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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

納戸にコアを作る-構造補強(Ⅰ)

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↑納戸構造補強前

 12月23日より加藤家住宅構造補強の工事が始まった。
 そもそも、なぜ構造補強が必要となったのかというと、建物自体の癖によって軸組が修理前と同じ反時計回りの回転を少しずつ始めたためだ。構造補強を施さなければ、今後一層回転が進み、柱の傾斜がひどくなる可能性が大きい。今年調整しなおした建具がまた使えなくなる状況がおきくると予想される。
 この問題については、2006年修理工事の段階から問題化しており、土間側には補強柱を1本立てて四角い「コア」構造を作り、変形をとめることに成功した。しかし、反対の座敷側は意匠上重要なスペースであり、安易に構造補強してしまうと空間の質をおとしめてしまうと危惧され、手つかずの状態だったのである。第2回公開ワークショップにおけるプロ・グループの課題は、座敷側の構造補強をどうするか、に焦点がしぼられていた。ワークショップでは文建協の安田主任技師から積極的な提案をうけた。やはり座敷側にコアを設けると、室内外の景観を損なうので、表側は現状のままとし、背面の納戸に隠れたコアを作ろうという絶妙のアイデアが提示されたのだ。もちろん、構造補強もローコストでおこなわなければならない。そのため、構造用合板(厚いベニヤ板)を用いて箱状の構造物を作ることになった。もともと納戸は改変が大きく、古材の残りもよくないので、新しい梁材の下に柱を立てて西側半間と南側一間に合板をはめる。西側の敷居境には半柱をたて横桟でつないで、その両側に合板をうちつける。南側は古い柱とつないで同じ方法で合板をはめていく。いずれも立派な耐震壁である。さらに西側の両開き障子は敷居を廊下側に出して目隠しとし、その内側半間は同じ合板壁にする。これも耐震壁である。こうして壁の面積を増やして水平剛性を高め、これ以上軸部の変形が進むのを防ごうという考え方である。
 なお、構造補強すると、視覚的なマイナス要素となると思われるかもしれないが、廊下側からは障子と木舞壁しかみえない。補強前とまったく景観が変わらないのである。内側は居住スペースに凹みができるが、その凹み部分はじつは押し入れ風の収納スペースとなっているので一石二鳥の効果がある。

 12月22日には先生を交えて、池田住建さんと最終の打ち合わせをした。構造用合板は部屋側を真壁にし、押入れとなる面は、大壁にすることになった。現在、木舞壁となっている部屋の角の壁は構造用合板で内壁部分を覆うことにした。そうすることでより構造的な強度が得られる。南側の障子は廊下側に新たに敷居・鴨居を作り、壁の外側に障子を納める。敷居は現在あるものをずらすことにしたが、鴨居は新たに付け足すことになりそうだ。

P1050379.jpg 12月23日は部材の表面を何種類ものカンナを使って削り、寸法を合わせることから始まった。余談だが、ヒノキや杉の削りカスなどが大量に出たので、袋に取っておきイロリ・カマドの燃料として保存する。この日は他にも残っていた板間中央の建具の正や裏木戸の指導などをしていただいたので、半日の作業となってしまった。翌日の準備にほとんどの時間を費やした。


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  1. 2009/12/28(月) 00:32:04|
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asa

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