「幻の大根」を復元! 今日(23日)は、八頭郡智頭町の板井原という集落に行きました。大学からその集落まで、40~50分くらいかかりました。智頭宿から板井原へ行くまでの道がとても急な上り坂で、カーブも多かったです。すごく山の中に入っていく気がしました。杉の木がたくさん生えていたのが、とても印象的でした。トンネルができるまでは孤立していたそうなので、それで伝統的な景観が保たれているのだと思います。ここは平成13年に県選定伝統的建造物群保存地区となり、県の選定は全国でここだけだそうで す。

板井原集落は、周囲の山々にすっぽりと沈み込んでいるのが特徴で、日本の山村集落の原風景を残しています。平家落人の隠れ里として伝えられていて、昭和の時代にタイムスリップしたようでした。茅葺屋根の家もありました。家の中にも入ってみたかったです。大部分の建物が、50年以上も経過しており、中には約270年経過した建物も残っているそうです。建物はあるけれど、人が住んでいるのかは分からなかったです。屋根の上や木の上にあった藁縄のリングが気になりました。どの家にも薪が置いてあったので、五右衛門風呂などに使われていると思います。夏は涼しくて過ごしやすいようですが、冬になると豪雪で動けなくなるので、下の町に降りる人が多いそうです。冬には、2世帯程度になるそうです。高齢者の方が多いようなので、農作業など大変だと思いました。
家の周りには畑があり、大根や白菜など野菜が栽培されていました。そこの大根は「板井原大根」と呼ばれ、成長しても小さく、漬物にするとおいしいそうです。「板井原ごうこ」というお土産品として、喫茶店でも売られていました。昭和35年頃までは山焼きをした土地で栽培されていたそうですが、それ以後はなくなってしまったそうです。しかし、食文化も復元保存しようという気運が高まり、40年ぶりに幻の大根になっていた伝統的な野菜を復活させ、昔ながらの大根を生産することができるようになりました。花も植えられていて、少し先に行くと田んぼもありました。食べ物は自給自足の生活のようでした。家や畑の近くに稲木という野菜などを干しておくためのものがありました。


この集落は、伝統的な焼き畑と定畑、水田稲作の合間に、山仕事、養蚕、炭焼きといったものが主な暮らしだったそうです。炭焼き体験施設や水車小屋がありました。周りの山には、智頭杉が植林されていて、今も植林が続けられているそうです。本当に緑の豊かなところだと思いました。それに、川の水がとても澄んでいてきれいでした。野菜やお米もきっと美味しく作れると思います。川に降りるための石段があったり、家の近くに水路があったりしたので、洗濯や野菜を洗うことに利用していると思います。水がきれいなので、植物だけでなく動物にとっても、住みやすい所だと思いました。歩いている途中でカニを3匹発見しました。
帰り道では、赤波川を見て帰りました。岩に甌穴という穴が開いていました。暗くてよく見えなかったのが残念でした。滝があり、水の力でこのような景観になるなんてすごいなと思いました。
最後に、喫茶店「野土香」で飲み物をご馳走していただき、ありがとうございました。先生、とっても美味しかったです。ごちそうさまでした。
先輩方にもいろいろな説明をしていただいて、ありがとうございました。私は鳥取のことはあまり知らないので、どこかに出かけたり、話を聞いたりすることがとても楽しいです。これからもいろいろな話を聞かせてください。よろしくお願いします。今日は、お疲れ様でした。(環境政策学科1年N.Y)
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- 2008/10/25(土) 00:45:00|
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