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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

神々への祈り(Ⅴ)

05気仙沼03船01


大型魚船の二面性 -気仙沼

 南三陸町のシンボルが防災対策庁舎なら、気仙沼のそれは船だ。第18共徳丸。全長60メートルの大型漁船が鹿折(ししおり)地区に打ち上げられたまま撤去されていない。気仙沼の船ではなく、福島県いわき市の漁船が停泊し、津波に押し流された。行政はこの船の「保存」を仕掛けているが、地域住民の反発は強いと聞く。しかし、ここにもまた供養の花束をもった参拝者が絶えない。

05気仙沼03船02 「本尊」の大黒様(←)は至福の笑みを浮かべている。どういうわけか、右手がない。

 漁船のある場所から海はみえない。港まで約800m。800m流される過程で、船は建築物を押し倒していった。その残像がいまも住民の頭にあり、船を保存することに違和感があるのだという。南三陸町の防災対策庁舎も撤去が決まっている。



05気仙沼02


 気仙沼も瓦礫がめくられ、広大な範囲で基礎が露出している。ただ、市街地奥向きのエリアで状況が変わった。古い町並みがかいま見える。町家風の商店が軒を連ねているが、1階はあきらかに津波で削られている。阪神大震災をほうふつとさせる倒壊家屋もみた。1階から切り離された2階が形を残したまま地面に着地しているのだ。阪神大震災の場合、2つのパターンが認められた。一つは1階と2階の接続部分が構造的に断裂し、2階が道路などに吹っ飛ばされる損壊、いま一つは瓦屋根を含む2階の重みに1階が耐えられなくなって2階が1階を押しつぶしてしまう損壊である。気仙沼の場合は後者であり、地震の横力だけでなく、やはり津波の影響が大きいであろう。
 疑洋風の商店と土蔵がこのようなパターンで倒れ込んでいた。日本の修復技術をもってすれば、この商店街を元の姿に復旧することは決して難しくはない。修復に加えて、適切な耐震構造補強を施せば、地震に耐える建造物群として生まれ変わるだろう。しかし、それだけは津波を避けられない。商店街全体を高台に移転するしかないということだろう。

05気仙沼052階


05気仙沼01


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  1. 2012/05/10(木) 00:02:40|
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