深夜の郵便局夜間窓口でのデキゴトロジー。
わたしは緊急のUパックを出しに行ったんだけど、70歳代とおぼしき無精髭のおじさんが割り込んできた。そのおじさん、夜間窓口の職員に向かって、いきなり、
「これ、出して」
と言うのであります。(だれに出すの?)
「手紙書いたからな、天皇陛下に送りたい」
みれば、和紙に達者な書がしたためてあります。漢字やひらがなだけじゃない、英文まで筆と墨で書いていて、結構アートの芳りがするではないか。教養のある方なのかも、このおじさん。
しかし、それにしても不気味なので、いったんわたしは外に出た。路肩には軽トラが停まっている、駐車灯をチカチカさせて。
しばらくして、お客が続々やってきたのだが、おじさんは動かない。長蛇の列になってきた。
「封筒ぐらいあるやろ、郵便局なんやから、それで天皇陛下に送っといて、これ。わし、住所分からんし。」
「エクスパックの封筒だと500円ですが?」
「そんな、お金ない。一銭もない。」
「いや、それにしても、そのような大きな紙を入れる封筒はおいておりませんで、折り曲げてもよいのなら、エクスパックで送ることもできますが・・・」
「そんな折り曲げるなんって、もったいない。ちゃんと折れ目がつかんようにまるめてな、こういうふうに、それで送ってぇな・・・」
ようやく駅前交番のおまわりさんが二人あらわれた。しばらく観察しながら、
「おじちゃん、だれに手紙出すだ?」
「マサコさんや、ショーダマサコさん、救わなならんねん、マサコさんを。」
「そら送るのはええけど、封筒代も切手代もかかるんで。」
「あぁ、わし、300円ぐらいもっとるけな」
訊問をうけても、おじさんは窓口を動こうとしない。おまわりさんは後ろに並ぶ市民を気遣いながら、
「なぁ、おじちゃん、ちょっと別の場所に行こう、別の場所にな・・・」
「・・・」
ようやく、わたしの番がまわってきた。Uパックを投函してから、「因幡っこ」に寄って、エアポートが予約しておいた弁当を受け取って大学に戻ってきた。まだ弁当は暖かくて、良かった。

↑昨日の講演が記事になっていた。講演終了後さっさと消えてしまった女性記者の記事です。あっさりしてるわね・・・もう一人の記者さん(♂)は控室で30分ぐらい粘って取材したからね、きっとおもしろい記事を書いてくれるでしょう。
- 2007/11/20(火) 00:12:36|
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