昨日、鳥取へ到着された、東京大学生産技術研究所池内研究室の大石さん・角田さんと早朝、ビジネスホテルで待ち合わせをしていた私は、久し振りの早起きのせいかまだ、眠たかった・・・。二人を乗せ、大学生の多くは夜型だといった話をしながら、研究室に既に届いている測量機材を取るため大学へ向かった。
「面白い形の建物ですね。」
お二人から、そんな声があがったのは大学についてまもなくだった。鳥取環境大学のメディアセンターである。円筒形の一階部分の上に直方体の2階が乗った形であるが、詳しくは、大学のHPを見ていただければ幸いです。
宮本君の車と計測機材を積んだ軽トラックの2台で池田家墓所に行きました。現場に到着すると、県教育委員会文化課の濱田さんもこられ、本日の計画を立ていよいよ計測を開始することになりました。


さて、今回使用した測量機器は、Cyraxといい、レーザーを使用して測量を行うものです。その原理は、
1)対象物にレーザーを照射し、反射に要する時間から対象物までの距離を計測する。
2)これにより、対象物を立体的に認識することが可能になる。
とのことです。計測器により、一度に計測可能な範囲や精度がまちまちだということもお聞きしました。今回の作業では、1度の計測に10~15分程度の時間がかかりました。約10分間の撮影作業を数ヶ所でおこない、それら1枚1枚画像の歪みを調整していくことで、非常に精密な立体計測ができるそうです。
とはいえ、計測が始まると特にすることもなく日常会話を楽しんだり、日陰で休んだりしていました。途中、池田家墓所で浅川研究室が行ってきた作業・研究の話になり、池田光仲墓の立面図や唐破風の図面(こちらは、現場でのスケッチに寸法を書いていき、それを用いて図面にしたものですが)を見ていただいたところ、実測はあまり行われないということで、その点では、まだ負けていないかなと思ったりしていました。
計測は午前中からおこなっていたのですが、10時を過ぎた辺りから陽も高くなり、以前、唐破風の実測をした日ほどではなかったにしろ、暑さの厳しい一日でした。私たち学生は、前回の教訓を活かして、スポーツドリンクやお茶をクーラーボックスに入れて持って行き、水分補給を行っていたのですが、直射日光の中フル稼働していた測量機材やコンピュータは、暑さに悲鳴をあげたのか調子を崩してしまい、動作不良を起こしてしまいました。初めて見る機材を前に、もしや故障してしまったのでは・・・と内心ハラハラしていた私をよそに、冷静に原因を解明していく大石さん・角田さんには脱帽といった感じでした。

今回、立体測量をしていただいた対象は、池田家墓所初代藩主 池田光仲墓の割れていた唐破風(上の写真)と池田光仲の七男にあたる「清弥墓」(下の写真)でした。「清弥墓」は、柱に墓所内で見られる典型的な破損をしているため、光仲墓の唐破風と同様に立体的な計測を行うことで、それらを補修する際のデータとして必要だろうということで測量していただきました。

測量の際、全方向から撮影をおこなう必要があり、唐破風を横倒しの状態にする作業が行われました。私も、実際に唐破風の底面を見るのは初めてで、とてもいい機会となりました。
明日も測量作業を行うので、私たちも大石さん、角田さんを補助して作業をスムーズに行う手助けができればと思います。(ぴえーる)
↓光仲墓唐破風の下面。

- 2005/09/13(火) 23:41:46|
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私は岡山池田家墓所の石工について調べています。その関係で、鳥取家墓所について見学に行きました。石垣や敷石の使い方がよく似ていました。また、池田光政が造った和意谷墓所でも、石垣に凝灰岩である豊島石を使っています。石工技術について考えるにあたって大名家
墓所は大切であると感じています。そこで、貴研究室の鳥取池田家墓所の調査報告書を入手したいのですがどうすればよろしいでしょうか。
- 2010/11/27(土) 20:43:30 |
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- 北脇 義友 #-
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コメントありがとうございます。
事情は承知しました。
まず「拍手」をしてください。「拍手」のコメント欄に電子メールアドレスを示すことができるはずです。もしうまくいかないようなら、拍手コメントの欄にアドレスを示してください。そのアドレスに連絡させていただきます。どうかよろしくお願いします。
- 2010/11/28(日) 23:41:06 |
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- asax #90N4AH2A
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