2日めの試験監督はなし。おかげさまで、ゆっくり眠らせていただきました。正月明けから睡眠薬代わりに読み続けていた横山光輝の『武田信玄』(新田次郎原作)5巻もすでに読破し、昨夜はさいとうたかおの『影狩り』を読んで寝た。
要するに、忍者づいているのです。間者というべきか。昨年、大河ドラマの主役となった山本勘助は『甲陽軍艦』に記された信玄の軍師としてイメージが定着しているけれども、実在を疑う史学論文すら発表されており、どのような人物であったのかまったく分かっていない。『武田信玄』の原作者・新田次郎は勘助を名うての「間者」として小説に登場させている。しかも2重スパイ。もとは今川の間者であったが、今川と武田の同盟関係から武田にも仕えるようになり、両藩の情報を二人の主君に流していたという設定である。新田の原作で興味を引くのは、桶狭間の戦で勘助が暗躍するシーン。桶狭間の民家に義元が雨宿りしていることを信長に知らせたのは勘助で、勘助にその役割を指示したのは信玄ということになっている。勘助は織田勢が近くまで来ていることを義元にも知らせるのだが、義元はそれを知っても動かなかった。勘助にすれば、義元への義理は果たしたことになる。
以上は史実ではないだろう。しかし、桶狭間の見方が変わった。上洛したい武田にしてみれば、いくら同盟関係があるとはいえ義元に先を越されたくない。だから、背後から今川を突いた。兵力で突いたのではなく、情報で突いたのである。
横山光輝の歴史漫画はおもしろい。漫画界の司馬遼太郎といったところだろうか。小学生のころ読んだ「伊賀の影丸」や「仮面の忍者赤影」が体に刷り込まれていて、あの剽軽で暖かい漫画の世界に自然と夢中になっていく。伊賀の影丸や飛騨の赤影は妖術使いを打ち破るスーパースターであり、昭和30年代の小学生たちは毎日のように忍者ごっこに明け暮れた。忍者の実態が大名や幕府に雇われた間者であることなど知るよしもなく。
いつの時代も戦さは情報戦であり、
ライアー・ゲームだ。ライアー・ゲームの必勝法は敵方に内通者をつくること。内通者を中国語で「裏通」あるいは「裏通外国」という。また、「特務」とか「特務員」という表現もある。「裏通」なら素人にもできるが、「特務」はプロにしかできない。訓練された「忍びの者」である。
- 2008/01/21(月) 00:15:21|
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突然の書き込み失礼します。
私、東京大学大学院建築学専攻 難波研究室 林 盛 と申します。鳥取県鳥取市出身者です。
昨年の2月のブログに東工大・芸大との合同講評会のことが書かれていたので今更ながら思わずコメントしてしまいました。
昨年は私も発表者として参加したのですが、今年も東工大、芸大と合同で卒業設計の合同講評会を本学安田講堂にて行います。2月14から3月1日までは展示会も行っておりますので、東京にお越しの際は是非足を運んでみてください。
詳しくは東京大学建築学科のホームページをご覧ください。私も今年は運営側として参加しています。
http://kingo.arch.t.u-tokyo.ac.jp/diploma/index.htmlこれも何かの縁と思いますのでメール等いただければ幸いです。
- 2008/01/21(月) 18:08:34 |
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