤家の屋根裏に自在鉤が残っているというので、土間におろして水洗いをしたのが、4月27日のことであった。 水洗いの結果、自在鉤本体そのものは健全だが、竹は縦の割れがひどく、藁縄も古すぎて断裂していることがあきらかになり、自在鉤を除く他の材はイロリ班が復原的に創作することになった。その自在鉤は黒光して、なんとも古めかしく、民家創建時にまで遡るかどうかは不明ながら、江戸時代から使われていた古材であることは間違いない。要するに、「材料のオーセンティシティ」を保つ唯一の材であり、この再利用がイロリ復原にあたっての大きなテーマの一つであった。
 その自在鉤の先端部分は、ほんとうにこれほど細身の鉤に鍋を吊してきたのかと思わせる繊細なものであった。その部分が破損してしまったのだが、考え方によっては作業中に断裂したのは幸運であったといえなくもない。マスコミ公開中、あるいは打ち上げパーティ中にぽろりとちぎれてしまったら、さらにショックの度合いが大きかったろう。

20060723221014.jpg

 ヨリ君とナオキは、特殊な木工ボンドを購入して、分断された2材を繋ごうとしたのだが失敗したらしく、本日またしても、わたしに電話をしてきた。
 3人でカインズホームに行くことにした。破損した鉤の先端はあまりに繊細だから、接着剤ではどうにもならない。内側と外側の両面からギブス状にL字形金物をあててネジ留めするしかないと判断し、おびただしい量の木ネジとワッシャーと金物をみてまわった。使えそうな可能性のある複数の材、そして木工用のアローンαと水道ホースの栓留めも買い込んだから、結構、時間がかかってしまった。
 加藤家に着いたら、チャックが玄関をあけて待っていた(どういうわけか、戸主のO城くんは今日も居ない)。自分たちが復原したイロリをみて、ヨリ君は何度も、
  「かっこいい!」
を連発した。その、かっこいいイロリを囲んで、ぼくたちはポプラのおにぎりを二つずつ食べた。

20060723221037.jpg

 それから作業を始めた。まず、木工用のアローンαがすごい威力を発揮した。断裂していた2材がほぼ完全に接着され動かなくなった。しかし、これだけではモノが吊せないので、大型のL字形金物を外側からあててギブスにし、水道ホースの栓留めで絞めたら動かなくなった。おそらく薬罐程度の道具を吊しても、鉤は壊れないだろう。ここに自在鉤の修復は完成した。結果的には、カインズで探しまわった木ネジとワッシャーを一つも使っていない。だから、木材にはいっさい傷がつかなかった。
 完璧な修復である。木造建築の修復に譬えるなら、「鉄骨構造補強」のミニチュア版と言える。L字形金物と水道ホースの栓留めによって「材料のオーセンティシティ」が完全に守られ、自在鉤は当初位置に再現された。金属補強材が見苦しいという欠点も露呈しているが、その欠点は「当初材と補強材をはっきり識別できる」という長所の裏返しでもある。

20060723221048.jpg

 ここで、ついでだから、他の部材の復原根拠・材料等についても整理しておこう。
  ・イロリ框(かまち): 保木本家住宅(八東)のイロリ框を実測再現。因幡では、框に柿材を使うらしいが、今回は実習使用の余材(杉)を使用した。
  ・灰床の壁: 鳥取城石垣修復現場の余材(花崗岩)を上月工業のみなさんが切石風に加工してくださったものを採用。
  ・灰床の下地: 加藤家の庭にあった古瓦を敷いた。
  ・灰: 環境大学実験棟周辺のバーベキュー焜炉に残る灰をもってきた。
  ・五徳: 構造実験テストピースの廃材
  ・自在鉤の竹: 2年前のツリーハウス建設時に伐りだした大学裏山の竹。
  ・藁縄: 河原町出身のFさんがおばあさんから技術を習得し、それをイロリ班のメンバーに伝授した。
  ・火棚: いまはなき神護の茅葺き民家で実測した火棚を寸法とおり再現。材料は実習使用の余材(杉)。文献で類例を参照し、黒竹の簀の子を取り付けた。黒竹は雪害によって折れていた保木本家庭園のもの。

 着火は25日の午後2時。乞ご期待!

20060723221054.jpg

↑灰床の下地になった加藤家の古瓦。

[自在鉤の構造補強 -材料のオーセンティシティを守れ!]の続きを読む
  1. 2006/07/23(日) 22:16:49|
  2. リサイクル|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

のびたインタビュー -番外編(Ⅱ)

 ノビタです。

 昨日は、久しぶりに研究室を訪れ、先生や下級生たちと談笑しました。昨年までは男ばっかしの研究室だったのに、ちょっと部屋の雰囲気が変わっていました。先生は、4年生の女の子と『週間プレイボーイ』の内容について語り合っておられたのであります。

N: 先生、昨晩は「大吉」でご馳走になり、ありがとうございます。
A: あぁ、お中元もらっちゃたからね、丸福珈琲店の「秘伝焙煎ドリップ珈琲」1箱、まことにありがとうございました。
N: いや、あれはお中元というほどのものではありませんで・・・。給料安いんで、今年はあの程度でご勘弁くださいよ。
A: 今日はさ、タクオがJちゃん連れてきて、久しぶりにだべったんだけど、今度の火曜日の打ち上げにって、ビール・セットをお中元にくれたんだわ。いや、タクオは偉いね!
N: いや、あの、今度の火曜日の加藤家イロリでの鮎の串焼きパーティでは、またアッシーを務めさせていただきますので、今回は丸福珈琲店の「秘伝焙煎ドリップ珈琲」1箱でご勘弁ください。ほんと、給料少ないんですよ。車のローンもたっぷり残っているし・・・・
A: 火曜日はすごいよ。2ヶ所から天然鮎が集まることになっているし、天然うなぎを提供してくださる方までいるんだ。復原したイロリを囲んで、そうとう楽しいパーティになるはずだよ。
N: そりゃ、最高ですね。・・・それにしても、なんでまた『週間プレイボーイ』なんですか?
A: このまえ集中豪雨で列車が動かなくなった時に買ったんだよ。数年ぶりに買ってしまった。
N: ちょっとお借りしてきたんですが、表紙には「唇も濡れた井上和香!」とあります。なんで「も」なんですかね・・・・
A: そんなこと知るかよ。井上和香なんか、どうでもよくて、ジダン関係の記事が5本、北朝鮮関係の記事が2本出てたから買ってみたの!
N: そんな嘘ばっかり言っちゃって、表紙をめくると、「ポストエビちゃんの№1候補を紹介!」ってありますよ。この有村実樹ちゃんって、可愛いじゃないですか?
A: いや、その、じつは、その「エビちゃん」っていうのが、だれなんだかわかんないんだよ。
N: えっ、マジですか!? 蛯原友里ですよ、大ブレークしてるじゃないですか。
A: んだけどが、知らねんだもんさ。だからさ、モビちゃんに聞いていたのよ。「CanCamで有名なんですよ! A.S.ちゃんが大好きな雑誌です」なんて言われたんだけど、こんどはそのCanCamが何のことだかわからないんだからね。
N: はぁ、そうですか。まぁ、オヤジとは無縁の雑誌ですよね・・・それはさておき、ジダンとマテラッツィの事件に対するFIFAの裁定が下りましたが。
A: うん、まったく予想どおりの結末だよ。
N: どう予想されていたのですか?
A: 結局、マテラッツイがジダンに対して何を言ったのか。どう罵しって挑発したのかをあきらかにしていないでしょ。ここがいちばん肝心なところだよ。
N: 挑発の内容を示さないまま裁定を下してしまった。
A: そうさ、ジダンの母や姉をどう愚弄したのか、「テロ」に係わる挑発が含まれていたのかどうか、結局、なにもあきらかになっていない。 
N: 人種差別発言はなかった、とFIFAは公表していますが・・・
A: どうだろうか。「テロ売春婦の息子、くたばれ!」と読唇術の専門家が解読しているのだよ。問題は「テロ」という言葉なんだが、これを言ったことにしないという条件で、話をまるく納めたんじゃないだろうか。
N: まるく納めたことになるんですか?
A: いちおうケンカ両成敗で両者に罰金と出場停止処分を課しているけれども、ジダンのMVPは剥奪していない。
N: たしかに欧州各紙も、「ジダンの処分が甘い」と伝えていますね。
A: FIFAは事態の全貌を伝えていない。ジダンの処分が軽くなった裏には、マテラッツィの挑発暴言の真実が隠されているとみることで、この処分軽減の真相を読み取ることができるのではないかな。「人種差別発言」もしくは「テロ」関係の発言がじっさいにはあった、ということを暗示しているように思えてならないんだ。でなければ、ジダンがあれほどの行為に及ぶはずがないんじゃないか。
N: 「人種差別発言」もしくは「テロ」関係の発言がじっさいにあったとしたら、マテラッツィとFIFAはイスラム過激派の標的となってしまいますからね。
A: そうなんだ。ところで、今回のW杯決勝騒動は、いまの北朝鮮をめぐる政治状況とどこか似ていると思わないか?
N: えっ、どういうことですか?
A: 北朝鮮がマテラッツィさ。
N: ミサイル発射が日本に対する挑発行為ということですか?
A: 日本はジダンになっちゃいけない。北朝鮮に頭突きをかましちゃいけないんだ。
N: マテラッツィは「挑発すればジダンが切れる」ことを知っていたのでしょうか。
A: 確信犯だろうねぇ。ジダンはその挑発にのってしまった。ジダンは、チュラムに「はめられた」と語って悔やんでいたらしい。
N: たしかに、自民党右派議員の一部は、北朝鮮がミサイルにエネルギーを注入することが確認されたら、敵のミサイル基地を攻撃してもよい、という発言をしていますね。
A: 鳥取県選出の石破がその代表だわ、恥ずかしいことに。次期首相候補の阿部だって、似たようなタカ派の論客ですよ。
N: 日本海に何発ミサイルを撃ち込んでも黙ってみていればいいのですか?
A: 経済封鎖にとどめておくべきでね、あまりに強硬な姿勢をとり続けるのではなく、欧米諸国とうまく連係して、中国と北朝鮮を包囲していけばいいさ。ミサイルを撃てば撃つほど、北朝鮮の国際的評価はがた落ちになる。日本は静観していればいいんだ。挑発にのっちゃいけない。
N: 日本本土を狙ってミサイルを発射してきた場合、ただ手をこまねいてみているだけでいいのでしょうか?
A: そのミサイルを打ち落とす対策を十分練っておくべきだが、敵の基地を攻撃してはいけない。敵の基地は米軍が片づけてしまうだろうから、ほうっておけばいいんだよ。北朝鮮が外国に対して宣戦布告した場合、まもなく北朝鮮という国家は崩壊する。
N: ともかく、日本はジダンになってはいけない、ということですね。
A: 日本がジダンなら、米軍は日本を擁護するイスラム過激派みたいなもんだよ。 (この項、完)

  1. 2006/07/22(土) 23:07:09|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

リンボー足利(―Д―)頭上に注意!

