「ホセルイス・ゴンザレス追悼10周年」と銘打つコンサートが米子で開催される。スペインから招聘されるクエンカ兄弟のリサイタル。
日時と会場は以下のとおり。
日時: 3月13日(水)開演19時~
会場: 米子市文化ホール イベントホール
クエンカ兄弟の略歴については、チラシの裏を参照されたい。気になるのは、ピアノ(兄)とギター(弟)の二重奏であること。解説の濱田滋郎は「両楽器のコンビにおける従来の常識を超えた画期的なデュオである」とし、「とにかくアンバランスになりがちな」ギターとピアノの「二重奏の宿命がものの見事に拭いさられ繊細で奥の深い新しい美的空間が見えてくる」と述べている。

つい最近、アンドリュー・ヨークと門光子のデュオに失望したばかりなので、はたして本当に「新しい美的空間」がみせてもらえるのか、まことに気になるところではある。
ヨークと門の二重奏を聴いた限りでは、そもそもピアノとアコースティック・ギターの相性は良いものではなく、かりにPAで音のボリュームを対等にしえたとしても、ギターの音色が変わりすぎて興が冷めてしまうに違いないという感想を抱いた。これが濱田のいう「宿命」であり、クエンカ兄弟はこの
大いなる矛盾を如何に克服するつもりなのだろうか。
ちなみにジャズの世界では、ピアノとギターの相性は少しましかもしれない。それは、いうまでもなく、フル・アコースティックギターの音が電化していることによる。しかし、だからといって、ギターとピアノの相性が「良い」とまでは言えないだろう。だれだって真っ先に思い浮かぶのは、ビル・エバンス&ジム・ホールの『アンダーカレント』だが、あの傑作は「例外」と思っておいたほうがよい。ジム・ホールの作るギターの音色がアンプで拡声されたものでありながら、まことにメロウな響きをもっているからなしえた二重奏であり、音色だけでなく音楽性の全体からみて、巨匠ビル・エバンスとサシで勝負できるギタリストはジム・ホールただ一人であった、おそらく過去も現在も・・・
3月13日か。わたしは何処に居るだろうか。鳥取県内にいれば、米子に駆けつけることはできる。それ以外の場合は厳しい、残念ながら。
- 2008/02/16(土) 00:04:29|
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