猛暑の一日。大分では摂氏35度を記録したとか。
我が家のユスラウメは枝もたわわに真っ赤な実を稔らせていて、昨日は主人自ら実をもいだ。
そして、家内とイトーヨーカドーまで買い物に。イトーヨーカドー奈良店は、2000年に閉店した奈良そごうの施設を買い取って、2003年7月にオープンした。奈良そごうの敷地は、奈良時代に長屋王の邸宅があった場所である。いまから20年前、わたしは3年あまりの間、長屋王邸宅跡(平城京左京三条二坊一・二・七・八坪)の発掘調査に携わっていた。右も左も分からないころ。ただ先輩たちに言われるがまま土を掻いていた。
そういえば、次々週の「建築と都市の歴史」講義はテーマが「寝殿造」だから、その前史として長屋王邸宅に触れないわけにはいかない。いま振り返ると、結構悔やむんだな。長屋王邸正殿の平面はのちの紫宸殿の平面とそっくりでしてね。紫宸殿のような切り込み階段を四隅に設けて入母屋+落棟の屋根に復原するんだった。有名な藤原豊成板殿(藤原不比等の孫が紫香楽宮に営んだ別荘の一殿で、762年に石山寺に移築)も、この系列の平面をしていて、わたしは切り込み階段があったに違いないと思っている。

さてさて、イトーヨーカードに行くのは2度目のこと。要するに、めったに行かないんだが、家内には夕食の仕入れをしようと言って誤魔化し、じつは4階にある奈良県最大の楽器店「
島村楽器」に目をつけていた。こんなに大きな楽器店がイトーヨーカードに入っているなんて全然知らなかった。それを教えてくれたのは、
天理楽器の若き店長である。
Wikipediaの「そごう」の項目に、以下の強烈な文章を発見した。
なお、
奈良そごう(現・イトーヨーカドー奈良店)をはじめとする全支店フロア
には、巨大で絢爛豪華な会長室(
俗称:皇居。連絡口はバックヤード倉庫奥等に
巧妙に配置し、一般客には一切気付かせない仕組み。連絡用エレベーターも、
一般客向け開放エレベーターとは別個に設置されていた)があったといわれ、
このようなバブル経済期の遺産もそごうを苦しめた一つの原因と考えられる
(現在も
イトーヨーカ堂奈良店の楽器店のスタジオ、札幌エスタ(ビックカメラ
札幌店などが入居)のテーマパーク札幌ら~めん共和国として存在する)。
つまり、この楽器店はそごう全盛期に「皇居」と呼ばれた一画をスタジオとして取り込んでいるわけで、いかに広いか、これで十分想像できるでしょう?
ギターを5本試奏した。ヤイリ3本、モーリス1本、ヤマハ1本。やっぱり高い楽器は違いますね。このうちの1本とわたしの相性は抜群だった。田園町宿舎のフォーク・ギターや奈良自宅のエレガットでは、何度弾いてもおぼつかないフレーズが、ほとんどノーミスで弾きこなせてしまう。若い店員は「エレキなら弾けるんですが、そういうフィンガリングはできません。上手いですね・・・上手い・・」というリップサービスを連発する。
鳥取の楽器屋の店員は絶対にこういうおべんちゃらを言わない。関西の店ではおだてまくりだ。そんなことは百も承知なんだけれど、やっぱり根が馬鹿だから、調子にのって、買おうかとも思ったんだが、今日はぐっとこらえた。
ところで、なぜまたギターなのか、というと、みんな高価なギターをもっていることに気づいてしまい、少し恥ずかしくなってきたから。ホームページをみても凄まじいコレクションが並んでいるし、先週末にはある学生が20万円のマーチンをもっていると豪語してわたしを驚かせた(かれはなかなか良いオリジナル曲を聴かせてくれた)。一方、わたしは看病に疲れた心身を癒すためにギターを買ったのであって、ギターそのものに大きなこだわりをもってはいない。極端な話、練習できればよいのである。しかし、高価なギターを弾いてみると、普段ミスするフレーズがきちんと弾けてしまうではないか。
動揺しますね。
ちなみに、わたしが目をつけた1本について、店側は入手困難な機種であり、1円も負けられないという。
さて、どうしたものか・・・

↑イトーヨーカドーから帰ってきて、ベトナムのコーヒーで一休み。院生がお土産にくれた福隆(プックロン)公司の「MOKA」ブレンド。なかなか荒っぽい味だが、やはり濃いめに淹れてミルクをたっぷり注ぐと
我が家の味になる。ユスラウメの実は蜂蜜とあわせて食べたら最高! ブルーベリーに匹敵します。
- 2007/05/28(月) 00:31:56|
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