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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

上海里弄(Ⅷ)

02泰康路03イタリア38の01


守白ART

 ベトナム料理の店をでて、対面のギャラリーに足を踏み入れた。そこは、李守白という画家の絵だけを集めたギャラリーで、わたしの触覚をひどく刺激した。テーマは「里弄」そのものであり、石庫門住宅や路地の風景、あるいはそこで生活する女たちを描く絵が何種類も展示してある。生真面目を絵に描いたような女性店員が、わたしに寄り添って細かな説明をしてくれる。キャンバスに描かれた、肌も露わな女性たちはみな画家の「情婦」であると、かぼそい声で彼女は言った。「情婦」とは愛人のことである。ややこしいことに、中国語で「愛人」と書くと「妻」の意になる。ただし、これは中国共産党政権誕生後にできた言葉で、生活用語としての「家内」「奥さん」は「太々(タイタイ)」もしくは「老婆(ラオポー)」という。「情婦」のことをふざけて「小老婆(シャオラオポー)」と呼ぶこともある。

02泰康路05ギャラリ03
 この画家の絵をとても気に入った。ただ、一軒目のギャラリーだったので即買いは控え、路地歩きを進めることにした。迷路のような「弄」をうろうろしていると、いつしか家屋番号18の店に行き着き、中をのぞいたところで、さきほどの初老オーナーがまたあらわれた。互いに軽く自己紹介をした。かれは台湾の投資家で、すでに8つの店舗を田子坊に構えている。相当なやり手のようだ。
 そこで、

   「一店舗、売ってくれませんか?」

とお願いしたら、

   「本気なの!?」

と驚いた顔をした。「えぇ。本気ですよ。お金はあります(本当はないけど)」と真顔で答えると、

   「それじゃ、一緒に経営しましょう。ここにまだまだ新しい店を開く予定
    ですから」

とくる。で、とりあえず、名刺交換・・・はしなかった。儲かる店を手放すほど甘い人物ではないことぐらい、十分わかっている。そして、

   「38番がいい。あの店はよくできているので行ってみて。イタリアン・
    カフェだよ」

と話をはぐらかせた。うまいこと逃げる。

02泰康路03イタリア38の02

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  1. 2011/04/04(月) 14:18:31|
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asa

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