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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

第5回「魔法の山」 -谷口ジローの風景-

加藤家05庭

お座敷ゼミ

 今日は久しぶりに加藤家住宅でゼミをおこなった。研究室としては今年度2回め、1・2年のプロジェクト研究1&3では初めてである。
 庭が綺麗だった。躑躅は終わろうとしているが、池の縁に咲く菖蒲の黄に目を奪われる。家紋のような白い円形の文様をもつ黒揚羽蝶がそこに飛んできた。梅雨に入る前のいちばんよい季節になったと思う。
 今日のブログは、1年生のMさんがあたった。まだメールの送受信に慣れていなくて、さきほどまで四苦八苦していたみたいだが、「今夜は勘弁してください」との連絡があった。勘弁しちゃいますよ・・・明日お願いします。ちなみに、Mさんは長野県からやってきてくれました。「植物」に興味があり、今日の発表では数冊の図書を紹介してくれたんですが、「毒草」と「食べられる野草」の図鑑を借り出してましたね。このまえ一緒に山登りしたとき、「山菜で天麩羅を食べよう」とわたしが口を滑らせたものだから、真剣?に対処してくれたようです。

加藤家01ロフト説明01

 ゼミは、まず上級生が最新パンフに基づいてロフトやイロリの案内。それから、いつものように屏風をスクリーンにしての学生の発表を聞いて、最後は、またいつものようにトウモロコシを焼いて食べましたね。
 今日のわたしは、行き帰りの車に4人の女学生をのせておりまして、

   「たまには学校ではなくて、外でゼミするのもいいでしょ?」

と訊ねたところ、嘘かホントか知らないけれど、

  「こっちのほうがいいです・・・」

とのお返事を頂戴しました。加藤家で山菜の天麩羅をする日が来るといいな・・・

 では、Mさんのブログ記事はあとで「続き」に掲載しますので。

加藤家02座敷ゼミ02





加藤家02座敷ゼミ04


5月15日の活動と感想
 今回私たちは、前回のプロジェクト研究からの1週間の間におこなった活動の成果を、平成15年度から浅川研究室で進められてきたローコストによる古民家修復手法の開発にあたって、実際修復作業が行われた鳥取藩御殿医旧居「加藤住宅」で行いました。
 加藤家住宅の外観は、まさに宮崎駿監督映画「トトロ」に登場しそうな、年季の入った部分が所々見受けられる民家でした。入口に入った所で今年の3月にできたばかりのパンフレットをもらい、まずロフトに上がって話を聞きました。ロフトは生暖かいモワッとした空気でした。下からの熱が上にくるためで、夏は暑く、冬は暖かいそうです。
 加藤家住宅修復にあたって、「セルフビルド&ゼロエミッション」という方法がたくさんの場所に実行されていました。「セルフビルド&ゼロエミッション」とは「廃棄物などを再利用して材料費をゼロとしつつ、学生たちが自らの手で建物や家具を作る作業」をいうそうです。ロフトもその一つであり、そこにあった家具は加藤家の古い家具か、鳥取市の廃棄物処理施設のフリーマーケットで仕入れてきた超安価なリサイクル品を修復したものだそうです。その中でわたしが特に印象に残っているのは、加藤家の床下から見つかった古い梯子の側桁を手摺りに転用したものです。梯子の面影を全く感じさせないほど見事に周りに溶け込んでいて、本当に素晴らしいと思いました。又、他にも1階の囲炉裏からの煙を逃がすための空気の通り道がつくられていましたが、実際の茅葺き屋根では煙が湿気を乾かし、虫を湧きにくくする作用があるためなくてもいいそうです。

加藤家02座敷ゼミ05

 続いてロフトから1階に戻って話を聞きました。加藤住宅初代の加藤道順は、享保16年に池田仲央の病気治療に呼び出され、その腕を認められて池田家のお仕え医師になりました。実際は、実家の加藤家ともう一つ城下の家があり、その家から城まで通っていたそうです。加藤家は畳部屋と縁側と庭との3つの連なった空間は自然に時間をゆったりとさせ、縁側から見る庭はまさに日本庭園の風情さを醸し出し、家と自然の一体化が感じられました。
 私たちは庭がよく見える畳部屋で1週間の成果を発表しました。まず自然班は、動物班、植物班ともに個々で18日に久松山へ登るための参考本を県立図書館とメディアセンターで探し、その本の紹介をしました。文化班は歴史・遺跡班と漫画・風景班に分かれてグループごとに調べた成果を発表しました。歴史・遺跡班は、まず県立図書館に行ってもっと詳しく本を探さなければいけないことを確認しました。そして、パソコンで城の年表を作成してきたり、借りてきた本の紹介をしました。漫画・風景班は、久松山に登って撮った写真を鳥取城の歴史を補足させてパワーポイントにまとめて発表しました。

加藤家03玉蜀黍01

 全ての発表が終わった後に、自然班と文化班に分かれて次のプロジェクト研究までにすることを決めました。最後に先輩方が囲炉裏で焼いてくれたとうもろこしを食べながらそれを発表し、全員で確認しました。その囲炉裏も「セルフビルド&ゼロエミッション」を取り入れてつくられたものです。

  自然班: 動物班、植物班共に18日に歴史・遺跡班と久松山に登り、パワーポイントに
        まとめて次回に発表。
  歴史班: 歴史・遺跡班→資料をさらに集める。そして18日に自然班と久松山に登り、
        そのまとめをパワーポイントにまとめて次回に発表。
  漫画・風景班: 18日に久松山に登り、風景の写真を撮り、実際の漫画のコマの風景と
        比較。又、谷口ジローの他の作品について調べを進める。そして発表できる
        ようにする。

 今回の「魔法の山」としての活動は教室でもできることかもしれませんが、外に出て、先輩方の活動を知ったり、自然に触れながら話し合いをすることで教室では生まれない楽しみや、お互いの親密性を高めることができたと思います。(環境政策学科1年M.N)




  1. 2008/05/15(木) 23:30:55|
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