
みんぱくから、『深奥的中国 -少数民族の暮らしと工芸』展の図録が送られてきました。なぜ送られてきたのかというと、わたしが短いコラムを書いたから。以下のコラムです。
Column 1 浅川滋男「アジアの縮図 -中国少数民族の住まい」(図録p.30-31)
いきなり恥ずかしい話ですが、さっそく誤植を2ヶ所発見しました。とほほ・・・ 正誤関係を示しておきます。
★31頁中段 上から5行目 (誤) の家が通年住居化と理解している。
(正) の家が通年住居化としたものと理解している。
★★31頁 写真キャプション 図8と図9のキャプションが入れ替わっています。
なお、この原稿をどこかでみたとご記憶の方は、
こちら をクリックしてください。
『深奥的中国』展はすでに始まっています。開期は本年3月13日~6月3日。会場はもちろん国立民族学博物館です。なんとか見に行きたいものですね!
図録の書籍情報を記載しておきます。
編集: 国立民族学博物館(塚田・横山)
発行所: 東方出版株式会社
印刷: 日本写真印刷株式会社
発行年: 2008年3月12日
ISBN978-4-86249-108-4
価格: 2000円(+税)
- 2008/04/04(金) 07:30:16|
- 文化史・民族学|
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分身の術 殺気をおびた影は、舌右衛門と伸太と利蔵の3人を囲むように、急速に旋回しはじめた。そして、7人の忍びがあらわれた。7人の忍びはおなじ顔、おなじ装束をしている。その忍びはゆるりゆるりと平行移動しながら、いまにも3人に斬りかからんとしているが、7人の構えはみな違っていた。隙がない。
「幻術じゃ、幻術に惑わされるな!」と舌右衛門が叫んだ。
「分身の術でございますな」と利蔵。
「どれが本物の忍びでございましょう?」と伸太。
「あわてるな、伸太、花火をあげい!」
伸太は「忍法パラシュート!」と小声で呻き、ぼ~んと何かを空に打ち上げた。空から小さなパラシュートがいくつか落ちてくる。パラシュートには花火が吊されており、火の粉をあたりに撒き散らした。境内が一瞬あかるくなり、7人の忍びを照らし出した。
「そこじゃ!」と舌右衛門は太刀を一閃。
忍びは地面に倒れ込み、その腹に利蔵の投げた十字手裏剣がくいこんだ。すでに6人の幻影は消えている。伸太が訊ねた。
「殿、どうして本物の忍びがお分かりになったのですか?」
「影がみえた。他の6人は火に照らされても、影ができなんだ」
利蔵が覆面をはいだとき、忍びはすでに舌を噛みきり、死んでいた。
「殿、この顔に見覚えは?」
「ない」
「どこの忍びでございましょうか?」
「あの術はな、『飛騨の忍者赤影』にでてくる霞谷七人衆の術によく似ておったぞ」
「甲賀者でございますか?」
「傀儡甚内の術にも似ていたが、甚内は人形で分身を操るゆえ、むしろ夢堂典膳のおぼろ分身に近い技ではないかの。いずれにしても、甲賀者であろう」
「すでに殿への密命が敵方に漏れているということでございましょうか」
「そうとしか考えられんな・・・」
「この死体、いかがいたしましょう」
「捨て置け。仲間が始末するであろう。境内のどこかにまだ一人二人、忍んでおるかもしれんぞ。」
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- 2008/04/04(金) 00:02:41|
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