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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

楼観と邪馬台国山陰説??

 9日の午後、県庁で某委員会があり、出席した。研究所時代の先輩が二人も同席する会議で、会議後の喫茶店で「太ったな、デブだな、なんとかせんかい」とのお叱りをさんざん頂戴してしまった。まぁ、事実だもんね。今夜はもう山登りもできないし、ビアンキも漕げない。残るは室内バイクだけか。ペダル踏んでみますかね・・・
 さて、同じ会議の委員で鳥取の情報誌を編集されている方もいる。その情報誌の第3号を頂戴した。地方で編集したとは思えない都会的な紙面デザインや構成力に驚かされる。エネルギーを感じさせる雑誌だ。
 そのような雑誌を、なんでわたしが1冊頂戴できるのかと言えば、青谷上寺地遺跡の建築部材で復元した「楼観」のCGを提供しているからです。

 その雑誌には、恐るべき特集が組まれているのです。「学会騒然の大仮説 邪馬台国山陰説」だって。勘弁してくださいよ・・・ずいぶん以前から「出雲王朝説」を主張する研究者はおりまして、この点については、なお検討の余地がなきにしもあらず、と思っていないことはないけれども、「邪馬台国山陰説」なんて成立するわけがない。いま古代史や考古学の専門家の大半は、邪馬台国は大和にあったと考えております。北九州説は風前の灯火か、灯火が消えたか、という状況でして、これを権威の名のもとに信望せよとは口が裂けても言いませんが、「邪馬台国山陰説」はないよね。いちおう特集は読みましたが、とくに目新しい視点もデータもありゃしない。たとえば、山陰に素晴らしい遺跡が多いったって、近畿や九州はもっと多いんだから、その点をはっきり述べてもらわんと話になりません。
 執筆者は在野の研究者ですね。古代史マニアから、こういう研究者に変身し、著書を出してらっしゃらる方は日本全国にたくさんいます。なにせ古代の文献資料は限られているし、考古学の資料はモノであって、どんな解釈でもできるから、アマチュアの方でもオリジナリティの高い「仮説」が呈示できないことはありません。しかし、繰り返しますが、特集を通読した限り、なにも新しい視点なんかありませんね。「邪馬台国は山陰にあったんだから、あったんだ」としかわたしには読めませんでした。
 で、ともかくちょっと迷惑なのは、「邪馬台国山陰説」の根拠の一つにわたしたちが復元した楼観CGを使われていることです。あんな貧相な物見櫓が、邪馬台国にあったはずはないのです。復元した本人が言っているのだから間違いない。唐古・鍵遺跡で出土した土器絵画・掘立柱建物跡・柱根などをみれば、大和にあったであろう邪馬台国の楼観は、もっともっと豪壮なものだったに違いありません。鳥取の楼観だから、あれだけ木が細くて、背が低いのね。ああいう貧相な楼観しかないこと自体、青谷あたりに邪馬台国がなかったことを雄弁に物語っているのです。

邪馬台国山陰説



 えっ、じゃぁなんで、掲載許可してんのかって??

 それはですね、人間関係ですよ。社会的コミュニケーションとして拒否できないことがあります。某復元コンペにしたって、平城宮の復元事業に辟易して逃走してきたわたしが関わるのは、わが人生における矛盾の極致のようなものですが、これもまた人間関係が背景にあり、なにより現場を見学した学生たちが自主的に参加したいと希望するので、意のままに任せているだけのことなんです。
 やりたければ、やればよい。しかし、たいした指導はしませんよ。だって、わたしは審査員なんだから。審査員がアイデアを提供したら、自分のアイデアを審査することになっちゃうでないの・・・試験官が受験するとか、自分の論文を査読するとか、そういう行為に近くなっちゃうわけだから口をだすのは極力控えなければなりません。

 あれっ、浅田彰の『逃走論』がなぜか頭に浮かんできたぞ。
 逃げろや、逃げろ・・・どこぞにないかね、隠れ家が。

  1. 2008/07/11(金) 00:12:40|
  2. 史跡|
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