発掘調査の現場から
現在、青谷上寺地遺跡では第9次発掘調査がおこなわれている。目的は「遺跡が最も栄えた弥生時代後期(約1800年前)に、中心域南側を区画したと考えられる溝(SD33)の検出」である。その現場に、今日もお邪魔させていただいた。
以前来た時よりも掘削が進み、出土する土器片なども数が増えている。前回同様、Mさんに現状を説明していただいた。階段状だった断面は、一部丸味を帯びている。これは雨と乾燥によって段にヒビが入り崩れてしまったためである。発掘面からは意図的に廃棄?された可能性のある土器溜りが2箇所発見された。どちらも溝の山になっているところにあると推測される。

少し見にくいが、Y-Y'ではY’→Yへと緩やかに傾斜している。本来の発掘調査であれば水平に掘るのだが、溝の内と外の景観を把握するための調査なので、遺構に忠実に掘っている。この傾斜は、中心域は他の水田地域などよりも高い位置にあったと物語っている。溝からは建築部材と思われる木材の端々が顔を出していた。これらは取り出されるまでの間、乾燥から守るためシートなどで保護される。

全体が姿を見せるのはまだ先のことだが、今後がとても楽しみだ。ちょこまかと写真を撮らせていただき、私は現場を後にした。

Mさん、丁寧に説明していただきありがとうございました。また、よろしくお願いいたします。
ここで少しだけ宣伝を。
鳥取県埋蔵文化財センターでは、鳥取市秋里でおこなっている青谷上寺地遺跡の調査研究機能の一部を鳥取市役所青谷町総合支所の2階に移転することとし、平成19年11月1日の「鳥取県埋蔵文化財センター青谷調査室」の開設を目指して、現在その準備を進めております。当室の開設を記念して講演会を実施しますので是非ご参加ください(チラシ抜粋)。
詳しくは以下のページをご参照ください。
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=68724 もちろん私は参加応募しましたよ。(チャック)

今日も帰りに青谷ようこそ館へ寄り、びわアイスを食べた。ここに来ると食べずにはいられない。アイスもおいしいが、ここの店員さんの応対がとても素敵だ。アイスを食べる間、前回とは違う店員さんから驚きの情報を得た。なんと、漫画家の安彦良和さんが3年前、青谷中学校を会場にした
「青谷上寺地講演会」で講演をされていた。いちファンとして、とてもテンションが上がってしまった。しかも青谷上寺地遺跡のイラストも描かれている。現物は展示館にあるらしいのだが、所在は未確認。来週に行った時に聞いてみよう。ちなみに、安彦さんはフラリと展示館に寄ることがあるそうで、同じく安彦さんファンの店員さんもお会いしたことがあるという。
「ここの店員やってて一番の役得だったよー」
来週あたり、フラリと青谷に来てくれないかなぁ。
※安彦良和さんをご存知ない方はこちら→
安彦良和(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
- 2007/09/11(火) 21:12:55|
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