
昨日の講演が始まる前、県土整備部から『鳥取県建設技術協会(鳥建)創立60周年記念誌』をいただいた。
なぜわたしがいただけるのかと言えば、原稿の執筆を依頼され、それが掲載されているからである。このブログの愛読者なら知っているはずですよ。
9月25日に書いているのです、「ある原稿に追われている」と。8月初に執筆の依頼が届き、〆切は9月5日なのだが、25日になってもまだ書けなかった原稿が早くも10月末に活字になっているのです。いや、驚いた。だって、一度も校正させてもらえなかったんだもん。
鳥取県建設技術協会は、県および市町村の土木・建築に携わる技術職員を会員とし、昭和21年に設立された。本誌は、設立以来60年の歩みを総括したものである。目次を以下に示す。

巻末に二つの特集が組まれていて、その前編が「建設技術の変遷」で、わたしが執筆した「青谷上寺地『楼観』の復元」はここに含まれている。わずか5ページの短編ではあるが、全ページカラー刷りしていただいている。内容は、この春に刊行した
『「楼観」再考 -青谷上寺地のながい柱材をめぐって-』(鳥取県埋蔵文化財センター、2007)を圧縮したものである。おそらく、この記念誌を入手するのは簡単ではないだろうから、[続き]に全文を転載しておく。
巻末特集の後篇「過去から未来へ、先人たちから受け継ぐ社会資本」も興味深い。若桜橋、千代橋、三朝橋、日野橋、美歎砂防堰堤・水源地堰堤、小船堰堤、大井手川・砂見川サイフォンが個別的に紹介されているのだが、もちろんこれらはいずれも近代の土木遺産である。若桜橋は「土木学会選奨土木遺産」、三朝橋と日野橋は「登録有形文化財」、美歎水源地の水道施設は国の重要文化財に指定されたばかりで、その保存の手法が注目されている。
というわけで、本書は県の近代土木建築史を理解する上で欠くことのできない通史的資料であり、文化財関係者にも是非ともご一読いただきたい。
以下、拙論の転載です。




- 2007/11/01(木) 03:20:18|
- 史跡|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0