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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

「フルハウス」見参!

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 台風4号は関東方面に去っていったというのに、山陰地方は雨足がおさまらない。前夜も2冊の報告書の校正に苦しんで帰宅したら午前3時、それからフラットマンドリンの練習をしたのだが、やっぱり一人ではつまらなくなって、ギターに持ち替えた。ギターで発表予定曲を弾いたのは大正解。コード進行が体に染みこんでくるから、フラマンでアドリブしやすくなる(と勝手に思った)。
 目覚めたら午後。急ぎシャワーを浴び、真っ黒なTシャツを身に纏った。左胸の位置に「TBJ YOKOHAMA 2007」と書いてある。TBJとは、寺内タケシ&ブルージーンズの略称。寺内のオヤジのパワーを頂戴して演奏に臨もうという魂胆である(六弦倶楽部の練習会ではヒノテルのTシャツを着ていた)。それから旅支度を始め、最後の最後にいちばん大事なフラマン(セミハードケースに収納)と貴重品の入ったリュックを玄関に運んだ。そして、出発。
 何も食べていなかったので、湖山のスキヤでオクラ入りネバネバ丼を平らげ、車は雨の9号線を一路西へ。白兎海岸を過ぎて、青谷から山陰道にのる直前のこと。
  「あれっ、フラマンとリュック、車に載せたかな?」
一旦車を停め、後ろの座席をみると二つともみあたらない。冗談だろっ!
 一路田園町の宿舎に逆戻り。ドアをあけると、狭い玄関にセミハードケースとリュックがごろりと転がっている。まぁ、あって良かった。ただちにUターン。スタッフは午後5時集合と聞いていたので、その時間をめざしていたのだが、会場に着いたら6時20分。おかげでリハーサル抜きになっちゃったのです・・・

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 7月14日、夕方6時半より境港の夢みなとタワー4Fライブスポット「ミラージュ」で以下の催しが開かれた。
   <ゆかた de 歌おう なつかしのフォーク>
 主催者は境港の呉服屋さんでありまして、参加条件に「浴衣・きもの姿でおでかけください」の但し書きがある。わたしは家内に頼んで、作務衣を宅配で送ってもらった。父の古着をリフォームした作務衣である(リフォーム代は高かった)。
 当初、この会に参加する予定はまったくなかった。何か弾き語りでもせよ、と言われればできなくはないのだが、そんな要請もなく、ただ六弦倶楽部の練習会で知り合った県東部在住のMOさんとメールをやりとりしているうちに、フラマン伴奏が決まったのである。正直なところ、参加すべきかどうか真剣に悩んでいた。ひとつは家内(患者)の問題、二つめに過密スケジュールと疲労の問題、そして、三つめには・・・これまで黙っていたのだけれど、「音楽」そのものの問題があった。わたしはフォークが嫌いではない。好きな歌手やバンドはいっぱいいる。日本では高田渡(だけかも?)、イギリスではペンタングル(ぐらいかな?)、アメリカではニール・ヤング(他多数!)・・・

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 ただ、かぐや姫は苦手だ。拓郎も陽水も好みではない。こういう系列のフォーク・シンガーは、いわゆる反戦派・社会派フォークを駆逐するようにして、ポップにのし上がっていった歌謡曲系フォーク(ニューミュージック)の一派であり、心情的には相当の抵抗感がある。どこに問題があるのかというと、まず歌詞。遠藤賢司の詞ですら十分恥ずかしいのに、「神田川」や「なごり雪」などの詞になると、甘すぎて、とても口ずさめない(と言いながら、じつは「スタレビ歌って、歌って!」と一群の女性たちからせがまれ、甘ぁいラブソングをカラオケの十八番にしていた時期もあった → 嘘じゃないぜ!)。つぎに、メロディ。まぁメロディックでないとは言えないけれど、大きく分類するならばあきらかに「演歌系列」であり、コード進行もじつに単純。いちおうジャズもロックもフォークもブルースも、そして一部のクラシックや民族音楽や歌謡曲も、ともかくなんでも聞いてきたわたしなんだが、歌謡フォークはそのなかで最も苦手な分野であり、ために気持ちを前に進めることができなかったのである。

