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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

京・近江の古建築を訪ねて(Ⅳ)

1日目、2日目のように上手く言えませんが、3日目の最終日はヒラが担当します。
気合入れて・・・さぁ3日目は滋賀祭りだっ!

 研修旅行3日目は三井寺・光浄院→勧学院(大津市園城寺町)→日吉大社周辺(大津市坂本)→記恩寺庭園・蘆花浅水荘(大津市中庄)で、旅の終わりとなりました。

三井寺
 まず最初に行った三井寺は天台寺門宗の総本山で、古くから日本四箇大寺の一つに数えられているそう。そのうち私たちが行ったところは光浄院と勧学院でした。両者の客殿は国宝となっているのですが、それは寝殿造から書院造へと変わっていく流れのまさにそのときに作られた遺構であり、大変貴重なものだからです。そんな時代に建立されたものなので、床や違い棚などの初期の書院造であると見て取れる部分や、妻戸や蔀戸や舞良戸などの寝殿造を残している部分がありました。また、それぞれ客殿以外にも貴重な文化価値のあるものがあり、光浄院は庭園が名勝・史跡に、両者の狩野派によって描かれた障壁画は重要文化財となっています。

三井寺光浄院
 光浄院の客殿の形式は初期の書院造といえるもので、桁行7間、梁間6間、柱は全て面取りした角柱で総コケラ葺きの入母屋造。上座の間の床貼付(障壁画)には狩野派の絵師・狩野山楽の筆による絵があるのですが、これはもしかしたらぐるりと360度上座の間を絵が囲んでいたかもしれないそうです。もしそうだったとしたら・・・大変迫力のある間だったことでしょう。
 しかし!この光浄院の魅力は建物だけではありません!ここには名勝・史跡に指定されるほどのすばらしい庭園があります。それは客殿の南面に位置する鑑賞式池泉なのですが、他の庭園とは一つ異なる点があります。それはもともと泉が湧いていたところを庭にして、そこに合わせて建物を作ったという点です。そのため庭を最も美しく見られるよう、縁には目線を遮る柱がたったの1本もありません。構造上明らかに何本かは必要であるように感じるのですが・・・。この絶妙なバランスを保っている姿はその場にいた学生のみならず、見た者全てに驚きを与えました。その点がこの庭を高く評価されているポイントでもあるそうです。

三井寺勧学院
 勧学院とは、学を勧めるところ、つまり三井寺内の学問所であったそうです。僧正はここに学衆をおいて、日々『三大部』(摩訶止観・法華文句・法華玄義)を講釈したそう。現在の勧学院客殿は豊臣秀頼の命を受けた毛利輝元によって、慶長5年に再建されたものです。つくりは桁行7間、梁間7間、正面軒唐破風付の総コケラ葺きの一重入母屋造、と光浄院に結構似たつくりで、内部は三列八室よりなっています。そのうち一之間と二之間には金地か素地著色画、その他三つの間には墨画の襖が並んでいました。一之間と二之間の著色画は狩野永徳の嫡男である光信によって描かれており、重要文化財に指定されています。この絵は金箔の下地に描かれたものなので、光の入る具合によって変化する絵の表情を楽しむことができます。光が当たってキラキラしている様もよかったですが、個人的には、光が入りだしたとき・消えだしたときの一瞬の変化が気に入りました。(他の水墨画は未指定ではあるものの、いずれも狩野派によるもの)

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日吉大社周辺
 本来は日吉大社に行く予定でしたが、都合により変更して大社周辺の街並みを見てまわりました。ここの辺りは石垣の中に樹木が植えられているという、少々特殊な石垣だそうです。正面の先の琵琶湖を眺めつつ、暖かい日差しを浴びながら、しばしのんびりとした散歩となりました。

記恩寺庭園・蘆花浅水荘
 そして、この旅行最後の訪門先・蘆花浅水荘。ここは絵師・山元春挙が生まれ故郷に別荘を建てたいと思い立ち、大正10年にできた建造物です。(その後大正12年に画室を増築)書院造に茶室を点在させ、数寄屋つくりを基調とする洗練された手法で建てられたのですが、実は2階は外観と異なって洋風となっており、1階の数奇屋との対照的なつくりを楽しむことができます。また建物と同じくらいの広さを持つ庭の真ん中辺りに小さな石垣があるのですが、それは以前その場所まで湖であったことを示しているんだとか・・・。その面(琵琶湖側)の縁の天井は船形天井になっているので、縁から琵琶湖を眺める様は、船に乗っているかのように感じられたことでしょう。
2日目の茶室に部長が大興奮したというのなら、私は3日目のこの建物に大興奮でした。なぜならそれはここが「迷路」っぽく感じたからです。2ヶ所入り口がある部屋が多く、廊下や縁がそのまわりを囲んでいることから「あれ、そっちからも来れるの?あぁその廊下を通って?」という場面が何度かありました。迷子になる家、普通に生活するにはマイナスポイントだらけかもしれませんが、私の密かな憧れでもあります。

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 この研修旅行を通して今まで写真でしか見たことがない、聞いたこともない建築物を多く見ることができました。そして直に見ながらの解説だったので、より分かりやすかったです。また同じものを学んでいる仲間と行けたことで、それぞれお互いに感じた意見を言い合ったりするなど、とにかく貴重な体験のできた3日間でした。(ヒラ)


  1. 2008/02/24(日) 21:32:45|
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asa

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