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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

実績報告(Ⅱ)-鳥取県環境学術研究費助成研究

 今年度実績報告の第2弾は鳥取県環境学術研究費助成研究(課題番号B0605)です。昨年度からの継続事業。
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ローコストによる古民家修復手法の開発(Ⅱ)
-住むことと修理することの実践をとおして-


 昨年度からの活動を継承し、今年度も鳥取市倭文の登録文化財「加藤家住宅」で学生主体の修復・改修活動をおこなった。昨年度は施主の資金供与により、工務店を主体とし学生が補助する体制で民家の主要構造部および屋根の修復を終えたが、今年度は工事のための予算がなく、学生によるセルフビルド&ゼロエミッションによる内装整備がおもな活動となった。活動は以下の5つに分けられる。

1.ロフトの内装整備
 昨年度、屋根の改修にともなって設置したロフトを「アトリエ」として再生するために学生が自らその内装を考え、まずは模型を制作した。加藤家住宅で廃棄予定の家具、あるいは鳥取市廃棄物処理場のフリーマーケットで入手した極安の家具を修理・補強し、模型のレイアウトに基づいて配置していった。このアトリエでは、昨年度修復に携わった職人さんと意見を交換する「ロフト座談会」を開催した。この座談会の成果は報告書に掲載している。

2.階段と手すりの整備
 ロフトに上がるために1本梯子を用いていたが、あまりにも危険であり、単管足場を応用した架設的な階段を新設した。常設的な木造の階段ではなく、鉄パイプの階段としたのは、それが材質によって本来の施設ではないことを強調できるのと、いつでも解体可能で当初の土間空間に復元することができるリバーシブルなものだからである。また、階段とロフトが接する部分には手すりを設けた。この手すりは加藤家住宅の床下でみつかった古い木製梯子の側桁を転用した。

3.1階欄間の修復
 昨年度の建ておこし修復工事のために開かなくなっていた座敷の雨戸を、ジャッキアップして開くようにし、その部分の障子欄間の障子紙を管理さんの指導のもとに貼りなおした。これにより座敷と庭の連続性が清らかに再生された。また、土間の菱格子欄間は激しく傷んでおり、実測調査の上、当初の意匠に復元した。

4.さまざまな活用
 春には「古民家の匠」の会、夏には「4年生卒論ゼミ」、秋には「六弦倶楽部練習会」「ロフト座談会」「とっとり<知の財産>活用シンポジウム」「弥生土器制作」などのイベント会場として修復中の加藤家を何度も活用した。

5.報告書とパンフレットの作成
 2007年8月には前年度修復工事の報告書、2008年3月には今年度の内装修復・活用の成果をアピールする冊子(パンフレット形式の報告書)を刊行した。なお、今年度の成果については、昨年同様、加藤家ホームページのブログ「倭文日誌」で随時公開している。

 加藤家住宅の修復・改修事業はまだ終わったわけではない。県環境学術研究費の助成はいったん中断するが、浅川研究室は今後もセルフビルド&ゼロエミッションの手法を堅持し、加藤家の修復活動を地道に続けていく予定であり、またさまざまなイベントの舞台としても活用していく予定である。この活動が県内外の古民家保存活用事業を促進する媒体となることを切に願っており、そういう方面からの支援要請がある場合はただちに研究室をあげてサポートにあたりたい。



  1. 2008/03/29(土) 00:00:22|
  2. 建築|
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