近鉄電車の吊革広告でフライデーの記事が目に飛び込んできた。
オシム「脳梗塞までの全苦悩と次期監督」
さっそくキオスクでフライデーを買った。こんな雑誌に380円も払うなんてバカバカしいと思いながら、鳥取では
テレビもまともに映らないし、新聞もとっていないから、情報が集まってこない。自然と手がのびてしまった。
記事の内容は、ほとんどオシムの症状とは関係なく、日本サッカー協会に対する批判に集中している。要約すれば、
Kキャプテンのワンマン独裁があまりにひどいため、さまざまな弊害が生まれていて、オシムもその渦に巻き込まれ、ストレスを溜めて脳梗塞をひきおこしたという筋書きなのだが、これはどう考えてもおかしな論理ではないか。Kキャプテンのワンマン独裁については、さまざまなメディアが伝えるところであって、おそらく事実なのであろうが、それが脳梗塞の主因であるという根拠はどこにもない。某私学を例にとるならば、たしかにF学長のワンマン独裁に辟易する教員が少なくなく、大学を辞めてしまった教員までいるのは事実だが、かりにワンマン体制に批判的な一部の教員が脳梗塞で倒れたとしても、その病因は過労であったり、生来の高血圧であったりする可能性はもちろんあるわけだから、必ずしも独裁体制によるストレス過多が原因とは言えないであろう。
オシムが脳梗塞で倒れ、病院に運ばれたのは今月16日のこと。わたしは講演の準備に追われていて、何も知らなかった。教えてくれたのは家内である。電話口で彼女はとても心配そうにしていた。
「わたしが人のこと言うのはおかしいけれど・・・」
「監督の続行は絶望的だな・・・」
「そうなの?」
「長島監督と同じ病気だよ、アテネ五輪を放棄しただろ。」
「・・・・」
講演の準備をしながら、1年前のことを時おり思い浮かべていた。
11月10日(金)の記者発表から
18日(土)の記念講演にかけての1週間のできごとである。
じつは今年も心配だった。「文化の日」前後の連休を奈良で過ごしたあと鳥取に戻り、
11月7日(水)の記者発表を迎えた。そして、記者発表の直前に
18日(日)の講演をお受けする決断をした。2度の週末を鳥取で過ごさなければならない。昨年も、「しばらく戻れないよ」と言って奈良を離れた直後に彼女は倒れてしまった。
前期は毎週奈良に帰っていたが、後期からいちどだけ隔週の帰省を試してみた。「隔週が限度だ」と心に決めていたところに講演の依頼があり、家内に相談すると「講演してあげて」と言う。
果たして、何もおこらなかった。いや、オシムが倒れた。まさか家内の代わりに倒れたわけでもあるまいが。
オシム監督の早期のご恢復を心よりお祈り申し上げます。
- 2007/11/24(土) 02:01:01|
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