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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

アコースティックでないアコギの世界(Ⅱ)

 というわけで、とうとう大晦日。ご存知のとおり?、わたしのバースデイでして、あちこちの営業用サイトから「ハッピー・バースディ!」なるメールが届いております。
 さきほどまで、家内と娘二人を誘い、押熊の「アスター」でお茶してきました(息子は受験勉強につき不参加)。ここはケーキ屋さん附属の喫茶店でしてケーキも美味しいが、紅茶がグッド! 今日はシナモン・ティーを飲んだんです。上品なニッキの味が濃いミルクティに馴染んで美味しかった。

 押熊と言えば天理楽器でしょ。「バースディ・プレゼント代だろっ!」って名目で、女房の口座に全額振り込まれたわたしのボーナスからちょっとだけ現金を奪い返し、いそいそと天理楽器に向かったんですが、すでに店仕舞いしてました。エフェクターを買おうとしたんですよ。アンプラグドにこだわりたいわたしではありますが、やはりこの1年の活動を通じて、アンプやエフェクターなしでは対抗できない側面が多々あることを痛感し、とりあえず1台購入してみようとしたんですが、大晦日で店は閉まっている。まぁいいや、正月に捲土重来!
 前報でのべたように、アンプラグドではないアコギの世界を知らされたわたしは、あれから2枚のDVDを購入しました。1枚は中川イサト『アローン』。わたしは中川イサトさんのファンです。五つの赤い風船のデビューアルバムで聞いた「遠い世界に」はじつに衝撃的でしたね。西岡たかしのオートハープも凄かったけど、そのバックでメトロノームのように的確なリズムを刻み続ける中川イサトの3フィンガーには驚きました。いま聴いても凄いと思うもん。あの程度の3フィンガーなら誰だってできると言えばできるんだけど、あれだけ正確無比にリズムとトーンを崩すことなく弾き続けるのは並大抵のことではありません。高田渡のバックをやるときのイサトさんも良いですよね。最近では武蔵野レビューも良かった。あの低音のボーカルがたまりませんよね。「シティ・オブ・ニューオリンズ」の日本語訳詞を早口で歌うところなんか抜群です。
 でも、『アローン』はいただけない。この音楽は駄目だ。とても「芸術」の域には達してません。とくに強烈な技術を感じるわけでもないし、メロディも和声もまだまだ。パーカッシブな演奏と言っても、なんてこたないですわね。まともに聴けたのは、ボーカル付きの2曲だけでした。ボーカルは凄くいい。弾き語りの達人だと思いました。そもそも中川イサトという音楽家は「芸術」よりも「芸能」寄りの人だと思うんですね。それが、ソロ・ギターになると、無理して「芸術」やろうとして滑ってる感じがします。
 もう1枚は岸部眞明『オープン・チューニング&フィンガー・ピッキング』。なにせ、練習会やったら3人に1人は岸部さんの曲を演るという時代ですからね。CDは1枚ももっていないけど、とりあえず教則DVDを取り寄せた次第です。なるほどね、これは人気がでるはずだ。中川イサトに比べると、岸部眞明の曲はメロディアスで和声の使い方も上手い。「花」なんて曲はJポップみたいな感じね。日本人の心性に訴えるでしょう。それとタブ譜がついてるんですが、「これなら弾ける」という自信を聴き手がもてますね。厳密にいうと、タッピングを駆使した「メガマウス」以外の曲ならアマチュアでも十分対応可能で、だからこそ、多くの人が岸部さんの曲に挑戦するのでしょう。
 タブは魔物ですよ。曲を創る側は大変ですが、いったんタブ譜にしてしまうと、素人でもその曲が弾けるようになってしまう。しかし、タブ譜に頼る素人はその曲の構造を把握できない。とくに変則チューニングの場合、自分が押さえているフレットの音が何なのか理解できないまま弾いていることがままあるでしょう。わたしがクラッシクギターを学び始めて、いちばん良かったと思うのはタブのない楽譜でギターを弾くようになったことです。おかげで、自分が押さえている指盤の音が何なんだか分かるようになってきましたからね。

 さてさて、中川イサトも岸部眞明も、アコースティック・ギターにアンプをつけている。岸部は自分の使っているエフェクターの機種まで紹介しています。リバーブをかけるんだそうです。かれらは小さな会場であろうと、大きな会場であろうとエフェクターやアンプを使う。だから、厳密にいえば、かれらのギターはアコースティック・ギター(生ギター)ではないですよね。マイケル・ヘッジスがアコースティック・ギターに革命をもたらしたというけれど、その革命っていうのはエフェクターやアンプを抜きにしてはありえないものでしょう。そもそも、タッピング系の技術はエレキ・ギターやエレキ・ベースの技術を生ギターに応用したものですからね。右手と左手を両方使ってギターを弾くったって、ジャズギターのスタンリー・ジョーダンが始めたものだしねぇ。
 だから、アコギの「芸術」が存在するとすれば、それはエレクトリック・アコースティック・ギターの「芸術」なわけで、ここに踏み入っていくべきかどうか、個人的には悩んでいます。でも、まぁ食わず嫌いはいけない。てことで、エフェクターを購入しようと思うに至ったわけです。
 わたしはやはりギターの生音を大切にする演奏をめざしたい。しかし、これにはたくさんの矛盾があって、みんな苦しんでいるわけです。その矛盾については新年に。
 では、みなさん、よいお年を!


  1. 2007/12/31(月) 16:46:38|
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asa

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