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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

2007シンポ 2日め速報!

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 シンポジウム2日めも午前は快晴。しかし、天気予報では降水確率70%とのことで、まず最初に記念撮影してしまおう、ということになりました(↑)。今日の参加者も20名あまりでして、2日間では29名の参加者があり、計9名のスタッフが裏方を支えました。
 今日は昨日に比べると寒く、予報どおり午後に雨が降ってきていっそう寒くなり、おまけにイロリの炭が切れてしまいました。こんなに寒いのに、エアポートは自分の彼女のためだけにストーブを1個確保するという悪行をはたらき、ひんしゅくを買ったのであります。
 午前の第3セッションは飯塚さん(松江市教育委員会)と川畑さん(守山市教育委員会)の発表。守山市の下之郷遺跡は2度訪れましたが、感銘を受けるほどの印象をもたなかったのですが、パワーポイントをみて「いい遺跡だな」と思いました。鳥大の高田さんから、下之郷の推定「壁立円形平地住居」は平地式の伏屋とみたほうがよいというコメントがあり、わたしもその意見を支持しました。おそらく登呂のタイプの平地住居でしょう。下之郷のロングハウスについては、山陰の長棟建物が桁行方向に長くなったものという漠然としたイメージをもっていたのですが、梁間は1間でその柱間は3.6~3.8メートルであり、高床の可能性を否定できないだろうと思うに至りました。

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 第4セッションはいよいよ「浅川研究室の復元研究」。先発はケンぼー。まずは、この2ヶ月間苦労して制作してきた1/20模型の現物をみていただきながら説明。その後、パワーポイントでスピーチしました。模型については、指導教員のわたしが言うのもなんですが、なかなかよく出来ている。模型に対する愛着を感じられる作品になってきてますが、これから断面図を2面仕上げて再度作りなおすんです。でも、模型作りが楽しいというんだから、この作業は安心してみていられますね。

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↓智頭枕田遺跡の2本柱住居(縄文後期)
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↓下味野童子山遺跡の松菊里型住居(弥生中期)
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↓倉吉市クズマ遺跡の隅入住居(古墳時代後期)
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 ところが、パワーポイントのほうはもう一つでしたね。これはわたしの指導不足でした。とくに鳥取には縄文の住居跡が枕田以外にも数ヶ所でみつかっていることを矢継ぎ早にコメントされ(↑)、驚きました。春にハマダバダ君と打ち合わせしたときは、そんな風に言ってなかったんだけどな・・・話がちがうでねぇの??
 まぁ、今わかって良かったですね。卒論には十分間に合うのでね。大至急、資料をあつめようぜ、けんボー!

 今回の竪穴住居復元のキーワードは「ケツンニ」です。アイヌの屋根を支える三脚構造をアイヌ語でケツンニというのですが、ケツンニを使うと母屋桁を使う必要がない。ケツンニと垂木と木舞で屋根構造が作れるので、サス&タルキ構造よりシンプルになるんです。おまけに、隅にサスが来ないので隅入の出入口が作れる。わたしにとって、「隅入の出入口」は竪穴住居復元に残された最後の課題であったのですが、ケツンニを屋根構造に採用することでなにもかもが氷解してしまうんですね。竪穴住居の復元に一つの新しい光明がみえはじめた気がします。

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 チャックのほうはわたしの記者発表や講演の内容を踏襲したパワーポイントで、非常に安定感があり、大きな拍手を頂戴しました。ただ、細部になりますが、鳥居束の納まりに間違いがあることがわかりました。ここは、垂木の裏面に残る切欠との対応と係わるので、早急に修正する必要があるでしょう。

 午後3時半、シンポジウムは終わりました。シンポの終了と同時に、またしても「寒い、寒かった」の連呼が聞こえてきました。参加者の皆様には、大変お寒い思いをさせてしまいました。シンポの中身にも寒いところがあったとしたら、それは主催者にすべての責任があります。わたしとしては、そこそこの手応えを感じた2日間でした。
 参加者の皆様、2日間おつきあいいただき、本当にありがとうございました!
 
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↑シンポ終了後、「歩け、あるけ、アルケオロジー」プロジェクトの1年生が会場にやってきました。乾燥した弥生土器を大学に運ぶためです。K先生によりますと、まだ半乾きで割れる恐れがあるそうです。
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↑2名のゲストとともに学生スタッフの慰労会へ。会場は久しぶりの「ほたる」。なんと焼酎3本をあけてしまいました。すべてこのキュウリ男のせいです。

  1. 2007/12/02(日) 05:06:43|
  2. 講演・研究会|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2
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コメント

ありがとうございました

シンポジウムに参加させて頂き、有難うございました。
建物の復元考察を通じて、遺構に対する見方の幅が広がったように思います。自分も本格的に竪穴を掘ったことが無いので、掘りたくなりました・・・
また、加藤家住宅も居心地の良い家だなと思いました。永年人が住んだ家というのは、やはり人に馴染みやすいのでしょうか。
学生さんたちもみんな熱心で好感が持てました。シンポの成功も学生さん達のご苦労のおかげだと思いました。ありがとうございました。
  1. 2007/12/02(日) 07:58:16 |
  2. URL |
  3. 飯塚康行 #-
  4. [ 編集]

飯塚さんへ

お疲れさまでした。最後にきちっとしたまとめをしなければいけなかったのですが、みんな寒い、寒いの連呼で時間を延ばしてはいけない、と思った次第です。たぶん中旬に松江に行きます。田和山をみたくなったら連絡しますので、よろしく!

  1. 2007/12/03(月) 03:02:01 |
  2. URL |
  3. asax #90N4AH2A
  4. [ 編集]

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