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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

竹棚田

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 カーナビゲーション付きレンタカーに乗っているのに道に迷うのは日常茶飯事のことだが、迷ってしまった結果、思いも寄らぬ収穫を得ることがある。日田皿田の小鹿焼(おんたやき)の里をめざしながら、辿り着いたら、筑前岩屋駅。名水百選「岩屋湧水」の水くみ場で、ペットボトルやらビニールタンクをもった人たちが溢れている。筑前岩屋駅に岩屋湧水があり、隣の駅は彦山。当然のことながら、触覚がぴくぴく動き、案内板に目をやると、すぐちかくに宝珠山岩屋神社があり、その上手には棚田百選「竹地区の棚田」のあることが分かった。

01竹地区の棚田05


 カーナビの指示とは真反対の方向に車を進め、まもなく「竹棚田」の交流館に到着。展望台から、11ヘクタールに及ぶ棚田をパノラマで一望した。棚田はとてもよく整備されている。住民主体で組織した「棚田景観保存委員会」の活動の賜であろう。大分や九州の棚田に特有な(朝鮮の匂いがする?)石垣が美しく、小雨に霞む幽玄な山々の遠景と見事に融け合っている。日田の皿山を訪れたのは2008年末であり、「文化的景観」の研究に着手し、キム姉や部長さんが卒業論文をまとめる直前のことであった。あのとき「蕨田の棚田」を訪れて、棚田のオーナー制度に接し、それはとりわけキム姉の卒論に影響を与えた。

01竹地区の棚田01 竹棚田でオーナ制度があるのかないのか分からなかったが、案内板等の情報によると、6月に「田植え体験」、10月に「稲刈り体験」のイベントをおこなって、都市住民との交流を進めているという。重要文化的景観「小鹿田焼の里」を構成する「池の鶴」棚田と比較すると、竹は規模が大きいが、鶴山のほうが素朴で自然な風趣がある。言い換えるならば、竹は整備が進みすぎている感なきにしもあらず。が、こういう努力をしなければ、棚田を持続させるのは難しいだろう。明後日レポートする宝珠山とあわせて重要文化的景観に選定される日も近いかもしれない。

01竹地区の棚田03


01竹地区の棚田02

  1. 2012/03/19(月) 00:00:13|
  2. 景観|
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本家魯班13世

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