ついに本物の「
マーリーの亡霊」を聴いてしまった。目の前のステージで、アンドリュー・ヨークが自ら演奏する「マーリーの亡霊」。
昨年
10月14日にお知らせしたとおり、わたしはヨークの来日公演チケットをファミマで入手した。あれから3ヶ月あまり経ち、ついにヨークをライブでみる日がきたのだ、先月のことなんだけれども。

どのタイミングでこの記事を書くべきか。少し考えていて、昨夜ようやく執筆体勢に入った。ところが、コンサート会場で手に入れた次第やら楽譜やらがみあたらない。たぶん大学に置き忘れてきたのだろうとタカをくくっていて、さきほど戻ってきたのだが、こちらにもどこにもない。あんなに大切にしてリュックサックにいれていたのに、どうしてこうなるんだろう。車の中か、下宿のアトリエか・・・???
このショックは並大抵のものではないのだが、気力を振り絞り、ネットのサイトを漁りまわって、なんとか次第の復原に成功した。チョペさん、引用させていただきました。ありがとうございます。
第1部 レッティン・ゴー
アルバイシンの丘
キンダーライト組曲
マイ・フェイバリット・シングズ
ラメント
マーリーの亡霊
第2部 祈りと踊り(ピアノソロ)
サクラ変奏曲(ギターとピアノのための)
スケリーズ
コール
織り込まれたハーモニー
サンバースト(ギターとピアノのための)
アンコール 巨人たちのアベニュー
1曲目の「レッティン・ゴー」を聴くだけで十分価値のあるコンサートだった。開演前、ホールに設けられたグッズ売り場にお客が殺到していて、わたしもその戦列に加わったのだが、平積みにして置かれた「レッティン・ゴー」の楽譜が飛ぶように売れていく。1曲だけで1200円もするのに。それが、わたしの一歩手前で売り切れてしまった。こんなに多くの素人ギタリストがヨークの新作に挑戦しようとしてるんだ。それだけでも驚きである。
わたしは最新CD『ハウザーセッション』(2006)をそこで購入した。『ハウザーセッション』はいつでもネットで入手できたのだが、この日のためにとっておいた。ひょっとしたら、CDにサインしてもらえるんじゃないか、と期待してたんだが、そういう俗っぽいことをヨークはしない。それでよろしい。しかし、『ハウザーセッション』をもっていなかったばかりに、アルバムのトップを飾る「レッティン・ゴー」という曲を知らなかったことには悔いが残る。知っていれば、もっと早くホールのショップに駆けつけ、中国式に横から強引に手をのばして楽譜をゲットしていただろう。
それにしても、素晴らしい曲だった。ヨークらしいポップな香りを漂わせながらも、バロック的なフレーズを忍び込ませて宗教性すら感じさせる曲作り。最後にはうめき声のようなボーカルがギターに重なっていく。「レッティン・ゴー」の生演奏を聴きながら、「良いギターの音を聴くと魂が救われる」という
福田進一の言葉を思い出した。ちなみに、ポップで親しみやすい曲ではあるが、「レッティン・ゴー」を弾き切るには大変な技術が必要だ。目の前で見比べたにすぎないが、「レッティン・ゴー」は「サンバースト」よりも技術的に難しいとわたしは感じた。
鳥取に戻り、車のCDチェンジャーに『ハウザーセッション』を納め、「レッティン・ゴー」を聴き直した。もちろん素晴らしい曲なんだが、ライブには適わない。あの、身も心も洗われるような聖らかな音たちを、車のオンボロCDプレーヤで再現するのは難しいようだ。ただ、言っておきたい。『ハウザーセッション』はヨークの最高傑作かもしれない。聴きやすさでは『パーフェクト・スカイ』も同じだが、『ハウザーセッション』はあそこまでポップに流れていないし、『イントゥ・ダーク』ほどクラッシックっぽく暗くもない。もっと早くから耳にしておけば良かった。(続)
- 2008/02/05(火) 00:05:23|
- 音楽|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0