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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

風鈴(Ⅱ)

風鈴01仮吊り01横

 いましがた、佐治の実家に風鈴を届けてきた。
 近江の旅でみつけたのである。彦根に「京橋夢キャッスル・ロード」という商店街があり、そこの蝋燭屋さんで売っていた。キャッスル・ロードは「お城通り」ということで、たぶん昔の大手ではないかと思えるのだが、ただそれはイメージだけで、実際は間違っているかもしれない。しかし、「大手」だと思わせる道幅と町並みを誇示している。ただし、文化財に関わる者ならば、この商店街の道幅と町並みが城下町時代のものではないことはひと目で見抜ける。だれがどうみても、これは「作られた城下の町並み」だ。たしか、国交省系の町並み整備でおこなわれた復元もどきの開発で、文化庁の建造物関係者は激怒したとか、しないとか・・・
 中国雲南の麗江(世界文化遺産)ほど悲惨ではないが、木造の歴史的建造物はどこに行ってしまったの、と少しく悲しい気分になることはなる。しかし、やはり麗江と同じように、この城下まがいの商店街は客足で賑わっている。すでに、間違いなく、彦根の「顔」ではないか。

夢京橋キャッスルロード
夢京橋キャッスルロードの町家
 お茶したお店のご主人によると、キャッスル・ロードにはさらに2店、風鈴を売る店があるというが、この商店街では火曜日を定休日とするお店が多く、他の2店は閉まっていた。だから、蝋燭屋さんで風鈴を買った。値は安くないだけあって、良い音がする。この差はなんだろう。鳥取という山陰の田舎町では、すでに土曜夜市にでても風鈴が買えないのである。風鈴を売らない理由を、店主は「空調が普及したから」と説いた。それが彦根では、あっさり買えてしまう。

 風流の意識の差とでもいうべきか。山陰という、日本のなかでは夏に比較的涼しい地にありながら、空調に頼り、風鈴を捨ててしまった人たちと、琵琶湖のほとりにあって、なお風鈴の音を楽しもうとする人たち。ふと、京都ではどうなのだろう、と思った。あの死ぬほど暑い京の町衆は、すでに風鈴を捨ててしまったのかどうか。坪庭に接する縁に、あれほど似合う夏の風物もないだろう。
 そういえば、「風鈴」のブログ記事を読んで、「風鈴なら百均にありますよ、たしか200円でした」と教えてくれた鳥取人がいた。・・・無粋の極みではありませんかね。

 佐治の家では、まず室内の鴨居に風鈴を仮吊りした。いい雰囲気だ。しかし、鐘の音は聞こえない。そこで、ばぁちゃんは扇風機をまわした。いい音がする。外は暗くなっていたが、そのあと軒先に風鈴を吊した。
 佐治では、清涼な風鈴の音が聞こえる。

風鈴03複合


  1. 2008/08/06(水) 00:00:43|
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