20060720235757.jpg


・古材バンク班レポート
 昨日の活動も引き続き、古材を使った釘ゼロの棚の作成です。数は2個です。今回のメインの作業は、ほぞとほぞ穴の作成です。僕は相変わらずのみに慣れません。他の人は結構慣れたみたいです。ただ、慣れる慣れないに関係なく、古材を削るので反りやひびが多々有り加工には苦労しています。結局、夜の9時まで作業しました。3時から始めて休憩1時間はさみ計5時間の作業で手は痛いし、腰は痛いで体力の限界でした。しかも、まだ終わってないので土曜日にまた作業です。主な作業は、ほぞとほぞ穴の調整です。それでも終わらなければ、日曜日も作業になるでしょう…。本日でプロジェクト研究の授業は最終回となりました。次回は発表会です。(P.N 解体屋)

20060721175621.jpg




20060721175637.jp


・イロリ班レポート
 今回は実際に加藤家に設置する作業をした。囲炉裏は床下周りの花崗岩を設置して木枠をはめ込んだ。自在鍵は上から藁縄でたらして、ぶらさっがた状態になった。更にそこに、火棚を自在鉤が中をくぐるようにして設置。自在鉤はちゃんと中を通ったが、火棚が・・・でかい。寸法ミス?。まー、でかくて損することは、みんなが頭をぶつけてしまう点ぐらいであろう(―Д―)。皆さん見学の際には『頭上に注意』ですよー。

 余談ですが、いつの間にか知らないうちにリンボー足利(S君)が誕生していました。かなりいじられていましたが、かわいそうなネーミングで同情します。完成まであと少しいじって、火を点火するのみ。火曜日には間に合うと思いますのでお楽しみに――――。(環境デザイン学科1年U.K.)

20060720235744.jpg



  1. 2006/07/21(金) 17:47:24|
  2. リサイクル|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:1

床下をめぐる攻防 -イロリほぼ完成

20060720235751.jpg


 今日はプロジェクト研究1&3「古民家のリサイクル」の最終授業日でもあった。しかし、こちらの演習は今日で終わりというわけではない。今月25日の発表会を控え、これから数日間、最後の追い込み状態に突入する。すでに、測定班=「床下にもぐる女たち(+α)」は連日徹夜?で調査データの作図やパネル化を始めているのだが、あまりの仕事の過激さに不穏な空気が漂いはじめていたりして・・・・わたしは、作業の軽減を各所に呼びかけている。

20060720235803.jpg

 一方、作業が遅れているのは「模型班」である。これまで「北から来たの」さんやケンボーに責任を押しつけてきた感のあるメンバーを呼び集め、
  「これはケンボーの仕事ではない。君たちの仕事だ!」
と一括したら、まことに効果があり、いまも自主的に作業を継続中である(ケンボーもつきあっている)。
 古材バンク班の「棚」作りも軌道にのってきている。なんとか発表会に間に合いそうだ。

20060720235736.jpg

 今日最も注目した工程は、イロリと自在鉤の取り付けであった。先週、鳥取城石垣修復現場からいただいた切石を床下に据え、その上に框を組んで、屋根裏から藁縄で自在鉤と火棚を吊り下げた。大がかりで迫力のある作業であった。わたしは、畳に座って、この作業をみつめ、デジカメで撮影していたのだが、2日間の睡眠不足がたたり、そのまま畳の上で眠ってしまった。
  「先生、起きないと、大学院の授業に間に合いませんよ!」
と囁いたのは、またしてもチャックであった。

 7月25日 発表会 次第

1.学内 
  1-a.加藤家主屋模型(1/30)展示 於 26講義室前 
  1-b.茶室棚&加藤家測定成果パネル展示 於 学務課前

2.加藤家住宅公開
   13:00 マスコミ公開開始
   14:00 復原イロリ点火
   15:00 研究成果発表(10分×3名/於オクノマ)
   17:00 東方アジア居住学セミナー(於オクノマ)
     講演:長沼さやか(総合研究大学院大学)
      「中国共産党政権下における水上居民の変容」
   18:30 復原イロリを囲んで打ち上げパーティ
       1drink & 1 bottle system


20060720235716.jpg




[床下をめぐる攻防 -イロリほぼ完成]の続きを読む
  1. 2006/07/20(木) 23:04:41|
  2. 建築|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

「地域生活文化論」講義を終えて

 おれたちに朝はない、はずなのに、今日も午前中から県庁で「某調査県内委員会」が開かれ、出席した。目が覚めなかったら、眠ったままにしておこうと決めていたのだが、何かの拍子に目が覚めてしまった。この会議は、本来4月に開催すべきもので、なにをいまさら「県内委員会」だと思うし、出席したって報告書の「目次」を決めるのが仕事だから、面白くもなにもありはしない(じつは、「目次」作りは編集好きの人間にはたまらない作業であって、編集の極意の基本は目次にあるのだが、なにぶん編集担当者が自信をもって個性的な目次を作れないのだから、どうしようもない)。
 午後からは、「地域生活文化論」の最終講義、プロジェクト研究1&3(2コマ)、大学院講義(2コマ)と続いて、また今日もふらふらだ。
 さて、今年度の「地域生活文化論」の履修登録者が160名にも達していることは4月に報告しておいたが、これが吉と出たか凶と出たか、今日の授業評価アンケートで、その答えがでた。はっきり言うと、とくに「凶」というわけでもないのだが、昨年の環境デザイン学科2期生(4年生60名)+政策学科数名の授業評価と比べると、いくぶん評価が落ちている。今年度は、毎回の出席者が130名前後なのだが、約半数が環境政策学科の学生で、基本的に「建築」に関する基礎知識が欠如しているため、どう教えるべきなのか、われながらとまどい続けた。わたしにしてみれば、建築の基礎を教えながら授業を進めているはずなのだが、それでもまだ「難しい」とコメントする学生が少なくない。
 昨年度は、デザイン学科の多くの学生が高い評価をしてくれた。「浅川先生の授業の中ではいちばんおもしろかった」と書いてくれた学生もいた。デザイン学科の学生だけをくらべても、3・4年合同だったからだろうか、とくに3年生には難度が高かったようだ。大きな教室であったから、居眠りする学生や他の学生の授業内レポートをこそこそ写している学生もいた。わたしの授業方式では、眠ってしまった瞬間に、授業内レポートの出来が悪くなるようになっている。パワーポイントに集中し、ブランクを埋める必要があるからだ。だから、昨年までの学生は居眠りすることはまずなかったし、みんな熱心に授業内レポートを書いていて、その出来映えも見事なものが多かった。残念ながら、一部の学生をのぞいて、今年の受講生のレベルは2期生に及ばない(一部の学生、とくに一群の女子学生グループは3・4年生とも質の高いレポートを書いてくれた)。
 受講生が多いこと、講義室がひろいこと(とくに階段教室でないこと)は、講義に対する集中力を拡散させる。そして、集中力をもって授業を受けたか否かは「理解度チェック」の質問に対する授業内レポートの内容にはっきりあらわれる。もちろん、それは学生の評点に直結する。
 来年は、デザイン学科4年生の受講生が少なくなる(今年受講しているのだから)こともあり、なんとか昨年レベルの受講者数とそれに適した小振りの教室に戻したいと願っている。授業の質を高めたいのである。



  1. 2006/07/20(木) 22:34:46|
  2. 講演・研究会|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

拝啓 M社長

拝啓 M社長

 先日は尾崎家で再会でき、とても嬉しく思いました。本音を言うと、あの日は調査要員として期待していたのですが、貴兄を新しく雇用してくださったM設計事務所の所長が同行されていたので、調査員として活躍していただくことができませんでしたね。
 尾崎家の調査は、「北から来たの」さんが立派にリーダーシップを発揮してくれています。同い年のホカノも「北から来たの」さんを見倣って、もう少しリーダーシップを身につけてもらいたいのですが、あいかわらず優柔不断で困っています。この前の尾崎家調査にしても、翌日が2級建築士の試験だからと不参加だったのですが、2級建築士試験の準備をしたのは、われわれが調査をしていた2日間だけだったらしく、「受験した理由は何か」とゼミで問うたところ、
   「受かる可能性があると思ったから」
とかれは答えるのです。まったく世の中を舐めているとしか言いようがありませんね。
 ところで、このたびは、あんみつをはじめとする美味しい和風スウィーツをお中元としてお贈りくださり、まことにありがとうございます。西河(♂)くんに続き、卒業生では貴兄が二人目です。ほかの奴等はいったい何をしているのだろうか、と書こうとしたところ、ワイフから「物欲しげなことを言うのはやめなさい」と叱られたので、二度とブログで物乞いするのはやめることにします。
 正直なところ、あんみつのような超甘のお菓子は苦手だったのですが、今回の連休では夏風邪を引いて発熱し、食欲が失せてしまっていたので、口当たりのよい和風スウィーツで栄養補給させていただきました。おかげさまで、熱も下がってきました。
 事務所を移籍して2週間以上がすぎましたが、あたらしい職場はどうですか。コンペに参加すると言っていましたね。1週間ぐらい徹夜だと所長に脅されていましたが、若いうちはさんざん苦労するにこしたことはありません。
 奮起と飛翔の一年にして、早くガールフレンドを見つけてください。
 
 ではまたいずれ。



  1. 2006/07/18(火) 04:09:11|
  2. 研究室|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

マテラッツィを守れ?!

 夏風邪で体調は最悪、外は梅雨空で、とうとうこの3連休は「ゆららの湯」に一度も行けず、ただ自宅にて微熱に悩みながら、分厚い報告書の校正とベトナムに送信する英文書類の作成と授業準備に明け暮れていた。もちろん、こうしてブログも書かなければならない。が、家でごろごろしていてもネタがない。また、一般的に休日はブログへのアクセスも減る。平日の昼休み(12:00-13:00)、夕方(12:00-13:00)、深夜(21:00-24:00)にアクセスは爆発的に増加するのである。
 というわけで、この3連休、ブログへのアクセスは伸び悩んでいたのだが、連休前の数日間、正確にいうと、ワールドカップが終わってからの5日間、ブログへのアクセスはワールドカップ期間中以上の伸びをみせていた。
 まずは、10日から14日のユニークアクセス(UA)とトータルアクセス(TA)の数を公開しておこう。
    10日  UA=130件  TA=249件
    11日  UA=114件  TA=497件
    12日  UA=104件  TA=246件
    13日  UA=124件  TA=380件
    14日  UA=119件  TA=259件
 先月の統計と比較すれば、このアクセス数が平均値を大きく上回ることはあきらかである。その原因を求めるべく、7月におけるサーチワード(検索語)のベスト5を確認すると、6月17日現在で、
    第1位  「浅川研」  5.31%
    第2位  「リファーレンいなば」  3.61%
    第2位  「鳥取西高」  3.61%
    第4位  「けんびき」  3.4%
    第5位  「ごじきん」  2.97%
となっている。しかし、これらはみかけの上位であり、実質のベスト1は第6位に位置する「ジダン」(2.76%)である。「ジダン」を含むサーチワードは、さらに「ジダン 出自」「ジダン イスラム教徒」「ジダン ベッカム 差別」「ジダン 暴行」「ジダン 頭突き アラブ系」「ジダン MVP 剥奪」「ジダン アルジェリア」「人種差別撤廃 ジダン」など多岐にわたり、全体の17%に達する。
 これは、ワールドカップ決勝を題材にした10日の「のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅩⅡ)-ヴェルトマイスターシャフト2006」(最終回)と翌11日の「ジダンを守れ!」に対する敏感な反応であることはあきらかであろう。マスコミがジダンの暴力行為を批判する論調にあった事件発生当初から、筆者とワイフはジダン擁護の姿勢を明確にしており、おそらくそれに同調する意見が日々増加したものと推定される。一方、ジダンの引退試合=W杯決勝を汚した世紀の悪役マテラッツィについても、「暴力行為 マテラッツィ」「チリッロ 顔面 映像」「チリッロ事件」「ブルーノ・チリッロ マテラッツィ」「マテラッツィ」「マテラッツィ チリッロ 暴行」「マテラッツィ ワル」「マテラッツィ ファウル」などのサーチワードを確認できる(3.2%)。このほか、「人種差別撤廃とワールドカップ」「フェラー ライカールト 人種差別」など人種差別関係の検索語も含めると、ジダンの頭突きに関するサーチワードの総数は23%程度まで上昇する。

