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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

11月7日の記者発表について(第3報)

 小沢代表(民主党)の辞任記者会見のおかげで、わたしたちの記者発表が吹き飛ばれそうな今日このごろですが、さきほど丁寧かつ長文のご質問を某メディアから頂戴し、その回答を書き終えたところです。結構、疲れましたね・・・
 さて、毎度同じことを前書きしなければなりません。11月7日(水)午後1時半からおこなう記者発表「青谷上寺地遺跡出土建築部材の調査研究で得られた知見について」に関する第3報をお届けしますが、報道の解禁は7日の記者発表後ですので、厳守!お願いします。

 今日は角柱についてお話します。
 8月の部材検討会では、2本の角柱が陳列されました。昨年話題を集めた「弥生時代最長の柱」をはじめとする丸柱は一般的に劣化が激しく、風蝕・腐食・炭化などで表面が黒ずんでいますが、角柱の保存状態は良好で、そのテクスチュア(表面仕上げ)の美しさに出席者からため息がこぼれるほどでした。
 陳列された角柱は以下の2本でした。いずれもネット上で公開されています。

  ・断面13×10.5cm 残存長323cm(弥生中期中葉~後葉)
  ・断面9×9cm、残存長207cm(弥生中期後葉)

 いずれの材も上端に輪薙込(わなぎこみ)の仕口を備えており、下側は切断されています。角柱の出土も全国的にきわめて珍しいものです。2005年に小矢部市教育委員会が刊行した『出土建築材資料集』をみても、上端に輪薙込をもつ角柱は4点しか報告されていません。最長のものは静岡県瀬名遺跡で出土した長さ359cmの材(弥生中期)ですが、断面をみると、15.5×5cmの板状の材であることが分かります。他の材の残存長は短いものばかりです。
 したがって、青谷上寺地で出土した2本の角柱は、本格的な正方形もしくは長方形の断面をもち、しかも上端に輪薙込仕口を備える日本有数の角柱と言うことができるでしょう。
 今回、これを大型建物の戸柱として位置づけることにしました。戸口は建物妻面の端間に設け、一方の戸柱となる隅柱を正方形断面、隅柱から1mほど離れた位置にたつもうひとつの戸柱を長方形断面にしました。寸法は出土部材のそれをそのまま採用したわけではありません。正方形断面の隅柱を大きく、他方の戸柱を小さくしています。
 じつは、この戸柱に複合しうる蹴放(ケハナシ)もしくはマグサとなる材を2点確認しています。扉板の下にある材をケハナシ、上にある材をマグサと言います。青谷のケハナシは完全な姿をとどめてるわけではありませんが、両端の角柱にはめ込む仕口をもっており、さらに扉板両側の方立(ほうだて)を納めるシャクリ溝や扉の軸受け穴も備えています。一般にケハナシやマグサは板状の材が多いのですが、青谷上寺地の材は縦長の長方形断面をしており、方立や軸の受け方も特殊なもので注目されます。このケハナシ、マグサが角柱と複合しているのはあきらかでして、今回の大型建物の復元に採用してみたのです。
 こういう戸口の復元は高床倉庫で何例か試みられてきましたが、平地土間式の大型建物ではなかなか採用するのが難しく、わたし自身これまでの復元では、突き上げ戸や取り外し戸で誤魔化してきました。今回は、幸運にも、角柱と戸口の材に恵まれ、本格的な片開戸が復元でき喜んでいます。(続)



  1. 2007/11/06(火) 01:03:53|
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asa

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