
昨年
12月4日に加藤家住宅で取材をうけた『イオンマガジン』の23号が刊行された。
表紙にみるとおり、特集は「エコロジーを地域コミュニティで楽しむ時代」。さらに目次(↓)にみるように、23号のテーマは「環境」であり、イオンが鳥取環境大学に目をつけた訳を知れる。
「環境」がイオンの企業的戦略であるのか、それとも23号の「特集」にすぎないのかは、この号だけでは読み取れない。が、おそらく前者であろう。もうひとつ注目していただきたいのは、裏表紙(上右)にみえる中国語である。
「各地社区開展環保活動的時代」
とあり、その下には英語で、
It's time to enjoy community-based ecological movement.
とも記されている。
ご賢察のとおり、いずれも「エコロジーを地域コミュニティで楽しむ時代」の訳文である。この雑誌は、48ページ構成の前半24ページ(右開き)を日本語、後半24ページ(左開き)を中国語・英語併用としている。内容はほぼ同じ。航空会社国際線の機内誌によく似た構成だ。
中国語が中国に向けられたものであるのは疑いない。イオンが中国をマーケットとして強く意識していることのあらわれであろう。一方の英文は、欧米社会に向けられたものではなく、おそらく東南アジアやインドを射程としたメッセージではないか。
わずか48ページの企業広報紙にイオンの戦略がよくみてとれる。よくみてとれることが、広報戦略上、よいことなのかそうではないのかはよく分からないが、環境大学はその戦略のコンテンツとして使われたということになるのだろう。


環境大学の取材記事は右開き10~13ページに日本語文があり、左開き3ページに短い英文・中文の要約がある。扉は研究教育棟を背景にしてビオトープの雑草上に学長がたつ写真。どうしてこんな写真を鏡に使うのだろう。使うべき写真はほかに山ほどあったはずだ。こうゆう写真を大きく扱いすぎるから、後に続く諸研究室・サークルの活動紹介が圧迫され、細切れになってしまうのだ。できれば、環境大学が進めている重要な教育・研究活動の写真を扉にしてほしかった。今回採用されている扉では「エコロジーを地域コミュニティで楽しむ時代」との係わりが不鮮明であり、大学の広報にとっても効果が薄い。立花隆とかビートたけしのような国民的才人がリーダーならば鏡に使えばよい。実際にはそうではないのだから、大学を紹介したいのならば、その活動に力点をおくべきだったと思う。
ASALABの記事は12~13ページに掲載されている。3時間以上も費やした長い取材だったが、記事は短い。ただ、加藤家縁側でゼミメンバー全員が揃った写真は、この卒業シーズンにふさわしい記念となった。また、現在作成中の加藤家住宅パンフレットでも、『イオンマガジン』さんと『
ライジング・ヴュー』さんの撮影した写真をたくさん使わせていただいている。
この点、感謝にたえません。

- 2008/03/24(月) 00:07:06|
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