 さて、ジダンはフランスTVのインタビューに答え、マテラッツィが母と姉に対する侮辱的な発言をしたと主張したのに対し、マテラッツィは姉に関する侮辱はしたが、母に対する発言はしていないと反論したという。どうやら事の経緯は以下のようであったらしい。
  ジダン「(ユニフォームを引っ張られて)そんなにオレの服が欲しいなら、
      試合後にくれてやるよ!」
  マテラッツィ「くれるなら、おまえの姉ちゃんのほうがいいぜ!」
ここまでジダンは我慢していたようだが、次にマテラッツィの口から、
   「フィッリョ・ディ・プッターナ(売春婦の息子)」
という罵倒の言葉が繰り返し発されたという。このイタリア語は英語のson of a bitch に相当し、たしかに口汚い罵りの常套句ではあるけれども、日本語に直すならば「糞野郎」「畜生」「オ*ンコナスビ」程度の表現だから、肉弾戦を展開する球技の試合では、残念ながら、選手相互が頻繁に発しているようだ。だから、この程度の挑発でジダンが激昂したとすれば、非はジダンにもあると言わざるをえない。ところが、英国のタイムズ紙が読唇術の専門家にマテラッツィの口の動きを分析させたところ、挑発の言葉は、
   「テロ売春婦の息子!くたばれ」
であったという。問題はここに含まれる「テロ」であり、それはアルカイーダに代表されるイスラム過激派を象徴する語彙であるから、話は面倒になってくる。マテラッツィはこれを全否定しており、ジダンも「テロ」に類する表現が含まれていたかどうかを明言していないが、かりに含まれていたことが明らかになった場合、マテラッツィはイスラム過激派を敵にまわすことになる。
 本日の日刊スポーツによると、イタリアのプローディ首相は、マテラッツィにSPをつけることを検討中であるという。ジダンの熱狂的なサポーターにとどまらず、イスラム過激派の報復を警戒してのことだろう。この民族的・宗教的問題を抱えている限り、FIFAのブラッター会長もジダンの処分には慎重な態度をとらざるをえないであろう。

 わたしがいくつかのサイトを検索して、もっとも注目したのは、フランス代表とユベントスでジダンの同僚であったデシャンの発言である(スポーツナビ 7月17日11時56分更新http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060717-00000017-spnavi-spo)。

 「決勝戦では、天才的なキックから生まれたゴール、ちょっとした不運、そして再び明らかになった影の部分を見ることになった。あの行為は許せるものとは言えないが、あれはジダンという人間の一面なんだ。」


  1. 2006/07/17(月) 23:13:12|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

のびたインタビュー -番外編

 ノビタです。

 今日は、どういうわけか、教授のほうから電話がかかってきました。どうやら体調を崩していらっしゃるようです。

N: 先生、どうしちゃったんですか?
A: 夏風邪だわ、・・・先週からゴホゴホしていて薬で誤魔化していたんだが、昨晩は高熱を発してしまって・・・
N: 「けんびき」じゃないんですか?
A: 「けんびき」が夏風邪に変化したって感じかな。
N: それで、お電話いただいた理由は何なんですか?
A: 昨日、オールスターの東西対抗戦があっただろ、そのあと続いて「中田英寿特別番組」があったんだ。2時間の特番。おまえさんもみただろ?
N: えっ、みてませんよ。朝日放送系列じゃないですか?
A: あっ、そうだ。鳥取じゃ映らないんだ。その中田の特番を題材にして、今日のブログを書こうと思っていたんだけど、なにぶん発熱して具合が悪いので、ノビタにまとめてもらおうという魂胆なんです。
N: ったくもう、今日は日曜日なんですからね。少しは休ませてくださいよ。
A: すまん、すまん。いまノビタの後任を物色中なんだ。だいたいメドはついているんだが、なにぶん在学中の学生だから、もう少し訓練しないと、インタビュアーとしてまだ使えないんで。もうしばらくしたらデビューさせるから。
N: ホカノ君ですか?
A: ・・・冗談は佳子さんでござんす。
N: それじゃ、まずJイースト対Jウェストのオールスター戦からお願いします。
A: どこがオールスターかって感じだね。名前も知らない選手がいっぱい出ていてさ。Jリーグにはこういう選手たちしかいないのか、って思うと悲しくなったよ。
N: かつては華やかでしたよね。ラモス、カズ、前園などの有名な日本選手にドゥンガ、ジョルジーニョ、ストイコビッチ、ビスマルクらの超有名な外国人選手が混ざって。
A: 昨日の1点めは中澤(イースト)が60メートルほどドリブルで上がっていったところを宮本(ウェスト)がブロッキングでとめてね、ペンルティ・エリアのわずかに外側から直接フリーキックになったんだ。
N: そのシーンはわたしもニュースでみましたよ。茂庭がまたいで、中澤がFKを蹴ったらはいちゃったやつでしょ?
A: そうそう。川口は予想もしなかった、変なキックだって言ってたよ(笑)。
N: それにしても、Jウェストの4失点はひどいですね。
A: ウェストは駒野(広島)、青山(清水)、宮本(ガンバ)、根本(大分)の4バック。後半はボールを左右に振られて、連続3失点さ。みんなボール・ウォッチャーになってしまって、自分のマークをみていない。裏を取られすぎだよ。
N: やっぱり宮本ですか・・・。それにしても、外国人が少ないですね。
A: そうなんだ。東はバレー(甲府)、西はパウリーニョ(京都)だけ。もっとたくさん使ってほしいよね。外国人のレベルは以前ほど高くはないけれど、それでも日本人選手よりはあきらかに上手いし、しつこい。
N: さて、問題はヒデの特番ですが。
A: まず驚いたことに、中田はジーコを敬愛している。トルシェと4年間付き合って、「もう代表は辞めよう」と思っていたらしい。それを翻意させたのはジーコの監督就任だったというんだ。
N: やはり人格的な魅力があったんですね?
A: そうみたいだね。これからも、ずっといい「友達」でいられるはずだ、と中田は語っていた。ただし、最後に苦々しい顔をして告白するんだな。今の日本選手のレベルでは、ジーコの自由放任型よりも、トルシェの規律強制型のほうがあっている、と。
N: ジーコの指導や戦術に対する具体的な批判はなかったんですか?
A: オーストラリア戦の小野の投入に対しては首をかしげていたが、それ以外はほとんどなかった。むしろ選ばれた選手の側に問題がある、という論調だったんだ。いい選手が集まっているのに、実力を発揮していない。試合によって好不調のムラがありすぎる。練習で必死にならない。実戦モードの練習をしない、といった類の批判だった。
N: 先生は、選手選考そのものに問題があると思っておられるのですよね?
A: そう思っていたよ。とくにディフェンスはね。選手選考そして先発起用の両方に問題があった。
N: ヒデの発言はそこまで踏み込んではいないのですね。
A: いなかった。むしろフィールド上の問題点をするどく指摘していた。試合のビデオをみながら、具体的な場面での問題点を指摘するんだな。とくにディフェンスには3つの大きな問題があった。
N: どういう内容でしたか?
A: まずクロアチアのクラニチェルにミドル・シュートを打たれる場面をとりあげて、対面の日本人を指さし、「ほら、この選手が間を詰めてないでしょ」って言うんだ。
N: だれですか、その日本人選手は?
A: アレックスさ。画面をみたらすぐわかる。しかし、中田は「この選手」としか言わない。アレックスの守備はね、基本的に「中盤の守備」だよ。ボールをもっている相手選手の2メートルほど手前に壁をつくって、相手の進行の邪魔をして時間を稼ぐのが中盤の守備。相手を潰しにいくディフェンダーの守備じゃない。だから、シュートを打たれるんだ。
N: そう言われると、オーストラリア戦でのケーヒルの2点目を思い出しますね。
A: あのときのマークは宮本だよ。前に出ずに壁だけ作って待っていた。
N: カンナバロなら間を詰めながらシュート・コースを限定させていきますよね。
A: カンナバロと言えばインターセプトだが、日本人選手にはインターセプトがほとんどなかったこと、左右にボールを振られるとボール・ウォッチャーになってしまう、ことも指摘していた。
N: ディフェンスの基本がまったくできていない、ということじゃないですか。
A: さらに深刻なのが、ライン・コントロールさ。
N: 練習中に喧嘩になったという件ですね。
A: 中田・中村はラインを上げてほしいと言うのに、宮本はラインを上げない。
N: オーストラリア戦がその典型でしたね。
A: そうさ、攻められてるからって、ゴール前からディフェンス陣はあがってこない。こうなると、攻撃陣と守備陣の2ラインになって、その中間スペースのルーズボールをぜんぶ敵に奪われて波状攻撃を続けられる。ディフェンスは疲弊するばかり・・・
N: イタリアの場合、ラインを引いてしまいますが。
A: イタリアは別格ですよ。システムは4バック4ボランチだからね。2重の鍵をかけるカテナチオに慣れているならば、ラインを下げてもいい。日本は決して真似できないよ。
N: 宮本は何かコメントしていましたか?
A: おかしなコメントでね。守備ラインを上げることが重要ではなくて、守備ラインと前線をコンパクトにすることが大事なんだと言うんだ。そんなこと言ったらさ、最終ラインがゴール前に張り付いているんだから、FWが下がってくるしかないでしょ。そんなことやったら、点なんか取りに行けない。ディフェンスが勇気をもってラインを上げるしかないんですよ。
N: ヒデはほかに何か言っていましたか?
A: トライアングル。
N: えっ、トライアングルって、あのオフトが日本に持ち込んだトライアングルですか?
A: トライアングルという用語は使わなかったけれど、中田が苦言を呈していたのは、まさにオフトのトライアングルでしたね。自軍エリアでだれかがボールをもっても、まわりの身方選手が立っている。だからパスコースがない。トライアングル(三角形)というのは、常に最低2つのパスコースをつくっておくことなんだけど、これはパスの受け手側が動きまわってマークを振り払わなきゃいけない。
N: そうしておくと、かりにボールを奪われても、3方向からプレスがかけられる。囲い込みディフェンスがやりやすくなるんですよね。
A: そうなんだ。オフトが日本に持ち込んだ基本戦術が、ジーコJAPANの4年間で日本代表から消え失せてしまったんだよ。
N: ヒデが「走れないことには試合にならない」と言ったのは、そういう意味だったのですね。
A: トライアングルができないと、プレス・ディフェンスも中盤での細かいパス回しもできなくなる。だから、日本らしさが消えてしまったんだ。
N: ヒデはじつに冷静に日本チームを分析していますね。
A: こういうふうに分析できる選手が中田一人だった、というところに、日本の最大の弱さがあったということなんじゃないかな。
N: ジーコすら気づいていないんじゃないですか?
A: 気づいていたら、あんな選手編成はしないし、訳のわからん采配をしないよ。それにしても、中田があの代表チームにあれほど期待していたことが不思議なんだな。わたしはまったく期待していなかったから・・・
N: 中田はほんとうに現役引退しちゃうんでしょうか?
A: まぁ、しばらくは休養すればいいよ。体のあちこちが痛んでいるらしいから。
N: 何かいいアイデアはないでしょうか?
A: ありますよ。
N: えっ、どういうアイデアですか?
A: ユベントスさ、2部落ちで、おまけに来季の勝点30剥奪でしょ。
N: デル・ピエロとネドベドしか残らないって言われてますね。
A: ジダンと中田は2部のユベントスで大活躍するんだわ。場合によっては、監督に内定したデシャンもプレイング・マネージャーとして現役に復帰する。
N: ・・・・・
A: ジダンはリベロ、デシャンがボランチ、ネドベドがゲームメーカー、中田とデル・ピエロの2トップでどうだい? (この項、完)



