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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

洞ノ原炎上(Ⅱ)

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 昨夜、面会終了時間ぎりぎりで奈良の病院にすべりこんだのだが、患者は3階エレベータ前ラウンジの長椅子に座って、わたしを待っていた。病室は4人部屋なので、面会時間を過ぎてざわついてはいけないから、予め部屋の外に出ておいたらしい。
 どこか元気がない。眠いのだという。前夜、午前3時に目が覚めて眠れなくなったから。目の下に隈ができている。で、わたしと娘に帰宅を促す。
 帰途、娘の運転する車中で、心配になった。
  「お母さん、変だね。元気がない・・・」
  「うん」
  「なんか3度目の出血のときと似てないか?」
  「うん、似てる」
  「病院に戻ろうか?」
  「いま帰っても、CTスキャンしてもらえるわけじゃないから、わからないよ」
  「CTスキャンは明日だって言ってたよな?」
  「うん」
  「ヤな予感がするな・・・」
  「病院に電話しておいたら?」
  「そうしておこう」
 とういうわけで、大衆食堂に入ったわたしたちは、その食堂からナース・ステーションに電話して、夜間は十分注意していただくようお願いした。
 
 で、今日はCTスキャンの結果を聞かされた。
 3度目の出血部分はすでに消えて、黒くなっていた。その10日以上前におこった2度目の出血の量はやはり相当多かったようで、いまだその全体にぼやっとした影を残している。しかし、それは限りなく黒に近いグレーに変色してきているから、このまま順調に経過すれば、あと1週間か10日で発症以前の状態に戻るであろうとのこと。
 とりあえず安堵した。ただし、右肩・右腕の痛みがとれない。これはもちろん右半身不随にともなう症状だが、じっくりリハビリと漢方薬で治していくしかない。

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 さて、昨日から妻木晩田を中心に時間が動き始めている。火災については、3枚の写真データが送られてきた。ここに転載しておこう。また、一人の若い技師から電話があった。以前、かれは妻木晩田の事務所で働いていたのだが、いまは別の現場で発掘調査をしている。かれは、いきなりわたしに謝罪した。
  「すいません。先生のブログを読んで、申し訳ないと思いました。あの修復をやったのはわたしです。」
  「えっ、そうだったん・・・」
  「農業用ポリフィルムが滑りやすくて、屋根の上のほうの土がずり落ちてきてしまうので、最初は上のほうからサシガヤしてたんですが、それでは足りなくなって、結局、土をある程度落として、上から茅を葺いたんです。」
  「だから、そういう仕事をするときに一言声をかけてくれればアイデアを提供できたんだよ・・・」

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 まず農業用のポリフィルムという防水シートがよく滑るのは間違いない(いまわたしはデュポンのハイテクシートを使っている)。それと、焼失した洞ノ原の第1号復原住居は、施工時に屋根勾配を間違えていて、設計図よりもはるかに急傾斜になっているから、さらに土が滑りやすい。こういう事情もあるので、若い技師の修復もやむを得ないところがあると思う。しかし、「仕方ない」で済まされないのも確かだ。なにぶん2年連続の火災なのだから、「管理」業務体制の欠陥を指摘されても仕方ないだろう。
 じつは、すでにそういうメールが届いている。メールの送信者は「危機管理意識の欠如」を強く訴え、怒っている。非常に強い口調で、事務所の体制を批判しているので驚いた(わたしは呆れてはいるが、怒ってはいない)。ネットで検索してみると、日本海新聞毎日新聞で報道されている。これは結構な騒動になっているのだな、と心配になり、鳥取在住の某マスコミ関係者に電話してみたところ、
  「世間的にはそう大きな騒ぎにはなっていませんが、まぁ、恥ずかしいでよね、2年連続なんだから」
とのコメント。たしかに、そのとおりだ。
 こういう火災騒動をめぐる情報が飛び交う一方で、わたしは昨晩から今後の整備事業の進め方について思案していたのだが、あるアイデアが浮かんだので、ボールを投げてみた。ちょっとした綱渡りになるかもしれないが、今年度の加藤家修復プロジェクトだって、綱渡りの連続だったのだから、賭けてみる手はあるかもしれない。

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 いちばん上の写真をみてください。今日の「倭文日誌」から転載したものですが、加藤家住宅主屋が再び姿をあらわしましたよ。鉄板屋根が立派だねぇ。ちょっと立派すぎて、軸部とのバランスが悪いぐらいだ。じつは、わたし個人は屋根下地面の防水処理をしっかりしておいて、古い屋根の錆びた鉄板をもういちど使いたかったのだけれど、反対意見が多く、まっさらの横一文字鈑金工事がおこなわれた。来年度はどうなることやら。

  1. 2007/03/09(金) 23:21:45|
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asa

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