FC2ブログ

Lablog

鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩⅥ)

IMG_0997.jpg


大詰めの断面調査

 10月14日(木)。プロジェクト研究2「歩け、あるけ、アルケオロジー」の日ですが、1年生は大学でⅠ区調査のためのミーティングをしたのは、すでにお伝えしたとおりです。結果、現場はいつもと変わらぬメンバーが作業しました。

 午前中は新たに掘り下げる箇所として、13日に設定した「B区長形大土抗集石遺構縦断トレンチ」を掘り下げていきました。長形大土抗からB区集石に向かって、凝灰岩盤を追って掘り進めていき、岩盤の広がりを確認していくと、1mほど掘り進んだところで岩盤が途切れているように確認できたのですが、午後にナオキさんが引き継いで掘り下げたところ、凝灰岩盤は集石遺構の手前まで伸びていることが判明(写真↓)。岩盤の表面は平坦ではなくゴツゴツしていますが、さらに伸びている可能性があります。次回からトレンチを広げて、岩盤の面的な広がりを確認する予定です。集石遺構内の上端にわずかに残るタタキは重要な証拠であるため、今後どのように掘り進んでいくか慎重に考えなくてはなりません。
 上の作業と併行して、断面の線引きをおこなっていきました。A区L字トレンチの深掘り部分はまだ残りがあるものの西側の線引きを済ませ、午後から作図に移行しました。さて、前回明らかになった、すり鉢状土抗下層の層井戸の掘り下げと線引きは先生が自らおこないました。深掘りした箇所の中央には炭化した井戸の枠板痕跡が確認でき、その外側の掘形となる土層は斜めの方向、井戸枠内は下層廃絶後の埋土が水平に堆積していることが分かり、こちらも午後から学生が作図しました。

B区集石まで伸びる岩盤


 午後からはプロジェクト研究4「はるかなまち倉吉の町並み探索」があるため、先生と倉吉の調査に関係する学生は下山し、車で倉吉に向かいました。残った学生は、断面の注記に向け、断面作図に移行することになりました。どんべえさんが線引きしたA区の「炭入土抗」と「礎石落とし穴」の作図を部長さんが担当し、「A区L字トレンチ深掘り」は東側の掘り下げが残っているため、西側の作図をおこなっていきました。また午前中に先生が線引きされたA区の「下層井戸」の作図を轟、「D区東側深堀トレンチ」をエアポートさんが担当し、注記の準備が整いました。
 その間ナオキさんは、Ⅲ区の樹根を取り除く作業をおこない、次回には平面実測をおこなうことが可能となりました。(轟)

炭入土抗断面 礎石落穴断面
↑炭入土抗断面           ↑礎石落穴断面


  1. 2010/10/19(火) 22:20:24|
  2. 史跡|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

河本家住宅重要文化財答申記念講演のお知らせ

 琴浦町箆津(のつ)の河本家住宅が重要文化財になることが決まりました。正式には「国の文化審議会が文部科学相に答申した」と書かなければならないようですが、なにぶん国の官僚のお仕事ですので「指定が決まった」と書いても、なんら問題ないでしょう。詳細は一番下の新聞記事をご参照ください。
 河本家住宅の建造物に関しては、1期生のタクオ君(現M1)が2004年度の卒業論文とし、2期生のM社長がそれを編集して『河本家住宅 建造物調査報告』(2005)として刊行しています。まっ、自慢じゃありませんが、この報告書が重要文化財指定のための下準備であったわけです。わたしの記憶が正しいなら、たしか2期生が4年生だった2005年の11月に河本家の公開にあわせて講演をさせていただいています。そして、今年の公開(11月3日~7日)でもまた講演させていただくことになりました。
 河本家住宅は主屋が貞享5年(1688)の上棟と知られており、それは棟札の記載によるものですが、ほかにも客間や土蔵のすべてに棟札が残っており、敷地内のほぼ全ての建築の年代を知ることができます。こんな民家は滅多にありません。また、客間の欄間の意匠が突出して素晴らしいものであることもよく知られています。前回の講演時点ではまだ報告書ができていなくて、講演のあとに聴衆のみなさんと一緒に納屋にあがって棟札を外し、皆が胸躍らせて棟札の裏側をみたりしました。今年の講演は、少し見方を変えて、日本民家をひろく見渡しながら、河本家住宅の特徴をお話ししようと思います。とくに、中国山地周辺に分布する「ヒロマ型三間取り」に焦点をあてて、その住居史的位置づけを試みる予定です。もちろん河本家の主屋も「ヒロマ型三間取り」です。新聞記事には、ありきたいな演題がついているので、ここでもう少し洒落たタイトルに変えておきましょうかね。
 以下、日時等です。

  日時  2010年11月4日(木)午後3時~
  会場  河本家住宅
  講演者 浅川滋男
  演題  河本家住宅の建築 -ヒロマ型三間取りの問題を中心に-

 じつは、前日の3日(水=文化の日)に六弦倶楽部の練習会が今年も「米子水鳥公園」で開催されることになっていて、ちょっと心配しています。参加するつもりではおりますが、新しい曲を披露する余裕などないので、いつものナンバーでお茶を濁すしかないでしょうね。移動はどうするかな??

河本家重文指定(朝日) ところで、上の新聞記事には、倉吉の新町・西町・西仲町を重伝建地区に追加選定するよう答申されたことも伝えています。こちらは「本町通りアーケード商店街」に係わるモリさんの2006年度卒業論文で調査した地区であり、それをハルさんとトマトさんが編集して『ふるきかぜ あたらしきかぜ』という報告書(2007)にしたものです。そして、今またきっかわさんと武蔵くんが谷口ジローを媒介として、新しい研究テーマに取り組んでいる地区でもあります。二人の研究課題は、重伝建の理念とは対立する部分もありますが、文化庁の考えがすべて正しいわけじゃありませんから、堂々とオリジナリティの高い研究に仕上げてもらいたいですね。明日もまた調査に行くそうです。
 がんばれ、がんばれ!

  1. 2010/10/19(火) 00:59:38|
  2. 講演・研究会|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

asa

09 | 2010/10 | 11
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Archives

Category

Links

Search