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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

オオチ谷でのゼミ -こけら葺き替え

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 コケラ葺の葺き替えがみられる!!と、いうことで、重要文化財樗谿神社の唐門・拝殿及び幣殿の保存修復工事現場へ向かった。
 足場に架かった板の階段をあがり、建造物工事現場にある、あの緑の網の中をくぐって、神社の屋根を目線の高さで見る。修復作業中の建物をみるのは初めてではない。しかし、屋根内部の複雑な構造や、職人技でしか再現できないディテールなど、実に多くの見所があった。(・・・はずなのだが、実はわたしは、説明の半分も理解できずにいた。「豕叉首(いのこさす↓)」と聞いてキョトンとしたのは私だけだったの?)

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 雨漏りがひどかった樗谿神社拝殿の屋根は、野隅木が腐朽していたために周辺部材を解体したそうだ。昭和31年に一度修理され、また新たに「平成十九年」の焼印のある材が組み込まれていく。
 反比例の曲線みたいに弛んだチェーン→「縄弛み曲線」というらしい。このラインにそって葺き板を積み、屋根の傾斜が決まる。ここがきれいに保てるような仕掛けを考えたひとは、すごい。

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 ゼミ生それぞれが、「ここはどうなっているの?」「ああ、そうなっているんだ」なんて屋根の前で首をかしげたりしている中、黒い格好の身軽な方がヒョイと屋根にあがった。そしてちょいちょいとコケラ板を配置し、ストトンと竹釘を打っていった。はたから見るとしぜんな動きだが、自然な動きを自然な動きで真似する事ほど難しいことは無い。彼は20~30本の竹釘をくちに含み、すばやく手に受けてコケラ板へ打ちつける。はやい。
 ゼミ生も竹釘うちを体験させていただいたのだが、竹釘の配置の向き、打つ場所、道具の使い方などの確認をしても満足のいく結果にはならなかった。しかしこのような体験をする機会を与えてくださったことには感謝したい。

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 帰り際、口元がモゴモゴしているゼミ生たちがいた。竹釘打ち職人の「一ヶ月かけたら、釘の早打ちができるようになる」という言葉の影響なのだろうか。釘の早打ちのできる大学生なんていたら、めちゃくちゃカッコよいかもしれんね。(ハル)



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  1. 2007/05/18(金) 23:05:07|
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