東京浮浪民(Ⅶ) -歴史の編集者 この記事は「
チャック&部長@東京インターンシップ(Ⅸ)」の「続き」にあたるものです。チャックからインターンシップの御礼とエピローグ。

〔インターンシップ語録〕
ある時、Y社長は言った。
「服にはこだわってお洒落なのを着たりするのに、どうして景観にはこだわらないのか」と。
「建造物の歴史(背景)だけでなく、さらにその保存と修復、活用に関して知識を持っているのがうちの社員」と。
ある時、Mさんは言った。
「何かを学ぼうとする時、文献資料だけではダメで、現場を『見て』、そしてそれに関わる人間に『聴く(ヒアリング)』ことが大事。その中で自分の意見をまとめれば中身のあるものが書ける」と。
「勉強は欲張って何でもやったほうが良い」と。
ある時、Sさんは言った。
「わかっているつもりでも、実はわかっていなかったり忘れたりしている。その都度確認を取ることが大事」と。
ある時、KZさんは言った。
「縛りのない自由な発想ができるのは学生のうちだ」と。
「ほんと、仕事って人とのコミュニケーションだよね」と。
ある時、Iさんは言った。
「可能性は無限大、でも、誰も何も教えてくれない。自分自身で学び獲っていくしかない」と。
「自分に常に疑問を投げかけなければ、成長はない」と。
ある時、INさんは言った。
「チャック君ってさ、漫才みたいな話し方するよね」と。
というわけで、2週間のインターンシップが終わった。あっという間だった。あっという間だったので、成長できたのかできなかったのかまだよくわからない。ただ、一生懸命やったのは確かだ。ちょっとはしゃぎ過ぎた感も否めないが・・・まぁ、それはご愛嬌。課題として提示されたものは一応すべてクリアできた。言い方が悪いかもしれないが、私の卒論にとっては最高の教材となった。今後この経験を生かすも殺すも自分次第。インターンシップは終わったが、卒論は今、ようやくスタートラインに立ったところだ。
先人が知恵を絞り創り出してきた形あるもの。それらを現代の技術と自らの経験・知識を総動員し、より良い方向へ導こうとする。『官』の政策に翻弄され、しかしそれを逆手に取り、『学』の〔学〕ゆえの過ちに悩み、しかし逆に、セカンドオピニオンとして研究成果・知識を偏りなく取り入れ、『民』の機動力を持って歴史的建造物、ひいては日本の未来を書き換えていく。私は思う。彼らは、歴史の編集者としての重責を担っているのだ、と。
Y社長をはじめ、社員の皆様には本当に良くしていただきました。ありがとうございました。(チャック)
続きの続き インターンシップ終了後から2日間、骨休めで千葉の叔母の家に厄介になった。小学校6年と3年になる従姉妹がいるのだが、6年生の子がちょうど社会の授業で日本の歴史を勉強していた。そこには以下のような問題が書いてあった。
問〕 日本には、神奈川県の古都鎌倉の社寺など、現在は登録されていないが、世界遺産への登録を目指している文化財が他にもたくさんあります。このように、世界遺産を登録することで、遺跡や遺物などの文化財を守り、大切に保存していこうとする動きがあるのはどうしてだと思いますか?あなたの考えを書きましょう。
従姉はこう答えている。
→文化財を世界遺産に登録することにより、現代とは違うもののよさを実感したり、大切に保存したりすることで関心を持つから。捨てられないですむから。
皆さんはこの問いにどう答えますか?

↑1908年(昭和41年) 朝倉文夫作「雲」
- 2007/09/16(日) 00:15:04|
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