ブレスケアと「吸い付き婆」の関係について考えたことはありませんか。
前夜、焼肉か餃子かイタメシを食べたガールフレンドが部屋にやってきた。ではでは、いつものごとくというタイミングになっても、
「ちょっと待って」
ともったいぶっている。女はキャンディらしき物体の詰まったプラスチック容器をビニール袋から取り出した。
「それ、何?」
「さっきね、ローソンで買ってきたのよ」
「だから、何?」
「ブレスケアよ」
そして、女はプラスチック容器の蓋をあけて、水色のブレスケアをポイッと口に放り込むのだ。
「あぁぁぁ~、これっ、なかなか効くわね~~、はぁぁぁ~」
こういう状態に陥った場合、決してあせってはいけません。ことを急ぐとえらいメにあいますぞ。いまではもう懐かしく美しい想い出の一コマとして微かな記憶と残像にのこるのみですが、ブレスケアを含んだ口の中は
「吸い付き婆」状態に変化しております。
『魔法の山』の冒頭部分、城山のお濠で釣りする大人が子どもたちをからかう場面は、間違いなくセクハラというか、放送禁止用語が連発されており、この漫画を教材として良かったのかな、と冷や汗がたらりんこんとこぼれ落ちるのですが、しかし、あれはストーリー上なくてはならない伝承であり、城山(久松山)のイメージを捉えるに不可欠な話題なのであります。
政策学科2年のK君は、この伝承が『鳥府志』の記事に由来するかもしれないという発言をして周囲を驚かせました。城内の井戸に婦人が何度か落ちて死んでいるのね。その霊が吸い付き婆であり、祠さまだという発想であります。そして、吸い付き婆や祠さまは地上にでてくると、オオサンショウウオに姿を変えてしまうというアイデアを谷口ジローは披露しています。が、久松山にオオサンショウウオがいた可能性は低く、むしろ井戸にたむろしていたカスミサンショウウオかハコネサンショウウオの「
異物」としてのイメージが井戸で死んだ女の霊と重なりあっているのではないか??
それはさておき、「吸い付き婆」の被害にあった男はあとで後悔して、
「ねぇ、一粒頂戴よ」
と女に頼み、ブレスケアを口に入れてみる。ここで、すべての謎は氷解する。石棒が水虫と化したのは何故か、よく理解できてしまうのです。
ねちゃねちゃしてるのね。ねばねば、というほどではないけれど、ねちゃねちゃしている。これが粘膜から離れない。これで吸い付かれちゃったんだから、水虫になっても仕方ありません。訳が分かって、男は少しほっとしたりしてね・・・
今日の噺、お分かりになりましたか?
お分かりになった方は、ぜひとも拍手をくださいね。お分かりにならなかった方はメールをください。そっと教えてさしあげます。
では。
- 2008/07/09(水) 00:35:22|
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