 
  1. 2006/07/16(日) 14:53:30|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

加藤家公開にともなう第2回「東方アジア比較居住学セミナー」のお知らせ

 先月22日にマスコミに対する第1回の活動公開をおこないました鳥取市倭文の旧加藤家住宅ですが、まもなく前期プロジェクト研究1&3「古民家のリサイクル」の発表会(下記参照)を迎えます。つきましては、その発表会を第2回のマスコミ公開日とさせていただきますので、万障くりあわせてご参集いただければ幸いです。なお、この件につきましては、鳥取環境大学入試広報課からも、報道諸機関に照会することになっています。

      記

日時: 2006年7月25日(火)13時~
 14時: 復元イロリ点火
 15時: 調査研究の成果発表(於加藤家オクノマ)
   1)敷居沈下調査
   2)柱傾斜角調査
   3)小屋裏調査
   4)床下調査
   5)今後の修復にむけて

 なお、第2回加藤家住宅の公開にあわせて、第2回「東方アジア比較居住学セミナー」を25日午後5時より開催いたします。会場は加藤家オクノマです。去る5月26日におこないました本学環境デザイン学科山田助手の博士学位請求論文発表会を足がかりに、不定期ながら研究会を続けることを決めておりましたが、今回ようやくその第2回を催すことになりました。加藤家の公開とあわせて、多くの皆様にご参集いただければ嬉しい限りです。話題提供者と講演題目は以下のとおりです。

 ★魯班営造学社主催 第2回「東方アジア比較居住学セミナー」
  話題提供者: 長沼さやか(総合研究大学院大学博士課程)
  演題: 「中国共産党政権下における水上居民の変容-珠江デルタを中心に-」(仮題)

 この講演終了後、18時半より復元されたイロリを囲んで、ささやかな打ち上げパーティを催します。参加費は無料ですが、参加者は1dish&1bottleをお持ち寄りください。周辺には戸建て住宅が密集しておりますので、閑かで楽しい宴席にしたいと考えております。
 お問い合わせは、鳥取環境大学浅川研究室まで。

  1. 2006/07/15(土) 02:55:59|
  2. 講演・研究会|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

軽トラで加藤家まで石を運んでもらいました

20060714212158.jpg


 昨日(7月3日)、今日は鳥取城跡に行って石を貰ってきました。石を貰ってくるだけのはずが、そこで働いている方々に石を探してもらい加工までしてもらいもいた。すごくお世話になってしまいました。とても感謝しています。軽トラで加藤家まで石を運んでもらいもしました。加藤家にもどって石を並べたら少し大きくて、でも並べ方を変えたらどうにか囲炉裏の中に入る大きさになりました。石が重くて運ぶのがすごく大変でした。でも楽しかったです。(環境デザイン科2年生H.N.)

20060714212205.jpg

↑ イロリを据える板間。「床下にもぐる女たち」とイロリ班がニアミスしている。発表会では、イロリで点火の儀式をおこない、それから鮎を焼こう、と思っているのだが、まわりの床が抜けそうで、心配。じっさい某大学院生は床板をぶち抜いている。床の補強が必要だ!
  1. 2006/07/14(金) 21:25:39|
  2. リサイクル|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

鳥取城石垣余材でつくるイロリの灰床

20060714024255.jpg


 先週、イロリ班のメンバーを鳥取城の石垣修復現場に連れていったのは、石工の上月さんに面通しをしておく必要があると考えたからである。イロリの床下にめぐらせる灰床の壁を作るにあたって、平べったい石を積み上げて粘土で固める必要があり、思い立ったのが石垣の石の余材、すなわち「われコッパ」(別名「コッパ石」)の積み上げであった。イロリ班のメンバーには、「われコッパ」をたくさん集めてきてほしい。ただただ、そう思って、上月さんに学生を紹介したのであった。
 その後、上月さんは電話をくださった。石垣に積む石材が花崗岩であることを心配されていたのである。花崗岩は摂氏500度あまりの熱で砕け始める。あまりよい石材ではないのではないか、というご心配であった。わたしは、大丈夫です、とお答えした。火に接する石材ではなく、灰床の砂や灰を囲い込むための石材であり、石材表面の温度が摂氏500度に達することはありえないからである。
 今日のプロ研では、「われコッパ」集めをすることになり、イロリ班の男子たちは鳥取城に出かけていった。わたしは古材バンク班や火棚班の活動を視察して指導し、1時間ばかり遅れて鳥取城の現場に到着した。作業をみて驚愕してしまった。
 学生たちは立っている。ところが、上月工業のみなさんは石垣余材を破砕・加工して、灰床の壁石を仮組されているのだ。「われコッパ」ではなく、切石風の大きな石材で正方形の囲いを作っておられたのである。これは大変なことになったと、身が竦む思いがした。

20060714024318.jpg

 ひとつの石材は30~40㎏ある。学生たちが、こんな重たい材料を運べるわけもなく、上月工業の若手お二人が倭文の加藤家まで軽トラで8つの石材を運んでくださった。感謝にたえません。学生たちは、「われコッパ」を土嚢に詰めたのが、城跡での唯一の仕事であった。
 しかし、学生たちも加藤家に戻ってから苦労していた。一度はイロリの真下に石を組もうとしたのだが、うまくいかないので、土間で仮組の仕直し。なんとかかんとか納まる直前の段階までこぎつけたはずである。
 このように、いろんな方々がわたしたちの活動を支援してくださる。「廃材の再利用」というコンセプトに共鳴してくだる県民は決してすくなくない。猛暑の午後ではあったが、気持ちのよい風が体内を吹き抜けていった。

20060714024327.jpg

[鳥取城石垣余材でつくるイロリの灰床]の続きを読む
  1. 2006/07/13(木) 23:35:04|
  2. リサイクル|
  3. トラックバック:1|
  4. コメント:0

・・・・・決意の日?

 プロ研1,3の木曜。プロ研成果発表12日前の木曜。私の模型製作班の状況はというと・・・・三週間前から膠着状態でした。梁、桁を、枝から削って削っての日々。これが時間かかるんですよ。指は痛いし、皆愚痴ばっかだし・・・・・。しかし、まぁ今日はほんまにちょっとだけ進展がありましたよ。土間の上に梁が架かりましたよ。んで完成目標はというと来週金曜日なんですよ。はっきりいうとやばいっすね・・・ほんまにやばいっす。
 で、A教授に宣言させられましたよ。

A: 模型完成できなかったら、インターンシップの給料は俺のものね。
K: ・・・・・・・はい。
・・・・ほんまやばいっすね(泣)  (けんボー)

20060714021428.jpg



  1. 2006/07/13(木) 21:19:46|
  2. 建築|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

拝啓 西河(♂)くん

拝啓 西河(♂)くん

 このたびは奈良の自宅と大学研究室の両方にお中元をいただきまして、まことにありがとうございます。わたしのような者にお中元を送ってくださるのは、貴兄と「空間文化」のM社長のお二人だけであります。要するに、1期生も2期生も、貴兄以外の卒業生はまったくなんの贈り物もくれません。いや、そうでもないな・・・・そういえば、ピエールは実家で余ったビール券をたくさんくれました。あれは助かります。大勢の学生を抱えているわたしにとって、ビール券は現金に等しい価値をもつものです。ピエール君、おうちでビール券が余ったら、いつでもいただきます。
 西河(♂)くんは、かのGWに、藤井兄、社長とともに京都で散財してくれましたね。あまりに散財させたので、以来、音沙汰がないと思っていたところ、このたびは奈良にフルーツ・ゼリー、大学にはブルーベリーラスク2箱をお送りいただき、感謝に堪えません。フルーツゼリーは冷凍庫に放り込み、シャリウマにしていただきました。ワールドカップの3位決定戦と決勝戦の中休みに、シャリウマのフルーツゼリーを味わいながら、奈良の蒸し暑さをしのいでいました。
 大学に送ってくれたブルーベリー・ラスクは、早くもホカノがギラギラとした目つきで狙っています。わたしが貴兄からお中元をもらったと漏らしたところ、
  「おせんべいを送ったそうですね」
と言って涎を垂らすのですが、ホカノに渡す気にはなりません。だって今日もですね、埋蔵文化財センターのご来客に頂戴したショート・ケーキをまた一人で3個もたいらげちゃったのです。甘いものは、全部自分のもんだと思っているのです、相変わらず。だから、ホカノにブルーベリー・ラスクを渡す気にならないのです。
 いまや御菓子は「床下にもぐる女たち」とその周辺で活動する学生たちのために存在します。息子が北海道の修学旅行でお土産に買って帰ってきた「白い恋人」とともに貴兄のお中元は、明日のプロ研で加藤家の測定班&イロリ班や、学内で活動する模型班&古材バンク班等のおやつになります。
 ほんとうにありがとう。
 ところで、送付先が松原市になっていますが、勤務先(支店)が変わったんですかね。はやく落ち着いて、立派なお父さんになってください。
 それではごきげんよう、さようなら。

  1. 2006/07/12(水) 23:39:58|
  2. 研究室|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

ジダンを守れ!

 昨夜は、親子3人で一路「ら麦」をめざしたのだが、どういうわけか看板が消えていて、「おかしいな」と探しまわった結果、古式ゆかしい煉瓦造風の建物は撤去され、敷地はさら地になっていた。「ら麦」は総業20年以上の老舗であり、何種類ものグラッパを味わえる数少ないイタリア・レストランだったのだが、まさかイタリアが優勝した直後にその店が消え失せるなんて、とても信じられなかった。ただ、敷地まわりに目を配ると、「ペック」というイタリア・レストランの看板が用意されていた。新装開店なのか、改修改名なのか、よくわからないが、あの古風な建物を取り壊すなんて、なんてもったいないことをするんだろう。
 仕方がないから、わたしたち3人は近くにあるインド料理の店「シャンティ」に入った。いちおうワインで乾杯した。イタリアの優勝とジダンのMVP獲得を祝ったのである。ただし、ワインはイタリア製でもフランス製でもなかった。モロッコの「中重」とチリの「重」の2種類で、後者のほうがわたしの舌にはあった。
 それにしても、ジダンである。ジダンがマテラッツィに対して「頭突き」という暴力行為に及んだ際、テレビで解説していた井原正巳は、「いけません、こういう行為はやってはいけないことです」というネガティヴなコメントばかり繰り返していたが、我が家では、ジダンの行為そのものにも驚きつつ、むしろ井原の常識的な発言に眉をひそめていた。
 なぜならば、「頭突き」をしたのがジダンだったからである。クールで品行方正、求道者の風貌を漂わせるジダンが、名うてのワルとして知られるマテラッツィに暴行を加えたのである。しかも、ジダンにとって、ワールドカップ決勝は現役最後の引退試合でもあった。そういう大舞台で暴行を働くことが、自らの終幕を著しく汚すものであることはジダン自身が最もよく承知しているはずであり、そういう自分をコントロール不能にするほどの「原因」がそこには存在したのである。その「原因」は、たんにマークがきついとか、ボール扱いが不調だとか、そういうフィジカル・コンディションの問題ではないことは容易に想像できるであろう。
 あの映像をみた瞬間、マテラッツィの挑発以外に暴行の原因は認められず、その挑発が度を越えたものであったことは間違いないと感じた。今大会、FIFAはサッカー界に蔓延する「人種差別」問題を克服するために、ベッカムをはじめとする強豪国の主将に「人種差別」撤廃の宣言をさせてきた。ヨーロッパのサッカー界において、非白人系諸民族に対する差別が根強いことの証しである。マテラッツィがジダンに対して吐いた暴言も、おそらく「人種差別」問題と係わるであろうことは、十分考えられる。アルジェリア移民の2世であるジダンは、アラブ系イスラム教徒の子孫であり、その出自に係わる挑発に対して激昂した可能性が、わたしの頭のなかに直ちにひらめいた。
 近々五輪代表コーチに就任するという井原正巳のコメントには、こういう社会的あるいは心理的状況に対する配慮がまったくみられなかった。かれには、ジダンのなした行為が、プロ野球やMLBなどにおける暴行と同等の行為にしか映らなかったのだろうか。
 一部では、ジダンのMVPを剥奪せよ、との報道もなされている。決勝延長戦の前にMVPの投票をしている記者が多く、あの暴行を斟酌するならば、ジダンのMVPはありえなかったから、ジダンはMVPを辞退すべきだという意見である。
 ジダンは謙虚な人物である。だから、MVPを辞退するかもしれない。しかし、わたしは、ジダン以外に本大会のMVPはありえないと思っている。今回のワールドカップにおいて、真にスーパースターと呼び得る選手はジダン以外にいなかった。ブラジルのロナウド、ロナウジーニョ、アドリアーノも同等の資格をもってはいたが、かれらのコンディションはあまりに低調で、MVPには値しない。ジダンは下馬評の低かったフランス代表を決勝トーナメントに引き上げ、スペイン、ブラジル、ポルトガルという3つの強豪国を連破して、決勝では優勝国イタリアと互角以上の戦いを演じた。ジダンなしに、フランスの快進撃はあり得なかった。
 非難されるべきはマテラッツィであり、ジダンではない。「人種差別」撤廃を本大会のスローガンに掲げてきたFIFAは、マテラッツィによる挑発の内実を、全力をあげて解明する義務があるだろう。



