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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

中坂を往く -魔法の「昭和の日」(Ⅱ)

仁風閣俯瞰01


十神林道班 
 私たちは谷口ジローの『魔法の山』に描かれている久松山に登り、鳥取城跡の遺跡を調べながら山登りすることになった。13:00に鳥取県庁に集合し、鳥取西高校横の門より山に入っていった。前回のプロジェクト研究は鳥取城の歴史を市役所でお話を聞かして頂きました。私たちは鳥取城のこと、久松山のこと、仁風閣の歴史をこれまでの演習で学んできた。今回は、今まで学んだ知識を頭に入れながら実際に久松山に入ることになった。実際に登山するのは初めての人がほとんどで、不安な気持ちと好奇心がいっぱいだった。
 私たちは、まず鳥取城二の丸に足を踏み入れた。そこからの眺望で鳥取市を見渡すことができた。二の丸には桜の木が生えていて花見で賑わう場所だ。桜は散っていたが、ツツジは満開で、鳥取西校の生徒たちがまとまってお弁当を食べていた。

4合目前の郭跡013名

 私たちはお稲荷さんの赤い鳥居をくぐり、山に入っていった。足場に石段が作られているが、天守閣があった元禄ころまでにはできていた山道なので、足場がの状態が良いとは言えない。登山している人が多く、何人もすれ違って挨拶しあった。私たちは登山を目的とするのではなく、遺跡の調査を目的として山に入ったのだから、周りに目を配ってデジタルカメラでの撮影や配布された地図にメモを書き込んだりしながら進んでいった。最初おもっていたよりも石垣は数多くあり、山の中で平らになっている「郭」には建物が建っていたのだろうなどと話をしながら進んでいった。自然の岩盤なのか人工的な石垣なのかを見極めるのが難しかった。おそらく、自然の岩盤を利用し、それを石垣で補いながら「郭」を作っていったのだろう。

5合目01石垣01
↑中坂5合目あたりの石垣跡 ↓石段も文化財。8合目の「山伏の井戸」
8合目02山伏の井戸01複合
 


山上02記念撮影

山上03海

 山は森で埋め尽くされている。湧水や井戸もあった。林道でみた渓流は景色も素晴らしく、マイナスイオンが充満していた。1年生が植物の図鑑をもっていて、色々教えてくれた。所々抜け道らしきものも発見できたが、私たちには進めそうになかった。5合目には休憩所があり、そこには神社もあった。神社には池田家の揚羽蝶の家紋が飾られていた。
 私たちは、写真やメモをとりながらも全員無事に山頂の「山上の丸」につくことができた。山上の丸には休憩所や井戸などがあった。井戸は昔掘られたもので、4~5mくらいの深さがあったように思えた。水も溜まっていて、なにか生物が棲息していそうだった。天守台からの眺めはとてもよかった。鳥取砂丘や日本海、鳥取市を全て見ることができた。教授が言っておられたように、海と城下町は意外に近い。日本海の海辺から千代川、千代川から袋川(外堀)を経由して多くの荷物が城に運びこまれてきたのだろう。大きな川は日本海へと流れていた。鳥取西高校の前にある内濠も荷物の運搬に使われていたのであろうか。

ロープウェイ01

 私たちは山上で少し休憩し、全員が教授にひと言ずつ感想を述べた後、下山を始めた。山上の丸のすぐ近くにはロープウェイの施設があった。もちろん、機能していない。谷口ジローの『魔法の山』では、ロープウェイの建設中に山の精霊が怒り、山は揺れ西の斜面が崩れて、ロープウェイを設置することができなくなったと描いてあった。しかし、ロープウェイの施設は意外としっかりしていた。何年も動いていたかのように思えた。ロープウェイの施設の近くには、さらに多くの平地(郭の遺跡)があった。
 私たちは2班に分かれ下山すると決めていた。私の班は十神林道を歩いて下山することになっていた。私は下山のほうが登山より苦しいかと思っていたが、そうではなかった。下山路はコンクリートで舗装された車も走れるような林道だった。帰り道で石垣はあまり見られなかったが、多くの植物や珍しい生物や渓流に出くわすことができた。
 私たちは13時30分に登山を開始し、16時00分に県道に降りた。約2時間30分に渡り、山を駆け巡った。サンショウウオや抜け穴を見つけることができなかったが、学生たちからは「勉強になった」という声が聞こえてきた。

山上10水溜02横
↑↓山上で発見した水だまり。イモリなどの水棲動物がいるかも? 下右は十神砦からみた森林の眺望景観十神砦01眺望02複合

 今回の登山は練習のようなもので、またこれからの授業で久松山を何度か訪れることになりそうだ。今回の登山で学生が経験したことは大きいと思う。このプロジェクト研究の発表は、動物班、植物班、歴史班、風景班などに分けてわけて行うようだ。今回、経験したことを素直に書き進めていけば、きっと良い発表になるだろう。今日は天気もよく、登山日和だった。私たちの班は怪我もなく無事下山できたが、もう一方の班はどうだったのだろうか。無事下山できているといいが。やはり、下山したあとに合流すべきだったのではないかと不安になる。このプロジェクト研究はフィールドワークが多くなりそうだ、怪我には気をつけて進めていきたい。
 最後に、長文になりましたが、みなさんお疲れ様でした。個人で良い発表になるように、発表の方法をイメージしておくと後々やりやすいと思います。それでは、良い連休をお過ごしください。(環境政策学科2年O.S)

林道04複合01
↑十神林道(左が渓谷、右上は山桜) ↓謎の昆虫
謎の昆虫



  1. 2008/04/30(水) 23:00:28|
  2. 史跡|
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