
本日の3・4年ゼミは、アサヒコンサルタント株式会社空間情報室のスタッフに3次元レーザー計測のデモンストレーション講演をしていただきました。アサヒコンサルタントは教授のお父さんが創業された会社です。3次元レーザー計測は、
池田家墓所の光仲墓唐破風で馴染みあるものですが、今回のデモと池田家の測量は方法が違うようです。私は池田家墓所の測量に立ち会っていなかったので、作動している器械を見るのは今回が初めてで、非常に楽しみでありました。
講演では3次元レーザー計測についての概要、長所・短所、活用事例をお話しいただきました。3次元レーザー計測の器械は、ライカのScanStation2で、レザースキャンに加えてCCDカメラで撮影を行ないます。スキャンで得られた3次元データに、CCDカメラで撮影した画像をソフトウェア上で合成することで、色付きの3次元モデルを構築していきます。事例としては、倉吉市の鳥飼家住宅(県指定保護文化財)、崖崩れ現場、砂防堰堤、招き猫をみせてくださいました。計測、モデル作成に掛かる所要時間は招き猫で2時間ということです。計測した3次元データは、ソフト上で任意の距離を計測できるし、任意の場所で輪切りにでき断面をみることができます。
このほか、小物向けのレーザー計測器として、コニカミノルタのVIVIDもご紹介いただきました。こちらは土器などの計測に適しています。ただし、器の内部まではレーザーが届かず計測できないようです。

↑3次元レーザー計測器本体(クリックすると大きく表示されます)
講演中にデモンストレーションとして、ゼミ室の内部と窓越しから見える屋外の風景を計測してくださいました。CCDカメラでの撮影は講演が始まる前(室内に人がいない状態)から行ない、レーザースキャンは発表中(室内に人がいる状態)に進めました。講演終了後に合成したモデルを見せていただきました。驚いたことに、ゼミ中の室内景観や屋外の風景が早くも色つき3次元でモデル化されていました。室内に人がいない時点での写真を合成に使ったため、人のモデルには壁の色がついてしまいましたが、これは仕方のないことです。このように写真撮影とレーザー計測に時間差があると、思わぬものに仕上がることがネックだそうです。

↑デモで計測したモデル(左側が室内、右側が屋外)
教授は「
文化的景観」に関わる研究で、3次元レーザー計測を使えればよいが、とお話しになっていました。また、
美歎水源地の劣化したコンクリート造建築なども、3次元計測が有効ではないか、とコメントされていました。
たしかに、自然地形を含む広範囲な場所を計測するのに大変長けていると思います。ここまで凄いモデルを仕上げることできるものかというのが、素直な感想です。そのくらい驚異的でした。なにより、私が苦労して作ったハロン湾の景観モデルより、圧倒的に迅速かつリアルなモデルが仕上ることにため息がでた次第です。(某大学院生)
- 2008/06/07(土) 00:53:54|
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3次元測定器メーカーのファロージャパン㈱加藤と申します。
ライカの3次元測定器レーザースキャナーに関します記録を拝見いたしました。
弊社も3次元測定器Laser Scannerを販売しておりまして、弊社の測定器も是非ご覧いただけたらと思っております。
デモンストレーションは無料でございます。
是非ご検討ください。
ご連絡先:ファロージャパン㈱加藤
tel:0561-63-1411
- 2009/01/28(水) 15:03:16 |
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- 加藤 #-
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