  1. 2006/07/11(火) 23:30:00|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅩⅡ)-ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 ドイツW杯の決勝は、イタリアがフランスをPK戦の末下して、優勝を遂げました。延長戦は圧倒的にフランスが押していましたが、マテラッツィに対するジダンの頭突きによる退場で流れが変わり、後味の悪さを残してしまいました。
 さて、2ヶ月あまりにわたり連載してきた「のびたインタビュー」シリーズも今回で最終回を迎えることになりました。計42回の連載で、予想をはるかに越える大勢の皆様からアクセスいただいたことを、心より感謝申し上げます。それでは、最後のインタビュー、存分にお楽しみください。

N: 結局、先生が昨年から予想されていた通り、イタリアがヴェルトマイスターシャフトの黄金トロフィーを手にしました。さぞかしご満悦のことと存じますが?
A: それがさ、またワイフの機嫌が悪いんだわ・・・・
N: えっ、どうしてですか?
A: 二人で実況中継をみたんだけど、わたしはイタリア優勝、ワイフはフランス優勝で予想が分かれていてね、PK戦でフランスが敗れてしまい、すっかり彼女は落胆して、「ジダンが可哀想だ、マテラッツィはひどいことを言ったんだ」を繰り返していてね、「あなたはイタリアが勝って嬉しいんでしょ」ってすねちゃって、またコーヒーも淹れてくれないんだから・・・
N: たしかにジダンの暴力行為が試合の流れを変えてしまいました。
A: でも、あれほどクールなジダンを怒らせるからには、マテラッツィもそうとうな挑発を繰り返してきたんじゃないの?
N: ネットで「マテラッツィ」を検索してみたんですが、名うてのワルですね。
A: シエナ戦のチリッロ事件で名を馳せたんだっけ?
N: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』は更新が早く、昨日の事件まで取り込んで、以下のように解説しています。 マルコ・マテラッツィ(Marco MATERAZZI)は、「闘争心旺盛な性格が災いし、ハードマークなどでファールを献上、カードを貰うことがしばしば。また熱くなりすぎでラフプレーも侵すことがある。この最たる例として、2004年2月1日のシエナ戦において試合に欠場したマテラッツィはシエナのDF、ブルーノ・チリッロに対し汚い野次を飛ばし続け、これに苛立ったチリッロが試合終了後にマテラッツィに詰め寄ったところ、マテラッツィはチリッロを暴行。チリッロが生中継に顔面あざだらけで現れこの事態を告白。マテラッツィは罰金と2ヶ月の出場停止を受けた。 2006年FIFAワールドカップ決勝では、フランスの先制点となるPKの原因を作り、自らのヘディングで同点に追いつき、さらには延長後半にはジダンを挑発し、頭突きを受けジダンを退場処分に追い込んだ。」
A: それで、ワイフはさ、マテラッツィはあなたそっくりだって、言いがかりをつけるんだわ。
N: たしかに、・・・・そういうイメージがなきにしもあらずですね。この前の事件なんか、「あっ、またやっちゃてるぜ」と周りは思ってますよ。
A: 阿呆! あの会議では、わたしがジダンで、わたしと木造建築を誹謗中傷した現地の責任者がマテラッツィだろうが!!
N: 先生がジダンですか? だれもそんな風には思ってませんよ。かりにジダンだとしたら、やっぱり、暴力行為を働いたことになりますね??
A: あのね、頭突きもパンチもくらわせてません。代わりに椅子を蹴り上げたら、足の甲が腫れちゃったの!
N: そういえば、ドメネク監督もスポーツドリンクの容れ物を蹴り上げてましたね。
A: そっ、その程度ですよ、わたしの行動は・・・
N: まぁいいや、そういうことにしときましょう。しかし、本大会のイタリア代表にとって、マテラッツィはずっと鍵を握る存在だったのではありませんか?
A: そうなんだ。一次リーグ最大の難関であったチェコ戦では、ネスタ負傷退場の後をうけて出場し、ヘッドで先制点を決めた。ところが、次のオーストラリア戦では、悪質なファウルで一発退場。チームを苦境に追い込んだ。そして、決勝では、PKを奪われるファウルを犯して、ジダンに先制され、コーナーからのヘッド・シュートでその汚点を払ったかと思いきや、ジダンに対する執拗な挑発で、ジダンを退場させ、ジダンの最終試合でもあるW杯決勝を汚してしまった。
N: とんでもない脇役ですね。
A: トリックスターだよ。
N: マテラッツィはどんな言葉でジダンを挑発したんでしょうか?
A: 思い出すのは、90年のイタリア大会でね、決勝トーナメント1回戦で優勝候補のドイツとオランダがいきなりぶつかったんだ。ドイツには、インテルに所属するマテウス、クリンスマン、ブレーメがいて、オランダにはミランに所属するファンバステン、フリット、ライカールトがいたんだ。この試合でライカールトはストッパーに入っていて、フェラー(当時ローマ所属)のマークについていた。ここで、唾吐き事件がおこるんだよ。ライカールトがフェラーに何度か唾を吐いてしまうんだ。
N: それで、レッドカードですか。
A: そう。しかし、フェラーの挑発も、そうとう問題視されたんだよ。「人種差別」発言を含んでいたらしいんだ。ライカールトはスリナム出身の黒人選手でしょ。その出自に対する暴言があったらしい。こうなると、ライカールトが悪いのか、フェラーが悪いのか、ということになって、結果は両者退場。けんか両成敗ではあるけれども、ライカールトはオランダ代表チームの心臓だから、チームにとっての損失は計りしれなかった。結局、ドイツが2-1でオランダを下したんだ。
N: ということは、やはりマテラッツィの発言内容が問題になりますね。
A: 場合によっては、再び2ヶ月程度の出場停止処分を受けるかもしれんね。
N: 先生、いま朗報が飛び込んできましたよ! FIFAは本大会のMVPにジダンを選出しました。
A: えっ、そうなの。ちょっと待って、ワイフに伝えてくるから。


N: 先生、どうでした、奥様のご機嫌は直りましたか?
A: 直った、直った・・・「ら麦」にイタリア料理食べに行くことになりました。グラッパで乾杯だ! ボーナス入ったんだから、少しぐらい分け前がほしいよね・・・・
N: えっ、先生のボーナスは奥様が管理しているんですか?
A: 給料もボーナスも全部管理されてますよ。お小遣い制ですよ、わたしは。
N: そうでしたか、そうとは知らず、いつもご馳走になってばかりで、すいません。こんどトマオニで弾丸ハンバーグご馳走させていただきます。
A: おまえは口ばっかりだ・・・
N: ジダンに戻りますが、大会最優秀選手に選ばれたことについて、どう思われますか?
A: まったく妥当ですよ。朝日新聞はベスト11からジダンを外していたが、わたしはちゃんと入れているでしょ。トップ下というマークの厳しいポジションで、あれほどボールをキープできる選手はどこにも見あたらなかった。すごい存在感でした。
N: 同じポジションにあたるトッティは決勝戦で完全に消えてしまいましたね。ヴィエラとマケレレのマークがきつかったんでしょうが。
A: イタリアは実質ピルロがゲームメーカーなんだな。低い位置で、必ずピルロを経由するから、ピルロのボールタッチ数は非常に多い。ところが、トッティをベンチに下げてピルロを前線にあげた途端にピルロのタッチ数は激減した。ジダンは、ああいう高い位置にいつもいるんだけれど、どんな試合でもタッチ数が多いからね。ガットゥーゾとカモラネージに挟まれても、ジダンはボールがキープできる。プレッシャーに強い唯一のファンタジスタだよ。
N: 決勝戦の流れを振り返ると、前半はイタリアが押し気味、後半から延長戦にかけてはフランスの優勢が持続しましたね。
A: 決勝戦の采配に限っていうと、リッピをドメネクが上回っていたように思う。
N: リッピ監督の動きは早かったですね。
A: 後半15分頃に、デロッシとイアキンタを投入して、トッティとペロッタを下げてしまった。デルピエロを入れる時間帯も早かった。
N: フランスに攻め込まれていたからでしょうが、いつものリッピ監督なら、もう少し我慢して延長戦の勝負に駒を残しておきますよね。
A: 替えた3つの駒が期待どおり動かなかったでしょ。やはりジラルディーノが欲しかったね。トニは疲れ果ててしまい、1トップとして機能できなくなっていた。トニを替えるためには、トッティかペロッタのどちらかを残しておく必要があった。はっきり言うとね、デロッシを投入せずに、トッティを残しておけばよかったんだ。
N: トッティを残しておくと、どうなるんですか?
A: 攻撃陣は、最終的にジラルディーノ、デルピエロ、イアキンタ、トッティの4名を確保できたはずだろ。しかし、昨日の延長では、疲れたトニのほかデル・ピエロとイアキンタの3名だけだった。あれでは点が取れないよ。
N: フランスのドメネク監督は延長戦に2枚のカードを切りましたね。
A: まずトレセゲを入れたでしょ。アンリとトレセゲの2トップになった。これは威力がある、イタリアはやばいと思っていたら、アンリが故障してしまった。
N: アンリに替えてヴィルトールを投入しました。
A: ここで再び4-2-3-1の1トップに戻ってしまった。イタリアは一安心さ。
N: そして、ジダンが切れてしまった・・・
A: そのあともフランスはよく攻めたけれどね。
N: PK戦になれば、フランス有利と予想されていましたね。
A: そりゃ、イタリアはPK戦連敗中だからね。ただ、PK戦についても、リッピ監督はあらかじめ人選していたらしいね。監督が替わると、運も変わるものだ。
N: ブッフォンは球筋と違う方向にばかり飛んでいましたね。
A: 少し動き出しが早いんじゃないかな。PKに関しては、レーマンの方が上だと思ったよ。もっとも、ドイツの場合、コーチがキッカーのデータを収集し尽くしているからセーヴ率が高いんだろうけどね。
N: PKを外したのはトレセゲ一人でした。
A: やはりユベントスが鍵を握っていたね。
N: 八百長疑惑で、みんな他のチームに移るらしいですが・・・
A: そんなことはどうでもいいよ。そろそろ「ら麦」に出かけるぞ。グラッパで乾杯だ!
N: 奥様にはカルヴァドスを用意しなきゃまずいんじゃないですか?
A: そうだな、こんど探してみよう。ノビタもネットで検索しておいてくれよ。 (完)


