Lablog

鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

御所野縄文公園 (岩手県一戸町)

3年ぶりに御所野遺跡を満喫した[浅川]。いつものことながら、この遺跡、マイナスイオンが空いっぱいに充満している。復元した土屋根住居のうち、中型・小型は煤で部材が黒光りし、 築後6年にもなるのに、まったく劣化を感じさせない。ただ、大型になると、煤がぬけてしまうのか、週5回という燻蒸も効果なく、雨漏りから構造体が腐蝕してしまっている。そこで今年度、大型の1棟を国庫補助金によって修復することになった。担当の高田和徳さん(御所野縄文館長)は、こういう修復事業を決してマイナスにとらえていない。大型住居に劣化が生じた原因を究明するため、土屋根にトレンチを数本あけて、断面図を実測している。 画期的な取組というほかない。本格的な縄文の土屋根住居を復元したのも御所野がはじめてなら、復元住居を焼いたのも御所野がはじめて、そして、復元住居にトレンチをあけるのも御所野が日本ではじめてである。トレンチ調査の結果、二つの大きな問題点があきらかになった。まず第一に「土の被せすぎ」。設計図では、棟で土厚10~15㎝、裾で30~35㎝と指示しているのに、施工では棟で25㎝前後、裾で50~60㎝に膨らんでいる。これは、棟を土で覆いつくそうとしておこったものであろうが、屋根重量は倍加し、垂木破損の主因となった。掘削する土量を考えても、土は屋根全面を被覆していたとは考えにくいので、今後は棟を露出し、土は屋根の2/3程度に被せることになりそうだ。第2の問題は「樹皮下地の凸凹面」。下地が平坦だと雨水処理に問題はないが、凹面があると、そこに水が溜まって樹皮下地の腐朽を招く。これは施工上、きわめて重要な課題である。ところで、他の一部の地方の現場では、雨水が漏って土屋根が腐ると人を悪者にし、あげくのはてには「土屋根などなかった」と主張する考古屋さんまであらわれているけれども、そういう人物に限って、「竣工後のほったらかし」 という自らの大罪に気づいていない。設計・施工の段階から業者に仕事をまる投げし、竣工してからは、まともなメンテナンスすらやらないでいる方がた、 ぜひとも御所野に行ってください。御所野の取組と、自分たちのスタンスをじっくり比較していただきたい。

20050610223932.jpg

20050610223848.jpg

  1. 2005/05/29(日) 20:19:25|
  2. 史跡|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
<<山田上ノ台遺跡 (仙台) | ホーム | 倉吉、そして@ほかの>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://asalab.blog11.fc2.com/tb.php/10-aba8ebae

asa

08 | 2017/09 | 10
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Archives

Category

Links

Search