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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

第9回「魔法の山」(Ⅰ)-自然班

水中動物採り01


カスミサンショウウオの幼生
 先週日曜日(8日)、自然班は植物班2名と動物班1名で久松山に調査に行きました。植物班は漫画「魔法の山」のいくつかのコマに描かれた場所で植物採集しました。動物班はわたし一人でしたが、大学院生のホカノさんに手伝ってもらい、東坂登口の渓流でカスミサンショウウオの幼生を7尾も捕まえました。
 大学に戻り、生物学のK教授にお話を伺ったところ、「本来ならカスミサンショウウオは12月~4月に卵を産み、もう孵化して陸上にいるはずなのだが、山地の川の中で水温も低かったから、まだ水中で生活している状態だったのではないか」とお教えいただきました。
 近年は、温暖化?の影響で、孵化は早まっているそうです。にもかかわわらず、6月になってから、カスミサンショウウオの幼生がみつかって良かったです。このプロ研の目的に一歩でも近づけて、うれしいです。
 次の日曜日には歴史班と一緒に山頂近くの井戸を探し、成長したサンショウウオを探すことになりました。8日の調査後、先生と入った長田神社近くの紅茶の店「ダウラ」のマスターは、ちょうど谷口ジローと同年代で、子どものころよく久松山で遊び、カスミサンショウウオも捕ったそうです。カスミサンショウウオは山頂に近い竹藪のなかの井戸にたくさんいたというので、今度の調査までにもう一度ダウラを訪れて、マスターに詳しい話を聞き、噂の井戸を探しだしたいと思っています。
 今回の調査ではいい結果を残すことができたので、次もこれにつなぐよい発表がしっかりできるようにしていきたいです。(環境政策学科2年 K.U)

カスミサンショウウオ03幼生05



虫取り草取り01

 8日の日曜日、わたしは午後から二の丸へ行ってみた。そこで、自然班の3名と大学院生は虫取りと植物採集をしていた。それからわたしはひとり西坂を登った。いや険しい。中坂は良かった。ずっと石段が続いているのだから登りやすかった。西坂は当初の大手だというが、いまはただの山の斜面であり、下から上までずっとロープがひっぱってある。このロープがないと、どこを登ってよいのかわからないし、また安定した体勢で崖面を登っていくことができない。その一方で、周辺には久松山の原生林ともいうべき照葉樹と落葉広葉樹の混交林がひろがっており、植物標本の採集にはうってつけだと思った。植物標本と言えば、今回1年のMさんが「植物標本の作り方」をネットで調べてきて作成した標本はなかなか良かったね。みな、日々進歩してます。
 次回の調査では、GPSをもっていくことを薦めている。東経と北緯、さらに海抜高度を記録できるからだ。心配なのは、天空を遮るの木々の多さである。はたしてGPSでよい地理情報が得られるのかどうか。
 わたしは山上から東坂を経由して長田神社をに向かった。こんどは長田神社に近い渓流地帯で、学生4人が水生動物を採集していた。そして、カスミサンショウウオの幼生を7尾捕獲したことを知った。わたしはその幼生をみて、「神様のようだ」と思った。
 神社近くの「ダウラ」という紅茶の店のテーブルに水槽をおき、なんどもなんども幼生の姿を観察した。ダウラのマスターは、このあたりの渓流にカスミサンショウウオの幼生がいることもよく知っていたし、山頂に近い竹藪のなかの井戸に大きくなったカスミサンショウウオがいることも教えてくれた。

カスミサンショウウオ01


 文政12年(1829)に岡島正義が著した『鳥府志』の上巻「御箱井戸」の項に、

    この内に異物あり、蜥蜴(とかげ)に似て稍(やや)大なり、察すらくは、
    豆州箱根の駅にて、山椒魚なりとて販(ひさ)ぐものと同種ならん歟。
    須臾(すゆ)の間に其数の増減せるを見る時は、外にありて此内に
    出入りするものと思はる。

とみえる。この「蜥蜴に似た山椒魚」がカスミサンショウウオであるのはほぼ間違いなかろう。岡島正義はこれを「異物」と称している。小さな妖怪、とでも言いたかったのだろうか。
 ダウロのマスターが教えてくれた竹藪の中の井戸とは、おそらくこの「御箱井戸」のことであり、それはまた歴史班が探し求めている「魔法の山」のなかの「霊泉の井戸」なのかもしれない。

カスミサンショウウオ03幼生06複合



  1. 2008/06/14(土) 00:03:07|
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