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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

Masa@モダンタイムズ(Ⅱ)

 ご存知のように、現在、台湾でアコースティック・ソロギター(木吉他独奏)が閑かなブームになっている。昨夜紹介した住出勝則の『SOLO GUITAR MAGIC』(2005)も台湾で録音、発売された2枚目のDVDである。
 ケースの裏の宣伝コピーをそのまま引用しておこう。

   融合爵士與放克音楽的木吉他演奏大師 Masa Sumide 、
   曾任於京都民謡団体「SIGNAL」的主奏吉他手以及主唱、
   自1997年開始発展個人的吉他独奏事業。
   弾奏吉他超過30年余 Masa Sumide 至今共発行6張個人
   演奏専輯、其中両張精碟更是在美国受到広大好評、
   爵士吉他大師“Truk Andress”極大讃賞、也 Masa Sumide
   是世界上最棒的独奏吉他好手之一!
   在這次DVD中収録 Masa Sumide 現場 Live 最精彩 Finger
   Style 弾奏紀録。
   再次與観衆分享回味 Masa Sumide 現場独奏的魅力!

 拙いが、全訳しておく(間違いがあれば直してください)。

   ジャズとファンク音楽を融合させたアコースティックギターの達人、
   住出勝則はかつて京都のフォークグループ「シグナル」のリードギター
   兼リードボーカルであったが、1997年からひとりでソロギターの活動
   を開始し発展させていった。
   ギターの演奏を始めて30年あまり、住出勝則はこれまで6枚の独奏集を
   出している。そのなかでも2枚のCDはアメリカで大好評を博した。
   ジャズギターの達人、トラック・アンドレスは「住出勝則は世界で最も
   素晴らしいソロギタリストのひとりだ!」という極上の賛辞を与えている。
   このたびのDVDには、住出勝則が生で最高にいきいきしたフィンガー
   スタイルの演奏を収録している。
   もういちど、観衆と住出勝則のライブ演奏の魅力を分かち合いましょう!

 ひとつだけ訳注をいれておくと、現在、住出のソロギター集はたしか10枚まで増えているはず。その最新作が昨夜紹介した1)である。

   

 住出勝則のギタースタイルは、たしかに「ジャズとファンク音楽の融合」したものである。理論的にというよりも、体で(というか指で)、ジャズの和声感覚に慣れ親しんでいる、といった感じがする。コードの扱いと配列は絶妙であるが、ジャズというからには、当然のことながら、即興演奏がなければならない。しかし、わたしがみた映像には、ジャジーなアドリブは皆無である。一方、「ファンク」の要素は強烈で、アコースティック・ギターでここまでファンキーなグルーブ感を表現できるもんだ、と驚かされる。「20歳のめぐりあい」との落差にはただ呆然とするばかり。
 このDVDのレッスン・パートでは、「エレキ・ベースが大好きだった」と述べている。スラップの技術はそこから継承したものだろうが、エレキ・ギターのタッピングも散々コピーしてきたに違いない。なによりコードストロークのシャッフルに超人的というべきリズム感と技術があって、それに打楽器奏法が絡むのだから手がつけられない。エリック・モングレインにもひけをとらないだろう。だから、厳密に表現するならば「ジャズのコードワークを非常によく吸収したファンク系の音楽をアコースティック・ギターで弾くソロ・ギタリスト」ということになるだろうか。もちろんバラードも見事だが。
 昨夜も述べたように、アコースティック系のソロギタリストには深い意味での尊敬の念を覚えたことがなく、やはり学ぶならジャズ、クラシック、現代音楽系だと思っていたのだが、住出勝則を聴いて、その考えが少しく揺らいだ。この先入観を払拭させただけでもたいしたものだ。
 考えてみれば、ロック、ファンク系のエレキ・ギターの技術が、わたしにとってはいちばんの弱点かもしれない。とりあえず、「ムーンタン」の右手奏法から始めるか・・・

 さて、京都のモダンタイムスというバーで、4月22日(火)にライブがある(↓)。ダグ・スミスとの「響宴」。2006年全米フィンガーピッキング・チャンピオンのダグ・スミスは「YOU TUBE」でみる限り、もう少しオーソドックスなソロ・ギタリストのようだ。

住出コンサート01チラシ
↑京都中京区木屋町三条上ルエンパイアビルB1 「モダン・タイムス」
  ℡075-212-8385

  1. 2008/03/26(水) 00:00:29|
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