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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

クメールの海

プロンクラムからみたトンレサップ

 5日の夜、ハノイ空港を飛びたったVN便がシェムレアップに着陸する直前、窓外に黒い海がみえた。恐怖を覚えるような迫力がある。その周辺にはひろい範囲に湿原が確認され、その湿原に建物のようなシルエットが映しだされているのだが、灯りはみえない。
 シェムレアップは大変りしていた。なにより空港が新しくなっている。あれは6年前になるのだろうか、はじめてシェムレアップ空港に降り立ったとき、手荷物受け取り場でスーツケースがあらわれず、いったんホテルにチェックインした後、連絡を待って翌日スーツケースを取りに行った。いまはもうそんなトラブルがありえないような(実際にはありえるだろうが)新しい施設が出現し、おびただしい数の役人がそこにいた。
 タクシー代も高くなった。5年前は1日キープしても20ドルだったが、今回は40ドル。それでも安い方だとジャイアンは言う。ジャイアンとは某院生くんのことではない。シェムレアップにおいては、わたしたちのタクシードライバーが自ら「ジャイアンと呼んでくれ」と言うのだ。以前、日本人を案内したとき「ジャイアンに似ている」と言われたので、以来、ニックネームにしてしまったらしい。たしかによく似ている。

アンコール・パス 9月6日(土)。まずはアンコール遺跡群のパスを買いにいった。3日間で一人40ドル。その場で顔写真を撮影し、写真データをパスにプリントするシステムを採用している。その後、今回の目的地であるトンレサップ湖へ。今度は船のチケットを買わなければならない。5年前、埠頭に着くと、何人もの船頭が声をかけてきた。船代はたしか10ドルだったと記憶する。いまは船を政府が管理するようになっている。なんでも船遊びで死人がでたからだとか。そのオフィスに行って驚いた。船代は1時間半なら一人30ドル。2時間だと一人40ドル。ドル紙幣が飛ぶように財布から消えていく。不安になってきた。
 まず、プロンクロムに登った。トンレサップの湖畔に聳える山の頂にある寺院跡。この寺院跡もまた世界遺産アンコール遺跡群のひとつであり、パスをもっていないと上にあがれない。寺院跡にももちろん興味はあるが、この山を最初の訪問地にしたのはトンレサップ湖を俯瞰したかったからである。プロンクロムの麓に、チョンクニアスという水上の大集落がある。

増水02祠 トンレサップは東南アジア最大の淡水湖だ。しかし、その面積は一定しない。乾期と雨期で水位が増減する。水位の差は最大10mに達すると言われる。いまは増水期に入っている。チョンクニアスでは、すでに沖合の道路は水に沈み、樹木は梢を残して水没している。梢のまわりにホテイアオイが群生している。ベトナムでは薄紫の花を咲かせていたが、こちらのホテイアオイは開花期ではないようだ。ベトナムや日本のそれとは違って、格段と茎が太く、食用の重要な栽培植物だという。
 船にのって遊覧し、すぐに気がついた。家船が減っている。5年前には、家船と筏住居が半々で、沖合に近くなればなるほど家船が増えていった。原始的な苫編みの屋根を被せる素朴な家船から、舳先と艫に板を張り出して面積をひろくする改造型の家船までいくつかのタイプの家船を確認できた。それで論文を1本書いたのだが、いまはところどころに改造型の家船をみる程度で、あとはすべて筏住居になっている。

 筏住居群001 蛇と遊ぶ少年 樽にのる少女



 

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  1. 2008/09/09(火) 00:16:46|
  2. 景観|
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asa

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