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 では、なぜ歌伴を引き受けたのか。
 それはもちろんフラマンが弾きたかったからなのだが、それ以上にMOさんのお人柄によるところが大きい。練習会での実直な演奏、メールでの真摯で謙虚な応対に接していると、この方と演奏すれば必ず爽やかで楽しく、大きな収穫が得られるだろうという直感が働いていた。前日の加藤家での音あわせで、その予感は実感に変わった。それに、多くのプロのアコギストたちの活動も頭をよぎった。たとえば、吉川忠英は夏川リミや加山雄三、古川昌義は福山雅治、石川鷹彦は吉田拓郎、佐久間順平は南こうせつのバッキングをしている。かれらは(たぶん)本職としてやりたい音楽は別ジャンルのはずだが、メジャーな歌手のバックアップをすることにも生き甲斐を感じているにちがいない。わたしは、正直なところ、高田渡に寄り添う影武者のような順平さんが南こうせつのバッキングもしていることを知ったとき、少なからずショックを受けた。しかし、「神田川」でバイオリン(フィドル)とフラマンを併用するアレンジの妙を知ったとき、順平さんのようなマルチ・プレーヤーが南こうせつにとって必要不可欠な存在なのだということも理解できた。

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 ご託を並べても仕方ない。マンドリンだって、弾かなきゃ音はでないんだ!
 MOさんは職場の部下Nさんを引き連れて歌と演奏を始めた。1曲めは拓郎の「旅の宿」。わたしは控えスペースに待機。2曲めからかぐや姫で、わたしもステージに加わった。曲順は昨日のブログの真反対になっていて、「ぼくの胸でおやすみ」→「なごり雪」→「神田川」と続く。マンドリンは「ぼくの胸でおやすみ」の2コーラスめから演奏に加わり、間奏でアドリブを弾いた。「なごり雪」はイントロからマンドリン。トランペットの間奏部分もマンドリンにしていて、ここのコード進行をC→Dm7→F→G7と決めていたのだが、Nさんには伝わっていなかったようで、ちょっと中途半端な印象。これも、来場が遅れリハなしとなったわたしの所為です。「神田川」は車の中で繰り返しCDを聞いていて、バイオリンとフラマンの両方をミックスしたような伴奏にしたつもりなんだが、どう聞こえたのかは分からない。この曲はエンディングが中途半端になってしまった・・・

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 今回自信をもって言えることがいくつかある。まず、アガリませんでした。とても気楽に演奏できたんです。トリオだったし、主役ではなかったからだろうが、ギター・ソロに比べればずいぶんリラックスできた(酒は一滴も飲んでいない)。そして、なにより演奏がとても楽しかった。本音を言うと、前日の練習のほうが出来は良かったし、本番よりも楽しかったですね。ほんと、これはもうMOさんの人徳だと思います。苦手なかぐや姫を、こんなに気持ちよく演奏させていただき、わたしの音楽世界はひとまわり大きくなりました。ありがとうございました。

 MOさんには、もうひとつ感謝しなければなりません。司会進行の都合上、出演グループはみなバンド名を呈示しなければならなかったのですが、MOさんはほとんど即興で「フルハウス」という名前を考えだされたのです。
  「フルハウスって、何のこっちゃ?」
と思うでしょ? わたしもそう思いましたよ。
 フルハウスは「古hause」。つまり「古民家」だとのこと。いや、感激です!! わたしにとって、これ以上ありがたいバンド名はないですね。
 行くぞ、フルハウス! これからもフルハウスだ!! 押忍!!!

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↑客席から歌い手を募る「歌声喫茶」コーナーでは、拓郎の「結婚しようよ!」でストロークプレーを要請されたのだが・・・。それはさておき、足下に注目してください。ちゃんと雪駄を用意してきていたのに、遅刻しそうになったから革靴を履いたままなんです、とほほ・・・

  1. 2007/07/16(月) 05:09:23|
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ケースの1日

ラウンド型・「フルハウス」見参!・ひっさびさ、マンドリン・ 前橋マンドリンフェスタ2006・ ヴァイオリンとヴィオラとマンドリン・追跡・ コンビケース検証・[etc]携帯から・私の楽器遍歴・ 民話 「かさこじぞう」 と 「泣いた赤鬼」 がダウンロードできるページ・本
  1. 2007/08/11(土) 16:32:13 |
  2. マンドリンの思い入れ

ケースがいいと思う

『外装』ナイロンカバー・楽譜ポケット    パッド式ストラップ1本『内装』楽弓ホルダー(4本収納可)    小物入れ・弦チューブ4.0kg注:ビオラは41.5cmサイズになります。管楽器のケースメーカーとしても名高いBAMの軽量発泡ポリウレタン素材は、衝撃吸収と高い断熱
  1. 2007/08/11(土) 18:34:35 |
  2. バイオリンがたくさん

Impressions

1980年代~90年代前半までの竹内まりやさんのヒットシングルを集めたベストアルバム。竹内まりやさんの曲はテレビのタイアップが多いため、どれもが知っている曲ばかりです。最大のヒットシングル「シングル・アゲイン」不倫をテーマにした問題作「マンハッタン・キス」後に
  1. 2007/10/01(月) 00:14:12 |
  2. みきの記録

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