  
  1. 2006/07/10(月) 19:46:58|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:3

のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅩⅡ)-ヴェルトマイスターシャフト2006

 決勝戦のキックオフまで1時間を切りました。さきほどみていた「ヤベッチFC」では、ヤベッチが1-0でフランスの勝利を予想していましたが、さて運命の女神はどちらにほ微笑むでしょうか。

N: 先生、宿題考えてきてくださいましたか?
A: ・・・ベスト11かいな。
N: そうです。最近ややアクセス数に翳りがみえてきていまして、ちょっと梃子入れしたいんです。
A: まぁ、今回を含めてあと2回でおしまいだからな。ほんとは厭なんだけど、出しましょう。これが、わたしの選ぶヴェルトマイスターシャフト2006のベスト11です。

20060710022857.jpg

N: えっと、システムは4-3-2-1ですね。
A: 違うよ、4-3-1-2です。
N: あれっ、てっきり1トップの陣形だと予想していました。フランス式の4-2-3-1か、イタリア式の4-4-1-1でメンバーを組むんだと思っていたんですが。
A: 今大会の主流はたしかに1トップだが、それだとどうしても守備的すぎて、フォワードの選手を選びにくくなるからね。
N: 簡単に説明していただけますか?
A: GKはブッフォン。ディフェンスは左からザンブロッタ、カンナバロ、アジャラ、ミゲルと並べる。
N: 強力ですね。ドイツのラームを推す声も強いですが・・・
A: 初戦のイメージが強かったんだね。相手がコスタリカだから目立ったけど、たとえばイタリア戦をみてもザンブロッタの圧勝だったでしょ。
N: 続いて中盤をお願いします。
A: 3ボランチにして、左からガットゥーゾ、ヴィエラ、ロシツキーと並べ、トップ下にジダンをおく。
N: これまた強力ですが、ピルロが外れるんですね。
A: ガットゥーゾをピルロに替えてもいいんだけれど、その場合、中盤の守備が弱くなる。スターを並べるのではなく、強いチームにしたいんだな。ロシツキーをピルロに替える手もあるんだが、チェコから一人は入れたかった。
N: フォワードはルーニーとクレスポですか。
A: うん、アンリが次点かな・・・・
N: ドイツとブラジルが一人も含まれていませんね。
A: コンディションが良ければ、前の3人はロナウド、ロナウジーニョ、アドリアーノが独占しただろうけれど、なにぶん不調だった。とてもベスト11には選べない。ドイツもバラックかクローゼあたりが頭に浮かぶが、ベスト11というほどの出来ではなかったね。
N: どうもありがとうございました。スター11人ではなく、強いチームとしての11人ということで納得できますね。ところで、最後に川淵キャプテンと中田英寿選手の問題についてもコメントをいただけないでしょうか?
A: まずジェフ千葉からの損害賠償請求は当然だよね。代表監督の人事を、マスコミの前でぽつりと漏らすんだから。呆けていたんだか、意図的だったんだかは知らないが、サッカー協会の会長としては、失格ですよ。きちんと責任をとってもらいたい。
N: あの一言で、マスコミは一次リーグ大敗の検証よりも、次期代表監督の人事にフォーカスが移りましたね。
A: ジーコの指導のどこが悪かったのか、少しでもよいところはあったのか。ヒディングやリッピとの違いはどこなのか。監督とチームの4年間を丸裸にして、徹底的に自己批判する義務が協会にはある。この分析を急ぎ、成果報告書を公刊してほしい。
N: 協会の自己批判作業をオシム騒動がかき消してしまいました。また、つい最近の報道によると、川淵キャプテンはラジオ番組で、引退する中田英寿が「15年か20年後にサッカー協会の会長になれば最高だ」と述べたといいます。
A: まったくふざけた発言だと思うよ。現在のサッカー協会長が15~20年先の会長候補について言及するなんて、ナンセンスの極みだ。そのころ、いったいだれが人事権や投票権をもっているのか、だれもわからない。権力をもつと、こうして時間を支配したくなるんだ。
N: どういうことですか?
A: 権力者と呼ばれる一群の人びとはさ、よく考えてごらんよ、もう年寄りなんだわ。中田がどうのこうの言う前に自分が引退しなきゃならない年頃なんだ。ところが、組織を意のままに動かして、その将来までも決めてしまおうとするんだよ。まもなく、その人物は居なくなるんだから、その組織の将来は若い人たちが作りあげていけばいいはずなのに、どうしても自分で決めたがる。まわりがどんなに反対しても、組織を改編しようとする。未来という時間帯まで、自分が支配したいんだ。こういう権力志向の人物には、一刻も早く、現役から退いていただきたい。
N: ヒデは、川淵さんとは反対で、あっさりサッカーの未来を捨ててしまいましたね
A: 潔いとか、糞切りがいい、とか賞賛の声が止まないけれども、さて、どうなんだろうね。泥臭さが足りない、というか、あまりにスマートすぎて反感を買っている面も少なくないんじゃないだろうか。
N: 大学に憧れているんじゃないですか? 元宝塚のスターだった天海祐希さんも「大学に行きたかった」とトーク番組で吐露していました。
A: ノビタは大学生活、楽しかったかい?
N: そうですね。できれば、戻りたいです。
A: おれはね、鳥取城の卒業研究で必死になっていたころのノビタが好きだったね。就職してからというもの、去年までのノビタではなくなってしまったような気がしてね・・・・
N: そう言われても仕方ありません。
A: 中田の場合、噂されているのはハーバード大学MBAでしょ。そして実業家に転身。安藤忠雄とニューヨークで空間デザイナーの修業だろ。なんか、おかしくないか?
N: 自分たちとは住んでいる世界が違いますね。
A: でもさ、中田ももとは山梨の田舎もんだぜ。
N: 韮崎高校時代は東大合格間違いなし、と言われたそうです。
A: おれだって、偏差値はそれぐらいあったんだけど、そんなもん、たいしたことないだろ・・・
N: いいえ、とんでもない。恐れおおいです。
A: おれはさ、大学なんてぬるま湯だと思っているんだ。
N: ハーバード大学のMBAは別世界じゃありませんか?
A: たしかにそうかもしれない。しかし、MBAをもたないと実業家にはなれないのかな? あるいは、サッカーをやめないと、空間デザイナーとやらになれないのかな? その空間デザイナーが作る空間はわれわれが取り組んでいる民家の空間にまさるものなのだろうか?
N: そんなこと、中田にはわからないでしょうね。
A: もとは山梨の田舎者なんだよ、中田は。故郷の山や川や民家の風景が体内に刷り込まれているはずだ。間違いないよ。
N: 先生の言われたいことがよくわからないんですが・・・
A: 要するに、中田は背伸びをしているんじゃないか、ということなんだ。ファッション・リーダーだとか、ソーホーのビルの改築だとか、それがほんとうの中田の姿だろうか、疑問に思えてならない。
N: どうしろっとおっしゃるのですか?
A: 燃え尽きてほしい。ペルージャやローマのころの中田は、ヨーロッパで十分通用するサッカー選手だった。それが怪我を境にコンディションを落として、元の状態に戻れなくなっている。今はそういう状態なんだ。しかし、再生できないわけではない。
N: 再生さえすれば、もう一度トップ下で蘇ることができる・・・
A: そうさ、ジダンやチュラムやヴィエラやフィーゴが30歳をすぎても汗にまみれてサッカーをしている。34歳のジダンは、2006年W杯の決勝まで勝ち上がった。
N: 中田は、一年もすれば、サッカーがしたくなるでしょうね。
A: 間違いないよ。そのときは逡巡することなく、サッカーに戻ってきてほしい。背伸びをせずに、泥まみれになって、燃え尽きてほしい。実業家も空間デザイナーも、みんな幻想なんだから。 (続)


  1. 2006/07/10(月) 02:21:11|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅩ)-ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 3位決定戦が終わりました。ドイツが3-1でポルトガルに圧勝し、ドイツ国内は熱狂の渦に巻き込まれています。

N: 先生、3位決定戦はご覧になりましたか?
A: 画面をみながら部屋を暗くしてうとうとし始めたんだが、録画しているから、安心して眠ったんだ。で、目覚めて、ビデオを見ようとするんだけど、テープが動いてなくて、ザーッという画面があらわれた。
N: どうしたんですか?
A: 先に寝たワイフに3倍速で採りっぱなしにしてくれと頼んでおいたんだ。ワイフはたしかに新しいテープをカセットに突っ込んでから寝たんだが、わたしはそこで彼女が録画ボタンを押したと思っていた。ところが、彼女によると、テープだけは入れておいてあげたんだから、録画ボタンは好きなタイミングで押して頂戴と言って寝たの、と主張するんだわ。
N: で、どうなったんですか?
A: プライド、です。総合格闘技。我が家の場合、2階の畳間で決着をつける。
N: えっ、奥さん、強いんですか?
A: 高速カウンターの裏拳が顎に入った。すごい裏拳だった。ビッグ・ヴァン・ベイダーの裏拳がさらに早くなった感じで、顎がまだ痛いんだ・・・・
N: 完敗じゃないですか。
A: 朝ご飯も作ってくれないし、コーヒーも淹れてもらえない。
N: のろけてるんですか、それとも、どMなんですか?
A: 阿呆! 男はみんな家に帰ると、粗大ゴミなんです。
N: それじゃ、シュヴァイン・シュタイガーの2発をみてないわけですね。
A: まぁ、BS1の再放送をみますけどね、3位決定戦というのは、ほんらい流すもので、あまりヒートアップしないんだけどね。
N: ドイツは大喜びですよ。国民は3位入賞をとても喜んでいる。
A: 情けないな。ベッケンバウアーは嘆いているよ。
N: ベッケンバウアーが好きなんですか?
A: 74年の優勝チームは大好きでしたね。ベッケンバウアーとオベラーツがとくにお気に入りだった。いまでもメンバーを書けると思うんだ。ちょっと挑戦してみるか!
   GK: ゼップ・マイヤー(バイエルン・ミュンヘン)
   リベロ: フランツ・ベッケンバウアー(バイエルン・ミュンヘン)
   左SB: パウル・ブライトナー(バイエルン・ミュンヘン)
   CB: ゲオルグ・シュヴァルツェンベック(バイエルン・ミュンヘン)
   右SB: ベルティ・フォクツ(ボルシア・メンヘングランドバッハ)
   CH[ボランチ]: ライナー・ボンホフ(ボルシア・メンヘングランドバッハ)
   左MF: ヴォルフガング・オベラーツ(1FCケルン)
   右MF: ウーリ・へーネス(バイエルン・ミュンヘン)
   左W: ユルゲン・グラボウスキー(アイントラハト・フランクフルト)
   CF: ゲルト・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン)
   右W: ベルント・ヘルツェンバイン(アイントラハト・フランクフルト)
N: バイエルンが6名ですか。
A: そうさ、11名中6名が日頃から同じチームでプレーしていた。バイエルン・ミュンヘンが代表チームのベースだったわけです。バレーボールにおける、かつてのニチボー貝塚みたいなもんだね。
N: 今ならユベントスがそんな感じですね。
A: Jリーグでも、かつてなら、ヴェルディ川崎、鹿島アントラーズ、ジュビロ磐田はそういうチームになる可能性があった。しかし、選手は海外移籍志向が強く、チームには資金が足りない。その結果、代表クラスの選手は国内外にばらばらに散ってしまった。代表が強くならない要因の一つだね。
N: その国を代表するチームは必要ですね。アヤックス、レッドスター・ベオグラード、ディナモ・キエフ、パナシナイコス、フェネルバチェ・・・そういえば、ジーコはイスタンブールのフェネルバチェと2年契約を結びました。
A: ジーコはテクニカル・ディレクターとして、鹿島を日本最強のチームにした。鹿島には、あのまま日本を代表するチームとして君臨してほしかったね。鹿島のレギュラーになれば、そのまま代表で使えるというような時代があった。今は衰えたね。
N: 今回のW杯で日本は不振だったので、海外からのオファーはまったく届いていない、と川淵キャプテンは公表しています。
A: 川淵の責任だよね。しかし、日本人選手の場合、海外に出て成功する例は稀でしょ。稲本クラスでも駄目だった。安易に海外に出ても、通用しないまま帰国する選手のパーセンテージが非常に高い。だからこそ、国内に代表選手ばかりを集めた強力なクラブを作る必要があるんじゃないかな。
N: 潤沢な資金が必要ですね。三菱の浦和、トヨタの名古屋あたりに期待するしかありません。ニッサンは不景気だから、横浜は沈んでいくかも・・・・
A: いちばん期待できそうなのは浦和かな。浦和にいい選手を集中させて、アジア・チャンピオンズ・リーグを制覇してほしいものです。
N: さて、ありきたりで申し訳ないんですが、今回のW杯のベスト11を選出していただけませんか?
A: そういう下らないことはやらない。
N: まぁ、そう言わず、できれば次回のインタビューまでに考えておいてください。
A: ・・・・ (続)

