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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

孤独なサッカー(Ⅲ)

 奈良で過ごした週末の夕方、いつものように、4号球をもって近隣公園に行った。キャッチボールやサッカーの練習をする子どもたちがすでに何人かいた。わたしはいつもの場所で、キックボード落としゲームを始めた。初めは上手くいっていたのだが、最後にど真ん中の「5」が残って、なかなか蹴り落とせなかった。インフロントにひっかけて強く打ち、なんとか「5」を打ち落とすまで数回シュートを繰り返した。調子はよくない。体がなまっているので、グラウンドを走ることにした。1周めを終えたあたりで、背面から大きな声がした。

  「すいませ~ん」

と少年がわたしを呼んでいる。なんだろうと思って、振りかえると、少年は、

  「サッカー、教えてください」

と言葉を続けた。

 その少年は朱雀FCに所属しているのだと言った。3人兄妹で、たぶん長男のおにいちゃんが小6か中1、真ん中のカナちゃんが小4前後、末っ子のショウタ君が小2前後ぐらいだろう。さっそく、「鳥かご」をすることになった。ツータッチまでという規則におにいちゃんは慣れているが、ショウタ君は慣れていない。カナちゃんは女の子なのでタッチの回数は何度でもよいことにした。ショウタ君はどうしても3タッチ、4タッチまでいって、しょっちゅうオニ(ディフェンス)になる。お姉ちゃんもなかなかうまくパスが通らない。そうこうしているうちに、おにいちゃんの蹴ったボールがカナちゃんのみぞおちにあたった。カナちゃんはベソをかいた。

   「カナは休んどり・・・」

とおにいちゃんは優しく声をかけた。練習は、トライアングル・パスに変わった。ショウタくんが2タッチまでにボールを離せないのは、トラップの方向がわるいからだ。

  「ボールを止めるとき、ボールの出し手の方をむいたままトラップしては
   いけないよ。次にパスをだす相手の方向に体を回転させてからボールを
   とめて、そのままパスを出すんだよ」

と指示した。サッカーでもっとも重要な技術はトラップだ。ボールを止めた瞬間、選手はどれだけひろい視野をもっているのか、つまり、どれだけパスをだす受け手とオープンスペースを瞬時に認知しているのかで戦況が決する。良い選手は、猫背にならない。いつでも背筋がピンと立っていて、360°の状況を知ろうとしている。ベッケンバウアーやマラドーナの姿勢を思い浮かべていただきたい。


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  1. 2009/06/05(金) 00:07:06|
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