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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

湯島聖堂

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 東京都文京区、御茶ノ水駅を降りてすぐの聖橋を渡ってすぐの森に、国史跡「湯島聖堂」はある。東京ではないような感覚を覚える。『孔子の教え、「儒教」に傾倒した徳川五代将軍綱吉は1690年に湯島聖堂を創建。孔子を祭る「大成殿」や「学舎」を建て、自らも「論語」の講釈をおこなうなど学問を奨励した。(現地立て看板抜粋)』
 湯島聖堂は大正12年の関東大震災で一部を残し全焼したが、昭和10年に伊東忠太の手により、震災の難を逃れた入徳門(1704年〔宝永元年〕)以外の建物が鉄筋コンクリート造として再建されている。現在は木造の入徳門の修復工事がおこなわれているが、今回はその修復現場の見学をさせていただいた。
 私たちが見学したとき、入徳門では漆が削られているところだった。現場では削り取った後の漆のカスがもうもうと舞っていた。入徳門の周りには多くの木が茂っていたが、話によるとだいぶ伐採や剪定をした後らしい。その証拠に、門の石段のすぐ脇に大きな切り株があった。その木は大きくなりすぎて石段を圧迫、石段は形が変形してしまったため、門を保護するためにやむなく切断したそうだ。周囲の木には赤・黄・白のテープが巻かれており、今後も剪定や伐採をおこなうとのこと。漆塗りの建物はあまり日に当てると劣化しやすいらしく、そのあたりも考慮して木を切るのだとおっしゃっていた。

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↑左から現状維持、剪定、伐採
 
 中に入り、Yさんの案内で足場を上り、まずは漆が削り取られた後の破風を見た。破風には黒い線がいっぱい走っていたが、これは昔、今のような機械がないときにノミで漆を削った跡らしい。木造の建築に漆を塗るときは、麻布を使って漆を重ねていくそうだ。漆がはがれた材を見ると、私のような素人にも、古い材と比較的新しい材の見分けがつく。

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 次に木鼻を間近で見させていただいた。木鼻は全体が黒っぽいのだが、胴体の辺りを見ると赤くなっているのが見えた。また、目の部分は金箔の上に漆が塗られていたらしく、よく見てみるときらきらと光って見えるものがあった。当初の入徳門は赤く塗られていたそうで、当時の文献にもその記述が残っていたと聞いた。

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↑目の奥のほう・・・
 
 門の内側に入り上を見上げると、天井が見えた。これは珍しいそうで、普通門には天井を張らないとそうだ。この天井は鏡天井で、継ぎ目も綺麗に隠してある。また、門の内側の柱を見ると、漆が塗られた布を剥がす工程の途中を見ることができる。何層にも重なって1cmくらいはあるのではないかと思ったが、今回も30回くらい塗り重ねるそうだ。今回は全部張り替えるということなので、修理記録として一部をそのまま剥ぎ取り、保存する。
 その後、門を越えて周囲を囲む板塀の裏に回って見たのだが、ぽっかりあいた穴の中にコンクリートの塊が見えた。どうやら控え柱の根元をコンクリートで固めていたらしく、中の柱が抜けない状態になっている。しかし、史跡では地下を触ってはいけないので、そのコンクリートを取り除くことはせず、新しく柱を固定したらまた埋め戻す。
 
 今回の見学でいろいろなことを知ることができた。当初がどんな状態だったのか、また、毎回どんな内容の修復がおこなわれてきて、今回はどういうことをするのか。現場で見るだけでなく、文献資料を同時に調べて記録を整理して、また記録する。そして、修復の過程を現場に残す。史跡では地下を触ってはいけないし、触ったならきちんと埋め戻さなければならないなど。修復に取り組む真剣な姿勢が、ひしひしと感じられた。他にもいろいろと見聞きしたが、私が聞き取れてメモできたのはこのくらいだった。もっと自分に知識があり、聞いたことを覚えられるキャパシティがあればよかったのだが。
 いろいろと詳しく教えていただいたYさん、KZさん、現場の皆さんに申し訳ないです。しかし、とても貴重な体験をさせていただきました。皆さんお忙しい中、本当にありがとうございました。(部長)

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↑瓦を埋め込んだ珍しい外壁



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↑誤って屋根から落っこちちゃった妖怪・・・


  1. 2007/08/29(水) 10:57:13|
  2. 建築|
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