 
  1. 2006/07/09(日) 18:58:26|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅨ)-ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 W杯総括編の第2弾です。イタリアが優勝するかどうかはわかりませんが、なぜ教授がイタリアを優勝候補にしぼったのか、そのあたりをきっちり確認しておきましょう。

N: 先生がイタリアを優勝候補として最初に公言されたのは、昨年のコンフェデ決勝に対するブログ記事「南米の日韓戦」(05/06/30)においてでした。
A: 記事を確認してみようか。「・・・・ヨーロッパでおこなわれるW杯で、南米の国が優勝するのはごく例外的である。ヨーロッパでは、ヨーロッパの国が勝つ。とすれば、いったいどの国が優勝するのだろうか。わたしは、イタリアに期待している。監督がリッピに変わり、従来のカテナチオからの脱皮をはかりつつあって、選手の若返りも進んでいるからだ。思い起こせば1990年、イタリアで開催されたW杯では、イタリアは晩年のマラドーナに足下をすくわれ、ドイツが優勝をさらった。あれから16年の歳月が流れ、こんどはドイツでW杯が開かれる。イタリアのリベンジが叶うだろうか?」
N: 「ヨーロッパのW杯では、ヨーロッパの国が勝つ」という定則があるにしても、なぜイタリアなのか、という点がよくわからないんですが、上の文章では歴史の因縁を強調されているわけですね?
A: 1990年のイタリアW杯準決勝で、イタリアはアルゼンチンと対戦し、PK戦で敗れたんですよ。そのアルゼンチンをドイツがやっつけて3回目のW杯優勝を果たした。ドイツは優勝に値するチームではあったけれども、アルゼンチンは反則ばかりが目立つPK戦ねらいのチームでね、まったく×でした。だから、イタリア対ドイツの決勝戦をみたかったんだな。あれから16年を経た今回のドイツW杯では、ホスト国が入れ替わり、裏返しの事態が起こるのではないか、という予感があったわけです。
N: それは現在のドイツ代表とイタリア代表の戦力を比較してのことだったんですか?
A: いんや。イタリアは安定した守備力をもっているから、どんなトーナメントでも優勝候補たり得る。トーナメントでは、まず負けないことが前提なんだからね。そこにリッピが監督として就任した。課題の攻撃力やゲームプランも改善されるだろう、という漠たる予感です。一方、ドイツは、コンフェデの戦いをみる限り、いいサッカーができていなかった。突出した選手もいないし、監督はクリンスマンで若すぎる。あるのはゲルマン魂だけだから、世界の並みいる強豪をなぎ倒すのは難しいと思っていました。
N: 昨年のコンフェデ決勝で、ブラジルはアルゼンチンに4-1と圧勝しました。世界屈指の攻撃力を誇示した大会でしたが、それでもW杯本番でブラジルは敗れると予感されていたのですね。
A: それについては、05年6月22日の「ブラジル戦前の不吉な予測」ですでに指摘しているのね。スター軍団のレアル・マドリードがユベントスに代表されるプレッシング・フットボールに弱い。昨年のコンフェデでも、レアルと似たスター軍団であるブラジルがメキシコのプレッシング・フットボールに屈したんだ。だから、ブラジルはイタリアに代表されるプレス・ディフェンスに弱いだろうと思うに至ったわけです。その内容を先月4日の「のびたインタビュー(Ⅹ)」で詳しく述べたんだ。
N: それにしても並み居る欧州強豪の中で、なぜイタリアを優勝候補にしたのかが気になりますね。
A: これについては、今月2日の「のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅣ)」を参照してほしいんだけど、
  第1:欧州で開催されるワールドカップでは、欧州の国が優勝する。
  第2:優勝する国は優勝経験のある国か開催国に限られる。
  第3:優勝する国には、スーパースターが存在する。
という法則がありまして、とくに第2の条件にひっかかるのは、イタリア、ドイツ、フランス、イングランドの4ヶ国しかないんですよ。
N: ポルトガルやチェコなどは端から候補外ということですね。
A: そうなんだ。そういう国々は決勝に進出することはあっても、優勝はありえない。その代表が準優勝2回のオランダなんですよ。今回、オランダを第2の優勝候補に推したのは、クライフやヒディングの時代のトータル・フットボールが好きだったからで、実際にオランダ代表のゲームをみて失望してしまったんだ・・・
N: ドイツは開催国という強みがありましたが、先生は戦力・監督の両面から優勝はないと判断されていた。イングランドはどうなんでしょうか?
A: メンバーは悪くないと思っていたんだけれど、「勝負弱い国」というイメージがつきまとっていてね。サッカーの戦術・戦略もやや古くさいという先入観がぬぐえない。それで、ベスト8が限度だろうと思っていたら、そのとおりになったんだ。イングランドは、ヒディング・クラスの監督を連れてこない限り、勝負強さが身につかないんじゃないかな。まずはスウェーデンに勝つことだね。スウェーデンに勝てないようだと、イタリアには永遠に勝てないよ。
N: フランスについては、どうお考えでしたか?
A: なにぶん予選で不調の極みだったでしょ。本大会に出られないんじゃないか、と不安視されていたわけだし、本大会の一次リーグでも、脱落寸前だったわけだから、まさかこんな快進撃をはじめるとは夢想だにしていなかった。恐れ入りました。
N: 先生は、イタリアが決勝で1-0でブラジルを下して優勝するものだと思っていたわけですよね。ほかにブラジルを倒せそうなチームを探すとすれば、どのチームがあげられますか?
A: だから、チェコさ。E組を2位で通過する可能性があったでしょ。コレルの負傷が響いてガーナに敗れてしまったけれど、コレルのいるチェコなら十分ブラジルを倒せたと思う。
N: イタリア対フランスの決勝戦の展望について、本音をお聞かせいただけませんか?
A: 総合力ではイタリアが優位に立っていると思うよ。マスコミの論評を読んでも、トルシェ以外はイタリア優位の下馬評だね。ただ、第3の基準、すなわちスーパースターの存在という条件に照らすならば、ジダンに匹敵する選手はイタリアにいない。
N: ブラジル戦にしても、下馬評では圧倒的にブラジル優位で、おそらくジダン最後の試合になるだろうと言われていましたからね。
A: わたしもそう書きました。だから、ゲームが始まってみないとわからないよ。ありきたりだけれども、ジダンの出来が勝敗を分けるだろうね。
N: できるだけ長い時間、ゲームを楽しみたいですね。
A: そう。PK戦は勘弁してもらいたいんだけれど、延長まで戦ってほしいね。120分間の余韻をしばらく味わっていたいんだ。 (続)

  1. 2006/07/09(日) 03:01:49|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅧ)-ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 このシリーズを終えるまえに、ワールドカップ・ドイツ大会の総括をしておきたい、と思います。決勝の前に検証をはじめたいのです。第1回はシステム(陣形)をテーマにお話をうかがってみましょう。

