

常呂の埋蔵文化財センター収蔵庫で、樺太アイヌの板船をみせていただいた。担当官もわたしも、オホーツク文化住居の六角形平面を
舟のメタファ(暗喩)だととらえており、担当官は樺太アイヌの板船を前にして、オホーツク文化の船もこういうタイプじゃなかったかという。
わたしは少し細長すぎるな、と思いながら、板船の上に載せてあった弦楽器に目が釘付けになった。トンコリと呼ばれる樺太アイヌの五弦琴である。北海道では、常呂に限らず、各地の博物館でトンコリの制作や演奏の講習会がしばしば開かれており、すでにトンコリを取り入れたバンドまで出現している。担当官自身、制作も演奏もできるというのだ。
トンコリのボディは女体を象っている。すなわち、女のメタファだ。わたしの記憶が正しいならば、昔むかし、樺太アイヌのある女性の死を悼んで、残された家族がその体を模して制作したことに起源するという伝承が残っているはずだ。各部位の名称は人体になぞらえている。その点、ギターのヘッド(頭)やネック(首)も同じだが、トンコリの場合、「頭」や「首」だけでなく、弦巻を「耳」、ボディ先端の尖った部位は「足」、足にある弦の付け根は動物の毛皮を貼り付け「陰毛」と呼び、その裏側を「尻」と呼ぶ。さらに、ボディの中心には「へそ」という閃光形の穴があいていて、そこにラマトフ(魂)と呼ばれるガラス玉を入れる。
うまくいけば、近い将来、試作されたトンコリ1台と演奏のためのDVDが手に入るかもしれない。まぁ、期待しないで待っておきましょう。
もし、わたしの手元にトンコリが届いた場合、六弦倶楽部の練習会で披露する機会もあるかもしれませんね。ちなみに、代表的な調弦はFCGDAとのことです。
- 2008/09/07(日) 00:09:19|
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