N: 先生、いまどこですか?
A: 奈良だよ。昨日、竹中大工道具館で村松研究会があり、一年ぶりに太田先生と再会して、打ち上げで美味しいお酒が飲めました。
N: 何を飲んだんですか?
A: カルヴァドス。
N: そんなお酒あるんですか?
A: リンゴ酒の蒸留酒、つまりアップル・ブランデーだね。ノルマンディのカルヴァドス地方で作るアップル・ブランデーを、とくにカルヴァドスと呼ぶんだ。
N: 美味しいんですか?
A: ほんのり甘みのあるブランディーだね。食後酒としては、グラッパと双璧かもしれない。グラッパほど強くはないけど。
N: カルヴァドスがフランス、グラッパがイタリアだから、フランスはイタリアほど強くない、と読み替えることもできますね。
A: 読み過ぎだよ。変なメトニミー(換喩)を使いなさんな。
N: メトニミーって何ですか?
A: もういいよ。講義で教えたんだけどな・・・
N: さて、今回のワールドカップですが、まずシステム(陣形)から総括していただきたいんですけど、4バック1トップが主流でしたね?
A: そうだね。いちばん多かったのが、4-2-3-1。フランスやポルトガルがこの代表です。攻撃的なシステムだね。
N: このシステムの特徴を教えてください。
A: フランスの場合、ともかくジダンを中盤前方のど真ん中においておきたい、という発想が大前提としてあるんだね。アンリは1トップよりも2トップを好んでいるようだが、なにぶんジダンの存在が大きいから。
N: どこが攻撃的なんでしょうか?
A: ジダンの両サイドにウィング・ハーフを配しているでしょ。この二人が前線に出れば、即3トップに変わる。ウィング・ハーフが前に出て、敵にその裏を取られても、4バックの両サイドバックがカバーできる。
N: そう説明されると、オランダの4-3-3システムに近いようにも思いますが。
A: そうなんだな。4-2-3-1は4-3-3の変形だよね。ただウィング(ロッベンとファンペルシン)は4-3-3の方が前目で、センターハーフはオランダ(コク)がボランチの位置、フランス(ジダン)がトップ下です。
N: センターとともに、両サイドの陣取り合戦を制しようという目論見があるわけですね。
A: クライフが主張し続けているとおり、サイドを制するものはゲームを制する。サッカーの戦術がこの先どんなに変化しようとも、サイドからのセンタリングは不滅の攻め手です。日本には突出したサイドアッタカーが存在しない。杉山隆一が最初で最後のサイドアタッカーだった。
N: イタリアの4バックシステムには大会中に変化がみられました。
A: 1次リーグでは、4-3-1-2でスタートした。イタリアらしからぬ攻撃的な2トップ(笑)。
N: それが1トップに戻りました。
A: オーストラリア戦でマテラッツィにレッドカードが出て、10人になっただろ。あのときリッピは4-3-1-1で戦った。完全にゴールに鍵をかけて、最後にPKを得て勝利を納めた。改めてカテナチオの威力に気づいたんじゃないかな。「攻められる」のではなくて「攻めさせる」戦法の凄みが蘇ってしまった。
N: 以後、イタリアは4-4-1-1に陣形を変えました。
A: ゴール前に一列、ボランチの筋に一列、2重の守備網が形成される。これを崩すのは容易ではない。絶好調のブラジルだって、簡単には崩せないでしょうね。
N: 4-4-1-1の場合、カウンターでは3列目からの飛び出しが必要不可欠になります。
A: ペロッタとカモラネージだろ。ペロッタをみていて、日韓大会の稲本を思い出したよ。日本にもああいう動きをするボランチが絶対必要だ。フランスなら、ヴィエラのような存在。
N: イタリアはドイツ戦の延長でカモラネージとペロッタをイアキンタとデル・ピエロに替えてきました。
A: 勝負に出たわけです。ボランチのサイドにいる選手を前目の選手に替えることによって、4-4-1-1が4-2-3-1に変化した。
N: ということは、4-4-1-1も4-3-3のバリエーションの一つと言えるんじゃないですか?
A: それは違うね。4-4-1-1は4-4-2でもなければ、4-3-3でもない。イタリアに特化した超守備的システムです。今回、このシステムの偉大さを思い知らされましたね。
N: チェコとイングランドは4-1-4-1というシステムを使ってきました。
A: チェコの場合は攻撃的な4-1-4-1で、はまった時の強さは尋常でないけれど、イングランドは急増の守備的4-1-4-1で、今大会の場合、あきらかに失敗だった。通常の4-4-2で試合に臨めば、もっといい試合ができたはずです。エリクソン監督の責任だね。
N: ルーニーは1トップの犠牲者となって退場しましたが、ブラジルまで1トップに切り替えたのも驚きでした。
A: あえて図式化すると、4-3-1(カカ)-1(ロナウジーニョ)-1(ロナウド)となるのかな。
N: 機能しませんでしたね。
A: 自滅だったよね。フランスの中盤のプレスの餌食になってしまった。ロナウジーニョのボールタッチ数が激減してしまった。結論としていえることは、イングランドもブラジルも伝統的な4-4-2をいじる必要はなかったということです。
N: どうして3バックではなく、4バックが主流になってしまったのでしょうか。3バックの権化とも言えるドイツまで4バックに変えてしまいましたからね。
A: 二つの意味があると思うね。まずフラットな守備ラインを形成したいこと、そしてサイド攻撃に対する防御対策だよ。
N: 敵が2トップの場合、2ストッパーでは不安になりますが・・・
A: 2ストッパーと2ボランチでしっかりとしたブロックを作っておくこと、さらにサイドバックのカバリング能力を高めることによって、2トップ対策は万全になる。
N: 日本はなぜ3バックでスタートしたのですか? 先生も日本は3バックのほうがいい、と主張されていましたが。
A: 4バックの場合、4人全員がストッパーを務めることができるような守備能力が必要なんだ。ザンブロッタをみてみなさいよ。ストッパーに入れと言われたら、その役をこなせるだけの能力がある。加えて、サイドバックにはサイド専門の守備能力とサイドアタッカーとしての攻撃能力も要求される。ザンブロッタはそのすべてを備えている。日本のアレックスと加治はどうかな? 4バックのサイドバックに必要などれだけの条件をクリアしているだろうか。
N: ストッパーとボランチにも問題がありました。
A: 合格点を与えられるのは中澤だけでしょ。宮本のマンマークは問題外、福西はスピードがない、中田英は上がりすぎて裏にスペースを作る。もっと早く稲本と中田浩を使って、中田英をトップ下に上げ、中村をベンチに下げるべきだった。
N: 日本の場合、中央のブロック4名、サイドの2名ともに大きな弱点を抱えていたということですね。
A: だから、カバリング専門のスィーパーを置かざるをえないんだ。3バック選択の所以です。
N: 1トップについては、どうお考えですか?
A: 大変な能力が要求されるよ。アンリでさえ、苦労しているだろ。前線のターゲットとなるポスト・プレー、ヘディングの強さ、得点能力に加えて、敵の攻撃の起点となる選手に対するプレスも必要だ。いちばん似合っているのは、メキシコのボルヘッティかな。
N: 日本が1トップを採用する場合、適切な人材がいませんが、どうしたらいいでしょうか?
A: イタリア型の1トップは無理だね。フランス型の4-2-3-1なら、4-3-3の変形なんだから、できないことはないでしょ。FC東京とか浦和レッズはこれに近いシステムをとっている。
N: 日本はどういう方向に進むべきなんでしょうか。
A: トーナメントに勝ち上がってきたチームをみればあきらかなように、まずは守備組織を整備しなければいけない。防御率2~3点台の現実を改善して、なんとか1点未満に抑えたい。決定力がないんだから、防御率を下げるしかないんだ。4バック2ボランチもしくは4バック3ボランチで強力な守備網を作ってほしい。
N: 1トップを採用すべきでしょうか?
A: だから、3トップに早変わりできるような1トップがいいと思うんだ。釜本以来の強力なセンターフォワードと、杉山以来のサイドアタックのスペシャリストを育てることが急務だと思います。 (続)

  1. 2006/07/08(土) 15:09:39|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

のびたインタビュー(ⅩⅩⅩⅦ)-ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 ご好評を博してまいりましたこのインタビューシリーズも、残すところわずかになってきました。あとは3位決定戦と決勝のみです。待ち遠しいようで、いつまでも大事にとっておきたい決勝戦だと思っています。

N: 先生、やはりフランスが勝ちました。
A: 流れがフランスに傾いていたね。
N: あまり動きのあるゲームではありませんでしたね。
A: ポルトガルの攻撃力が消されてしまった。ブラジルでさえ崩せないフランスのディフェンスをポルトガルが崩すのは難しいよね。1トップのパウレタが不調だった。後半途中から、思い切って2トップにしてもよかったんじゃないかな。
N: フランスのディフェンスはどこが良いのでしょうか?
A: グループ・ディフェンスで囲い込みが早い。ボランチのマケレレとヴィエラがもの凄く効いている、というぐらいしか答えられないね。正直、なんであんなに守備が固いのか、うまく説明できません。
N: イタリアの守備の固さとは異質ですね?
A: 前にも述べたとおりです。イタリアの守備は4-4-1-1の4-4が引いて鍵をかける。フランスは4-5-1の中盤の5人を中心にゾーンをコンパクトにしてプレスをかけ続ける。それにしても、フランスがあれほど失点しないのは不思議だ・・・・
N: イタリア対フランスの決勝ですが、率直なところ、どういう展開をお考えですか?
A: フランスもイタリアのカテナチオには苦しむでしょう。1点取れるかどうか。ジダンがとんでもないプレーをしない限り、そう簡単に点は取れない。
N: イタリアはフランスから点を取れるでしょうか?
A: フランスが1点とる可能性よりも、イタリアが1点取る可能性のほうがわずかに高いんじゃないかな。
N: また延長戦になるでしょうか?
A: 90分でケリがつくならフランスが有利、延長戦に突入したらイタリアが有利だろうけれど、PK戦になれば再びフランスが有利になると思う。
N: リッピ監督はどのようなゲームプランを考えているでしょうか?
A: ドイツ戦に近いプランだとは思うけどね。よくわからない。延長を見据えたプランであるのは間違いないでしょうね。延長で1点取って逃げ切る考えじゃないかな?
N: ジダンをおさえることができるでしょうか?
A: マンマークはつけないだろうけれど、囲い込みのグループ・ディフェンスで、なんとかパス成功率を低下させたいところだね。しかし、ジダンは囲い込みをすいすい抜いてしまうからな・・・・
N: ジダンには疲れもみえますが、フランスはどう攻めるでしょうか?
A: イタリアが守りに入ったらどうしようもないことを、ジダンもドメネク監督も分かっていると思うんだ。とすれば、イタリアが攻めに転じたときのカウンターがねらい目となるね。
N: イタリアが勝負をかけて来たときがフランスのチャンスでもある、ということですね。
A: 「あしたのジョー」のクロスカウンター、ダブルクロスカウンター、トリプルクロスカウンターみたいな状況が延長のある時間帯に発生するかもしれないね。
N: そこまでじっと耐えてみているしかないでしょうか?
A: イタリアが守りに入ってしまうと、どうしてもそういう展開になってしまうでしょう。
N: PK戦での決着もありえますよね。
A: そうなったら、フランスが勝つよ。ポルトガル戦でのジダンのPKをみたでしょ! キーパーが飛ぶ方向にシュートを打っている。打つ方向を読まれようが読まれまいが、関係ない。打てば入るのがジダンのPKだよ。
N: PK戦での決着にはしてほしくないですね。
A: 鍵を握るのは、やはりユベントスですよ。
N: リッピ監督とジダン、それから、・・・・
A: デル・ピエロが匂わないか? (続)

  1. 2006/07/07(金) 01:42:51|
  2. サッカー|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

古材バンク班の棚作り

 今日は、古材バンク班の取材をしました。
この班は、1300×750×200mmの4段の棚と700×700×200mmの3段の棚を作っています。今日は、棚を作るための古材を切っていました。どんな棚になるのか楽しみです。古材バンク班は週ごとに一つの棚を作ると言っていました。(Web班 M・T)

20060707004449.jpg

20060707004455.jpg




  1. 2006/07/06(木) 21:22:48|
  2. リサイクル|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

床下にもぐる女たち+男(Ⅴ)

20060707004410.jpg


 お久しぶりです。床下にもぐる女たちです。二週間ぶりの登場です。某Y先生が「今日で加藤家の実測終わらせようね」などとやんわり、しかし鋭く、私たちにプレッシャーをかけてきました。と、言うことで、今日で床下潜りを最後にしようと(少し)頑張りました。今日はいろり班も数人加藤家にやってきて、いろりを組んでいました。ちょっとだけ(人がいてやりにくいなぁ~・・・by部長)と思いつつ、まぁそんなことはお構いなしに、今日も私たちは潜りましたよ、はい。

20060707004403.jpg

 いろりを組んでいるH君を、部長が床下から懐中電灯で照らすと、「わっ、いた!」との反応。「いたとは何だ!」とやり返し、すぐさま地上へ帰還。そのまま、カメラを手に、いろりの人たちをカメラに収めました。H君は以前にも同様の反応をしていました。今日は、床下の写真を撮る必要がありましたが、ヒラはカメラを持っていないため、誰からか(Y先生とO君?)カメラを借りていました。床下はほこり、及び土が大量にあるため、人から借りた物を使うのは、非常に気がひけました。やっぱり、自分のデジカメが欲しい・・・と、思い直したヒラでした。
 今日はいろり班の人とおやつを囲む覚悟でしたが、何故かいろりの人たちはお菓子を見ることもなく、外へと出かけてしまいました。なので、いつものメンバー+A先生でおやつを囲んで食べました。今日はしょっぱいお菓子ばかりでした。結局、今日はあらかた見終わることができたので、まぁ大丈夫でしょう・・・きっと、Y先生があら捜しをするでしょうけど、ね。やっと床下から離れられると思うと嬉しい反面、ちょっと寂しい・・・と思う部長でした。(もう、疲れたからしばらくはいいよぅ・・・byヒラ)
 環境デザイン学科2年部長&ヒラがお送りしました☆

20060707004443.jpg

↑バールで板をはがすと双子になった柱がみつかりました。復原のための好資料です。

[床下にもぐる女たち+男(Ⅴ)]の続きを読む
  1. 2006/07/06(木) 21:10:03|
  2. 建築|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
次のページ

asa

06 | 2006/07 | 08
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Archives

Category

Links

Search

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。